薫-別離の後-


「るろうに剣心」七巻より
剣心に別れを告げられた薫。
最後に抱きしめられた剣心の温もりを思い出すように、
薫の指は自らを慰める。
しかしその姿を弥彦が・・・・
※この作品は「薫-散華-」をふまえたお話です。
 先に同作品をご覧になってからお楽しみ下さい。
----- 1 -----
「薫さんは相変わらず?」
「ああ、布団に潜り込んだまんまだ」
 薫の様子を覗いに来た妙が弥彦に尋ねる。
「そう・・・・」
 二人はそのまま押し黙ってしまう。
 結局二人にはどうすることも出来ず、用意してきた食事を弥彦に預けて、妙は引き返していった。
 夜もふけている。
「・・・・剣心・・・・・ぐすっ・・・・・」
 薫はは相変わらず布団の中で鼻をすすっていた。
 最後に抱きしめられた剣心の姿が、薫の脳裏に思い出される。同時に剣心の手の温もりが体に甦る。
 それは薫の心を、より一層悲しみの淵へと追いやる。
「剣心・・・・・・」
 そう呟くと、薫は両腕で自分の体を抱きしめる。その腕の温もりが、剣心のものと重なっていく。
(・・・会いたいよ・・・・・・・)
 体を抱きしめていた両手が、それぞれ別の動きを始める。
「あふぅ・・・・ん・・・・」
 剣心の温もりを呼び覚ますように、薫は自らを慰める。
「ん・・・剣心・・・・・・愛してるの・・・・・・」
 本人を前にしては口にすることが出来ない言葉を、瞼の裏に浮かぶ幻の剣心に対して呟く。
 薫の頬を一筋の涙が流れ落ちる。
「・・・あんっ・・・だめ・・・弥彦に・・・聞こえちゃう・・・・」
 手の平から少しはみ出すぐらいの大きさで、しっとりと指に吸い付く乳房を両手で揉み上げる。
「あっ・・あんっ・・・んんっ!」
 既に硬く尖って激しく自己主張する乳首を、人差し指と中指で挟み、きゅっと摘み上げる。
「ああんっ!・・・だめっ・・・声・・・出ちゃう・・・・」
 胸を揉む手の動きは更に激しさを増し、充血した肌が赤く染まっていく。
「んっ、んっ、ああっ・・・・・・・・ここも・・・」
 薫の指は躊躇い無く下へ伸びていく。成れた手つきで陰唇を押し開き、いつもの様に指を沈ませる。
 刃衛に無理やり女としての喜びを目覚めさせられてから、この行為は幾度と無く繰り返されてきた。
 くちゅぅ、という湿った音と共に、奥に隠れた膣口が現れる。
 そこを目指して指は進む。中に入って二・三pほどの所に有る、薫が一番感じる部分を指で掻くようにする。
「はうんっ!、あんっ、あっあっあっ!」
 中指を中に沈めながら、手の平の部分で敏感な突起に刺激を送る。
「いいっ!、だめっ!気持ちイイのっ!!」
 ぐちゅっ、ぬちゅっ、くちゃぁっ
 夜の静けさが包み込む部屋の中に、薫の指が立てる淫猥な音が響く。
 薫の性感は高まっていったが、同じに何か物足りなさを感じていた。
 一旦指の動きを止めて、のそのそと布団から這い出ると、戸棚に奥に隠してあった、木製の張り型を取り出した。
 少し小柄なその針型を見つめる薫の瞳が、それから得られる快感を想像して濡れている。
 布団の上に戻り膝を付いて四つん這いになる。そして張り型に唾液を塗すと、そっと膣口にあてがう。
「ん・・・・んんっ!」
 ゆっくりと張り型は沈み込んでいく。張り型に推し出される様に、大量に溢れ出した愛液が太腿を伝って流れ落ちる。
「い、いいっ!、おっきいっ!おっきいのっ!!」
 張り型に夢中になっていた薫は、その時襖の向こで物音がした事に気づかなかった。
----- 2 -----
 不信な物音に弥彦はめを覚ました。
「・・・・薫の部屋からか?」
 取りあえず竹刀を手にすると、足音を忍ばせて薫の部屋へと向かう。
(何の音だ・・・・・声?、薫か?)
 薫の部屋の前で立ち止まった弥彦は、床に屈み込んで襖を少しだけ開けると中を除いた。
(!!!)
