薫-癒し-


「るろうに剣心」より
剣心に対する復讐として薫を犯した縁だったが・・・

----- 1 ------

(この人も・・・・幕末の戦乱の・・・被害者なのね・・・)
 幼子の様な表情で見上げる縁を胸に抱きながら、薫は縁の境遇に対して同情する。
 縁は薫に抱かれて落ちついたのか、先程までの苦しむ姿は見せず、薫の胸に頭を預けている。
(姉・・・サン・・・・)
 そのまま縁は、気を失うように眠りに落ちていった・・・

 それを境に、薫に対する縁の態度が変わった。
 何かにつけては薫の部屋へと訪れるが、特に何をするでも無く、無言で薫を見つめては帰っていった。
 その表情からは以前の険しさが消え、優しさを含んだ普通の男の表情に見えた。

 数日後の深夜、寝台で寝ていた薫は、部屋の扉が開く音で目を覚ました。

----- 2 -----

(・・・・・・・?)
 ゆっくりと視線を巡らせると、開けた扉の取っ手を握ったまま縁が薫を見つめていた。
 薫はゆっくりと上体を起して、自分をみつめている縁に問いかけた。
「・・・・何?」
 縁は薫の問いかけには答えず、黙って部屋の中へと入り、薫へと近づいて来た。
(俺は・・・一体・・・・)
 怪訝そうな顔で縁を見ている薫の前に立つと、縁は右手を伸ばして薫の頬に触れた。
(復讐・・・そう、フクシュウなんだヨ、これは・・・抜刀斎からこの女をウばう・・・身体だけでは無く、心も・・・・)
「縁・・・?」
 縁は薫に抱き始めていた想いを心の中で否定しながら、それでも押えきれない想いに突き動かされて、寝巻き姿の薫に口付けした。
「ん・・・・・・!」
 突然の縁の行動に戸惑う薫。
 最初に犯した時の用な乱暴さでは無く、縁は優しく薫を抱きしめながら、薫の口内に舌を挿し入れて絡めた。
 薫の方は、縁の変化に戸惑いながらも、縁の様子を必死に観察する。
(どういう事なの・・・・・・?)
 そんな薫の反応には構わず、縁は寝巻きの下に手を潜り込ませて、薫の肌の感触を楽しんだ。

「薫・・・お前が俺のモノになれば・・・・抜刀斎は生かしておいてやる・・・」
 縁は露にした薫の胸を揉みながら、耳元で囁いた。
 その言葉で、薫は縁の態度の変化の理由に思い至った。
(この人、私の事を・・・・)
 薫は縁が激発する可能性があるのを承知で、あえて縁の申し出を断った。
「嫌です・・・・私は剣心だけを・・・・」
 途端に縁の表情が変わったが、それは薫が予想していたものでは無く、拒絶された事への悲しさに満ちた表情だった・・・

 悲しげな目をして、薫の身体から離れようとした縁を、薫は反射的に抱きしめていた。
「・・・・薫」
「今だけ・・・今だけだからね・・・・、貴方の想いを・・・見せて・・・」
 縁は薫の言葉に、口付けで応えた。

----- 3 -----

 縁は薫の膝の裏に手を挿し入れて両足を持ち上げながら、溢れた愛液で濡れた薫の膣内に、想いの全てを込めて自分の物を挿入した。
「あ・・・・はぁ・・・・・んんっ・・・・・・!!」
 ゆっくりと根元まで挿入すると、全身を使って荒々しく薫を貫き始める。
 薫の切ない喘ぎに混じって、二人の繋がった部分からの淫らな水音が部屋の中に響き、その音に刺激されて薫は高まってしまう。
「あっ・・・あんっ!、ふあぁ・・・・!!」
 あまりに激しい縁の貫きに、薫の身体が上方に動いてしまう。
(薫!、薫!)
 縁は自分の想いをぶつけて薫を一心不乱に貫き、時折、自分を落ちつけるかの様に唇を重ねては、再び激しく薫を貫く。

 どれだけ薫を貫いても縁は果てる事が無く、様々な態勢で薫への想いを吐き出した。
 それは姉への想いでもあったのかもしれない・・・

 胡座を組んで座る縁の上に、向かい合う様にして腰を降ろし、抱き合いながら二人は互いを貪った。
 ギシギシと寝台を軋ませながら、縁は下から薫を突き上げ、薫も腰をくねらせて縁を迎え入れる。
 そして互いを貪りながら、激しく唇を重ねた。
「ん・・・んん・・・・・!」
 唇が離れると同時に、薫はこの日、何度目かの絶頂の声を上げる。
「ああんっ!、また・・またイっちゃうっ・・・・!」
 プルプルと肩を震わせながら、縁の身体に必死にしがみ付いて、全身を襲う快楽の波に溺れた。
 薫は脱力したのか、そのまま後方へと倒れそうになった。
 それを縁の両腕が支え、そのまま薫の身体を寝台の上に寝かせて、最後の抽送を開始した。
 薫は既に限界で、小さな喘ぎを途切れ途切れに漏らしながら、縁の動きに身を任せる。
「あっ・・・!、んっ・・・あっ・・・あっ・・・ああっ・・・・・!」
「薫・・・・!」
 高まる射精感に押されるように、縁は抽送の速度を上げて、薫の身体を貪る様に貫いた。
「イクぞ・・・・・・」
「来て・・・縁、あっ・・・・ああんっ!」
 縁は最後に力強く一突きすると、薫の体内に想いの全てを放った。
「はぁ・・・・・・・・」
 縁の吐き出した物を受け止めながら、薫は縁が涙を流しているの瞳の中に捕らえた・・・

----- 4 -----

「どうしても・・・戦うの?」
「ああ・・・・それ以外に、俺の未来はナい」
 屋敷の玄関の扉に手をかけた縁に、薫が問いかけた。
 薫に背中を向けたまま縁は呟いた・・・
「普通に生きていれば・・・抜刀斎より先に、お前に出会えたかもしれないナ・・・」
 そう言って縁は先に屋敷を出て行った・・・

END
----- あとがき & 今後の予定 -----

仕事の方が忙しくて、H度がパワーダウンしました(苦笑)
さて・・・これで次回は念願の(?)剣心×薫ちゃん♪
とりあえずのハッピーエンドを予定しています(^^ゞ
何故「とりあえず」かと言うと・・・その後の企画が進められているので・・・
企画に関しては、いずれまた・・・