恵-腕の中-


「るろうに剣心」より
観柳が捕まった後、恵は観柳の元手下達に脅迫されて
男達の前にその体を開く・・・
それが償いだと感じていた恵だが・・・・

----- 1 -----

 昼間は医者として自分の罪を償い、夜は観柳の手下だった男達に身体を差し出す。
(仕方・・・無いよね・・・)
 薬を使われ、男達に雌としての自分を目覚めさせられ、夜毎に快楽の海に溺れる・・・
 そんな自分に嫌悪しながらも、抜け出せないアリ地獄の様な毎日に、恵は一人で耐えていた。
 最近の恵の表情の暗さに、周りの人間は気付いていたが、何も言わない恵に戸惑うだけだった。
 一人を除いて・・・・

「よお、どうした?」
 その日も暗い表情で街を歩いていた恵に、左之助が何気なく声をかけた。
「・・・別に・・・・」
 恵は表情を殺して答える。
「・・・・・そうか?・・・・ま、別にいいけどよ」
「ええ・・・構わないで・・・」
 そのまま恵は左之助の前から去ろうとする。
「待てよ」
 歩き出そうとしていた恵の腕を、左之助の大きた手が力強く掴む。
「何よ!」
 恵は思わず大きな声を出してしまい、自分の声に驚いてしまう。
「何でも・・・一人で解決できると思うなよ・・・・それだけだ」
 そう言って左之助はその場を後にした。
「・・・・」
 恵は無言で、去っていく左之助の背中を見つめながら、心の中で泣いた。
(何で・・・私に優しくするのよ・・・・)

----- 2 -----

 その日の夜も、恵は男達に呼び出され、その熟れた肉体を差し出していた。
「あっ・・・ああんっ・・・・!」
 四つん這いの姿勢で、男に背後から貫かれながら、長く美しい黒髪を振り乱している。
 その周りで、数人の男達がにやついた顔で眺めていた。
「挿げぇ乱れっぷりだなぁ・・・へへへ」
「性根が淫乱なんだぜ・・・・」
 酒を飲みながら、順番に恵を犯していく。

「・・・・こういう事かい」
 突然、入り口から男の声が聞こえた。
「誰だっ!」
 薄明かりの中へ、憤怒の形相の左之助が現れた。
 見覚えのある左之助の顔に、男達は怯んだが、それでも人数を頼りに左之助に向かっていく。
「・・・・テメエら・・・ぶち殺す」
「・・・や、やっちまえ!」
 勝負などと言う物では無かった。
 左之助が拳を振るう度に、男達は木の葉の様に壁に向かって飛んでいく。
 ものの数秒で、男達は全員その場に倒れていた。

「ち・・・骨のねぇ連中だぜ・・・!」
 左之助は舌打ちして、恵の元へ近づいて行った。
 恵はその場で身体を隠すように蹲り、細い肩を震わせていた。
「おい・・・・大丈夫か?」
「・・・何で・・・・何で私を助けたのよっ・・・・!」
 顔を上げて左之助を見上げた恵の顔は、戸惑いと悲しみの色に染まっていた。
 左之助が自分を助けてくれた事、乱れる自分を見られてしまった事・・・・
「・・・・」
 左之助は無言で恵を見つめ返す。
「・・何とか言いなさいよっ!」
「助けたのが・・・剣心なら良かったのか?」
「・・・・・」
 恵の瞳に涙が浮かび、瞬く間に溢れて零れ落ち始めた。
「そう・・・じゃ・・・無いのよ・・・・うっ・・・・ううっ・・・・」
 左之助は泣き崩れた恵にそっと近づくと、上着を着せてそっと抱き上げた。
「何にしても・・・帰ろうぜ・・・」
 恵の顔を見つめて、左之助は白い歯を見せて微笑む。
 その笑顔が、恵の心に染み込んでいった・・・

----- 3 -----

「今日の事は・・・他の皆には内緒だからね」
「わかってるよ・・・誰にも言わねぇって」
「本当かしら・・・あんた口軽そうだし・・・」
「まったく、この女は」
 左之助は、すっかり普段の調子に戻った恵に苦笑する。
「でも・・・このお礼はしなきゃね・・・何が良い」
「・・・・やらせてくれ」
 ドガッ!
 抱かれたまま、恵は左之助の頬に拳を入れる。
「・・・・痛・・・・冗談に決って・・・」
「いいわよ・・・」
「・・・・・何?」
「何度も言わせないでよ・・・馬鹿」
 恵は頬を染めて顔を逸らす。
「俺の部屋でいいか?」
 恵は黙って頷き、左之助の胸に顔を預けた・・・・