 丁度その時、襖の方に尻を向けて、薫は張り型を挿入しようとしている所だった。
 その光景は弥彦にはまだ刺激が強すぎる物だった。思わず竹刀が手を離れて床を転がり、わずかに音を立てる。
 弥彦は慌てて竹刀を押さえて、伺うように部屋の中を見る
 しかし薫はその僅かな物音に気づいた様子は無く、張り型を出し入れし始めていた。
「あんっ、んっ、んっ、んっ!、いいっ!!」
 始めてみる女の乱れた姿に、弥彦の股間は瞬く間に充血していく。
 自分でも気づかぬうちに、熱くたぎった自分の物を握り締めていた。自然と擦る様に手が動き始める。
「はうっ!、うんんっ!、いっぱいっ!いっぱい入ってるっ!」
 四つん這いの姿勢のまま布団に顔を埋めて、股間に伸びた手は張り型を激しく出入りさせる。
 張り型に愛液が染み込み、木の色を変色させる。
「もっと!、もっと欲しいのっ!、剣心っ!剣心っ!、もっと、もっと突いてっ!!」
 頭の中では剣心に抱かれているのであろうか、薫は必死な声で剣心の名を呼ぶ。
「いいのっ、いいのっ!、剣心のが奥に当たるのっ!、やだっ、ひゃうんっ!!」
 ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐちゃぁ、ぐちゃぁ・・・
(薫・・・・すげえ・・・すげえいやらしい・・・・・・でも、キレイだ・・・・)
 暗がりに浮かぶ薫の姿を凝視しながら、弥彦は激しく擦り上げる。
 経験の無い弥彦は直に射精感が高まっていく。
「うっ!・・・・・」
 いきなりの射精に、思わず弥彦は声を上げてしまう。
(やばい!・・・)
 今度は薫も気がついた。
「誰っ!」
 慌てて胸元を隠しながら襖を開ける。そこには射精しても尚、その硬さを失わない物を握り締めた弥彦が、恥ずかしさと気まずさに俯いていた。
「・・・弥彦・・・・・・」
「・・・ごめん・・・オレ・・オレ・・・・・うっ・ううっ・・・・・」
 悪戯を見つけられた子供のように、しゃくりあげ始める弥彦。
 その姿を見て、薫の心に愛おしさがこみ上げてくる。
(弥彦も男の子なんだ・・・私が悪いんだよね・・・・)
 弥彦の肩に手を置き、耳元に囁く。
「中においで、弥彦・・・・」
 咎められるとばかり思っていた弥彦は、意外な言葉に驚いて薫を見上げる。そこには優しく微笑む薫の顔があった。
 薫に導かれて、弥彦は薫の部屋へと入っていった。弥彦がいた場所の床には、吐き出された精液が広がっていた。
----- 3 -----
「そこに座って・・・」
「・・・うん・・・・」
 布団の上にあぐらを組んで座る。
「見てたのね・・・あんな所見たの始めて?・・・・私どうだった?」
「・・・・・・キレイだった・・・」
「・・・・・あいがとう」
 弥彦は恥ずかしそうに俯いた。
「ふふ、そんなに汚しちゃって・・・出したばかりなのに、まだそんなにして・・・・」
 慌てて股間を両手で覆い隠す。それが刺激になって体をビクンッと振るわせる。
 くすくす、と薫は笑う。さっきは隠していた胸と股間は露になっている。
 弥彦は目のやり場に困って視線を泳がせるが、瞳は無意識の内に薫の茂みを見てしまう。
「・・・どこ見てるの?」
「あ・・・いや・・・・その・・・・」
 どもる弥彦に薫がそっと近づく。
「・・・意地悪だったかな?・・・ごめんね・・・お詫びに・・・・・」
 弥彦の股間に手を伸ばす。
「薫!、だめ・・・・」
 言葉を遮るように薫の唇が弥彦の唇を塞ぐ。その唇の柔らかさと甘さに、弥彦の体から力が抜けていく。
「・・・今日だけ・・・特別よ・・・・私も寂しいの・・・・」
「・・・薫・・・・・・」
「キレイにしてあげるね・・・・」
 ぴちょっ
 弥彦の物に舌を伸ばす。先ほどの射精の残りを舐め取りながら、全体を口に含んでいく。
「あっ・・・だめだっ・・・汚いよっ!」
「んん・・・ふぁいしょうふらよ・・・・」
 口に含んだまま薫が喋る。それがそのまま刺激となって弥彦の体を震えさせる。
 やや硬さを失いつつあった物は、再びその勢いを取り戻す。
「ふふふ・・・もっと気持ちよくしてあげるね・・・・」
