20万HIT記念SS

薫-月夜の晩に-


「るろうに剣心」より
原作の終了後・・・

----- 1 -----

 秋の夜。
 月明かりだけが頼りの闇の中、時折無視の音が微かに響いている。

 すっ・・・

 微かな音を発てて剣心の部屋の襖が開き、寝入っている剣心の横顔を月明かりが照らした。
 瞼に明りを感じて剣心が寝返りし、薄くその瞼を開く。
「・・・・ん」
 その視線の先には、月光を背景に佇む薫の姿があった。

 二人は一緒に暮らしている弥彦の手前、京都で結ばれてからも別々の部屋で寝ていたのだ。

「・・・どうしたでござる?」
 剣心は上半身を起して薫に尋ね、そのまま体を起そうとした。
 その動きを遮るように薫が部屋の中へと歩みを進め、剣心の上半身を照らしていた月明かりを遮り、その傍らへと腰を降ろした。
「何だか・・・」
「・・・?」
 薫は躊躇いがちに口を開き、恥かしそうに打ち明けた。
「静か過ぎて・・・眠れなくって・・」
 夜半に男の部屋を尋ねる恥かしさと、「一緒に寝て欲しい」・・・そう言えない照れが、薫の表情から見て取れた。
 剣心は全てを理解したような笑みを浮かべると、そっと布団の端を開いて薫を招く。
「おいで・・・」
「・・・うん」
 言葉にしなくても解ってもらえた嬉しさが、剣心の招きに応ええる薫の声に現れていた。
 そっと身体を滑り込ませ、剣心に抱かれるようにして布団の中で横になる。
 剣心の体温が寝巻き越しに伝わって、それがそのまま薫の頬を染めさせた。

----- 2 -----

 トクン・・・トクン・・・

 早くなっていく自分の鼓動が、静けさの中で大きく響いているような気がして、恥かしげに薫は目の前の剣心の顔を見つめて言った。
「聞えちゃう・・・・・?」
「ああ・・・聞えるでござるよ。薫殿の・・・・鼓動が」
 薫は剣心の胸に顔を埋め、その心臓の音を耳にしながら呟く。
「剣心だって・・・」

 自分と剣心の鼓動が重なるような錯覚を覚え、薫は温かい温もりに包まれながら、愛しい人の名を口にする。
「剣心・・・・・・」
 そう呟いた薫の髪を指先に絡めながら、抱きしめていた腕に更に力を込める剣心。
 胸に抱いた薫の髪から発せられる、爽やかで甘い香りが剣心の鼻腔をくすぐった。
 
 静寂の中での至福の刻・・・・

 再び顔を上げた薫の唇に、そっと剣心の唇が重ねられ、微かな水音と共に、切なげな鼻息が部屋の中に響いた。
「ん・・・・・・」
 唇を割って挿し込まれる剣心の舌を、躊躇いがちに薫の舌が受けとめる。
 口内で絡み合う舌が、薫の心を蕩けさせていく。
 まるで口の中に神経が集中してしまったかのように、口内での剣心の舌の動きの全てを、薫は全身で受けとめていた。

「はぁ・・・」
 剣心の唇が離れると、薫は大きな溜息を漏らして、剣心の瞳を上目使いに見つめる。
 潤んだ瞳で見上げらる薫に、剣心は優しい笑顔で微笑み返す。
「可愛いよ・・・薫」
 不意に「可愛い」と言われて、薫の頬が急速に朱に染まっていく。
「もう・・・」
 再び薫は俯いて剣心の胸に顔を埋め、心の中で小さく呟いた。
(大好きよ・・・・剣心)

----- 3 -----

 狭い布団の中で態勢を変え、剣心は薫に覆い被さるようになると、薫の髪を撫でながら首筋に口付ける。
 剣心の柔らかな舌先が、首筋から鎖骨、そして胸元へと進んでいく。
 そこで一旦動きを止めて上半身を起すと、薫の寝巻きの帯を緩め、胸元を肌蹴させる。
「あ・・・」
 剣心との関係は初めてでは無いとは言え、それでも薫は恥かしさに頬を染めて横を向いてしまう。
 露になった乳房をそっと手の平で包み込みながら、剣心は薫の耳元で囁く。
「綺麗だよ、薫・・・」
 剣心の言葉の一つ一つが、気恥ずかしさを伴って薫の心に触れる。
 
 愛しい剣心の声を耳元で感じながら、薫はその身の全てを剣心へと預けた。
 ゆっくりと手で揉み解しながら、胸の先端に口付ける剣心。
 その唇と舌の温もりが、薫の全身を甘く痺れさせていく。
「はぁ・・・・んっ・・・・」
 しっとりと指先に吸いつく絹のような薫の肌の感触に、剣心の男の部分も急速に高まっていく。
 