「あ・・・・・」
 指で髪をかき上げながら、先端にそっと唇をつける。そのまま唇をすぼめて根元まで咥える。
 ちゅっ、ちゅっ、と吸い上げながら、袋の方にも手を伸ばす。
 袋を揉みながら、唇をゆっくりと前後させる。すでに弥彦の息は荒くなってきていた。
「薫・・・オレ・・・もう・・・・」
 ちゅぽんっ
 唇を離し、その代りに指で輪を作って上下に擦る。
「我慢できない?・・・私と・・・・・・したい?」
「うん・・・・オレ・・・薫に・・・・入れたい・・・でも・・・・」
「剣心の事は忘れて・・・今日だけ・・・今だけ・・・特別よ・・・・・」
 そう言って薫は弥彦に背を向ける。背中を見せたまま弥彦に問い掛ける。
「普通がいい?・・・それとも後ろから・・・する?」
「・・・・さっきの薫・・・キレイだったから・・・後ろからしたい・・・・」
 薫は優しい微笑みの表情を浮かべたが、弥彦からはそれを見ることは出来なかった。
 ゆっくりと跪いて、少しだけ脚を開く。
「来て・・・弥彦・・・・・ここ・・・ここに弥彦のを・・・入れて・・・・・」
 ごくっ
 弥彦の喉を鳴らす音が薫にも聞こえた。背後から弥彦が近づいてくるのが気配で分かる。
 弥彦に分かり易い様に、指で陰唇を開いて見せる。
 ぴちょっ・・・・・・
 先端があてがわれた・・・・・。
「んんっ!!」
 先端を入れると同時に上がった薫の声に、弥彦は驚いて腰を止める。
「んっ・・・・いいよ・・・全部入れて・・・・・それから激しく突いて・・・」
 ぐぐっ、弥彦の物が一気に根元まで突き入れられる。
「ああんっ!!、弥彦っ!動いてっ!、激しく突いてっっ!!」
 ぐっちょ!、ぐっちょ!、ぐっちょ!
 弥彦は硬く反り返った物で、背後から激しく薫を貫く。
 薫の腰を抱え、勢い良く腰を打ち付ける。薫の中は弥彦の物に絡み付き、蠢きながら締め付ける。
「薫っ!、いいよっ!薫の中、暖かくて、柔らかくて・・・締め付けてくるっ!」
「弥彦のもいいよっ!硬くて、熱くて・・・・もっと、もっとっ!・・・あんっ!」
 部屋中に二人の声が響き渡る。
 弥彦が打ち付ける腰の動きに合わせて、重力に引かれた薫の乳房が前後に大きく揺れる。
 髪を振り乱し、激しく喘ぐ薫。
「あんっ、あんっ、あんっ!、いいっ!弥彦っ、弥彦っ!、気持ちいいよっ!!」
「薫っ!オレ・・・もう・・・・」
 若い弥彦は瞬く間に昇りつめそうになってしまう。
「まって!、まだっ・・・もう少し・・・もう少しで来るのっ!・・・イキそうなのっ!!」
「くっ!」
 必死に歯を食いしばって、先端まで来ている射精感に耐えながら、一層激しく突き上げる。
「いっ!、あっ!、んっ!、ああんっ!・・・来るっ、来るのっ!・・・もう・・・・・」
 薫の喘ぎが小刻みになっていく。絶頂が直そこまで来ていた。
「あっあっあっあっ、いいっ、んっ、んっ、んっ、はんっ!・・・・だめっ!・・いくッ!、いく、いく!!」
「だめだっ!でるっ!」
「あああっ!、出てるっ!、弥彦のが中で暴れてるっ!・・・・ああんっ!、いくっ!いく!いく!いく、いっちゃうっっ!!!」
 びゅるっ!どくっ!どくっ!どくんっ!
「あああ・・・・・・・ん・・・・・」
 射精を終えた弥彦は薫の背中に倒れ込み、射精感の余韻に浸っていた。
 薫も同じように、絶頂感に体を震わせていた。
「かおる・・・・・」
「弥彦・・・・」
 布団に重なり合うように倒れ込む二人。薫はそっと弥彦の頭を撫でながら、愛しそうに唇を重ねた。
「弥彦・・・・これは夢だからね・・・・明日になった忘れるのよ・・・・」
「・・・・・・・薫」
「今日は一緒に寝ましょう・・・・・・、明日になったらいつも通り・・・・ね?」
 弥彦は黙って薫に頷いた。
(薫には剣心がいる・・・・・オレじゃだめなんだ・・・・)
 二人は抱き合いながら眠りに落ちていった・・・・・
END

これ、書いた当初は色んな事を言われました(苦笑)
まあ、相手が相手だし・・・仕方ないですかねぇ(^^;
でもね、これ・・・自分ではかなり気に入ってるんです(笑)