「んん・・・あっ・・・・ひゃうっ・・・!」
 コリッと剣心が薫の胸の突起を甘噛みすると、薫は剣心の頭を抱えて嬌声を響かせる。
 次第に剣心の動きも大胆さを増し、薫の上半身の全てに唇を這わせていった。
「け、剣心・・・・・」
 あくまでも上半身に集中する剣心の愛撫に、薫はモジモジと太腿を擦り合わせながら、先程よりも更に潤んだ瞳で剣心の顔を見つめる。
 その瞳が何を訴えているのかは判っていたが、剣心は焦らすように問い掛ける。
「・・・どうした?」
「あ・・・あの・・・・」
 薫は恥かしそうに俯き、そして再び剣心の顔へと視線を戻す。
 そんな動きを何度か繰り返し、切なさが限界に達した薫は、思わず泣き出してしまう。
「ぐすっ・・・せ、切ないよぉ・・・・」
 泣き出してしまった薫に苦笑を浮かべながら、剣心の手が優しく薫の頬を撫でる。
 その手に自分の手を重ねながら、薫は甘えた声で訴えた。
「意地悪・・・しないで・・・」
「済まなかったな・・・・薫」
 僅かに零れた涙を唇で拭い、そのまま唇を重ねる。
 薫の唇を塞いだまま、剣心は寝巻きの裾から手を滑り込ませ、柔らかな太腿の間を通って“そこ”へと辿り着かせる。
「んんっ・・・・!」
 既に淡い草原も湿り気を帯び、花弁は水音と共に剣心の指を迎え入れた。
 数度、優しく撫ぜるように花弁の上を行き来させると、おもむろにその内部へと中指を滑り込ませた。
 
 ちゅぷ・・・・

 薫はそんな水音が聞えた気がした。
(やだ・・・恥かしいよぉ・・・・)
 しかし、剣心は薫の羞恥を無視して、わざと音を発てるようにして、薫の秘所を指で刺激する。
 剣心の唇と指、そして耳から入ってい来る淫らな水音、それらに刺激されて薫は更に乱されていく・・・

----- 4 -----

「あっ、あっ・・・はぁっ!!」
 寝巻きを脱がされ、全裸になった薫の股間に顔を埋め、次から次へと溢れ出す蜜を舌先ですくい取る。
 両手の指でそっと花弁を割り開き、露わになった小さな入り口に、剣心の舌先が潜り込んでいく。
 敏感な部分を舌で掻き回され、薫は剣心の頭を押さえながら、激しく頭を左右に振って喘ぐ。
「やぁんっ!、だめだめっ・・・!、んっ・・・はぁんっ!!」
 剣心は舌先を尖らせて膣内を刺激しながら、溢れた蜜を指先ですくい、包皮に包まれた真珠大の突起に塗りつける。
 蜜で濡れて光る突起を、指の腹で小刻みに刺激しながら、ゆっくりと舌を出し入れした。
「ひっ・・・ひゃうっ!!、あっ、あっ、あっ、あっ、あああっ−−!!」
 あまりにも刺激が強過ぎたのか、薫は小さく達して身体を震わせる。
 
「大丈夫かい?」
 少し脱力している薫を抱しめ、その頭を手の平で撫でながら、剣心が優しく薫の顔を覗き込む。
 剣心の深い瞳に見つめられ、切なさが溢れ出した薫は、その身体にしがみ付いて鼻を鳴らした。
「ぐすっ・・・」
「もう・・・我慢出来ない?」
 コクコクと薫は無言で何度も頷く。
 剣心は薫を口付けで落ちつかせると、身を起して寝巻きを脱ぎ捨て、布団の上で瞳を潤ませて待っている薫に覆い被さっていった・・・

----- 5 -----

「いくよ・・」
 瞳を見つめて語りかける剣心に、薫は黙って頷き返す。
 ゆっくりと剣心の腰が進む。
「んっ・・・・はぁ・・・・・・・」
 剣心の物を受け入れながら、薫は溜息に似た深い息を吐き出す。
 しっかりと全てを薫の体内に収め、片手の掌をを薫と重ねてから、剣心はゆっくりと動き始めた。
 
 ゆっくりとしながらも力強い剣心の動き。

 掌と体内で剣心の体温を感じながら、薫は剣心の動きに身を任せて、部屋の中に甘い嬌声を響かせる。
「あっ・・あん・・・、んんっ・・・・くはっ・・・・はうっ・・・・!」

 ゆるやかに蠢きつつ、自分の物を締め付けてくる薫の感触を感じながら、剣心は愛する者を自分の色に染めていく。
「薫っ・・・薫っ・・・」
「剣心っ・・・剣心っ・・・!」

 じっとりと汗ばんだ二人の掌に力が入る。
 繰り返される同じ動き、そして同じ言葉・・・互いの名前。

 どれくらいの時間が流れただろうか、汗ばんだ肌を重ねながら、二人は互いを感じ続けている。
 だが、それも終りの瞬間を迎える時が来た。
「け、剣心っ・・・私・・私・・・・もうっ・・・!」
 瞼を閉じ、長い睫毛を振るわせながら、ぎゅっと剣心の腕を掴む薫。
「俺も・・・そろそろ・・・・」
 剣心は腕を捕まれたまま、最後の瞬間を目指して動きを早めた。

「んっ、んっ・・・もう・・・ああっ!、けん・・・し・・・んっ・・・あああああっ!!」
「・・・くっ・・・薫っ!」
 剣心の下で震える薫の小さな身体の中に、剣心は熱い体液を注ぎ込んだ。
「はぁっ・・・・熱い・・・・・・」
 自分の全てを受けとめた薫を抱しめる剣心。
 全身で幸せを感じながら、薫はそのまま剣心に抱かれていた・・・

END

記念といえば・・・薫ちゃん♪(笑)
しかし・・・剣心×薫ちゃんを書いてると、剣心に感情移入し過ぎて・・・・(^^;;;;
剣心の所じゃなくて、俺の所に嫁に来てくれ〜(核爆)