----- 4 -----

 ぴちゃ・・・ちゅ・・・・・
 薄暗い部屋の中で、全裸になった左之助の股間に、同じ様に全裸の恵が顔を埋めている。
 丹念に左之助の物に舌を這わせる恵に、左之助は優しく髪を撫でて応える。
 経験豊富な恵の技術に、さすがの左之助も受け身になっていた。
「う・・・」
 絶妙な恵の舌の動きに、左之助は思わず声を出してしまう。
「ふふふ・・・・可愛いわね」
 嬉しそうに微笑む恵みに、左之助は照れた表情で微笑み返し、恵の髪を指先に絡める。
「そろそろ・・・な?」
「・・・・・うん」
 左之助に促されて、恵は左之助の股間の上に跨り、ゆっくりと腰を降ろしていく。
 ぢゅ・・・・ぢゅぶぅぅ・・・・・
「ん・・・・・はぁぁぁぁ・・・!」
 標準より大きな左之助の物を受け止め、恵は肺の中の空気を全て吐き出すように、大きく息を漏らした。
 根元まで入ったのを確認して、恵はゆっくりと腰を動かし始める。
「ん・・・・んん・・・・」
 恵は左之助の物の大きさにもすぐに馴れ、巧みに腰を動かして左之助の物に刺激を与えながら、時々意識的に絞め付ける。
「く・・・凄げぇ・・・」
「あんっ・・・・どう、気持ちイイ?・・・・・はんっ!」
「あ、ああ・・・・温かくて、柔らかくて・・・最高だぜ・・・・うっ・・・」
 左之助の身体の上で、恵は嬉しそうに微笑むと、そのまま上体を倒して、左之助の唇に自分の唇を重ねた。
「・・・ん・・・はぁ・・・もっと、気持ち良くなって・・・・んん・・・」
 淫らな水音を立てながら、恵は一心不乱に腰を動かす。
(責められっぱなしってのは・・・俺の性分に合わねぇな・・・・)
 恵に一方的に責められるのも癪に障ったのか、左之助はそのまま上半身を起して、座ったまま恵を抱きかかえる姿勢になる。
「あん・・・・もう・・・」
「今度は・・・俺の番だぜ」
「きゃうっ・・・!」
 左之助は恵のお尻の下に手を伸ばすと、身体を揺するようにして下から激しく突き上げた。
 丁度、目の前の位置に来た乳房に舌を這わせながら、持ち前の強靭さで下から激しく突く。
「あ、あんっ!、凄いっ!、・・・・あっ、あっ・・・・はぁんっ!」
 恵も左之助の首に手を廻し、身体を預けて自らも腰を動かす。
「・・・どうだ?」
「イイ・・・イイよ・・・!、いっぱい・・・感じちゃう・・・!」
 次第に、恵の喘ぎの間隔が短くなり、身体が小刻みに震えだす。
「あんっ・・あ、あああ・・・んっ、んっ、んっ、んっ・・・はぁ・・・ひんっ・・・!」
 左之助は頃合だと感じ、そのまま恵の上半身を押し倒して、今までとは比べ物にならない程の速度で、恵の秘所を激しく掻き回す。
「あああっ!、だめだめっ!、そんなにされたら・・・!、イっちゃうっ、イっちゃうのっ・・・・!!」
「いいぜ・・・イキな・・・そらっ」
 ぢゅぶっ!、ずっ!、ぐちゅっ!、ずぶぅっ!・・・
 身体の一番奥まで届きそうな左之助の激しい抽送に、恵は頭を振って激しく喘ぐ。
「はぁぁぁぁっ!、す、凄いっ!!、あんっ!、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ・・・あああんっ!、わ、私・・・もう・・・・」
「俺も・・限界だ・・・イクぜ・・・!」
「来てっ!、一緒に・・・一緒にイってっ!・・・・ああっ!、イクッ!、イクイクッ!・・・・・イっちゃうっ・・・・・!!!」
「くっ・・・・!」
 ぢゅぶぅぅぅっ!!!
 最後に力強く一突きすると、左之助と恵は同時に達した。
「は・・・はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・」
 左之助の吐き出す大量の精を受け止めながら、恵は乱れた荒い呼吸に、大きく胸を上下させていた。

----- 5 -----

 左之助の強靭な腕に抱かれながら、恵はそっと左之助に囁いた。
「・・・私の事・・・どう思ってるの?」
「・・・・可愛い女」
「・・・・・そう♪」
 この日一番の笑みを浮かべると、恵は左之助の頬に口付けした。
「お前は・・・俺の事・・どう思ってんだ?」
「・・・・馬鹿」
 恵は恥かしそうな表情を浮かべると、左之助の胸をそっとつねった。
「痛・・・・」
「・・・・好きよ・・・・前から」
「前って・・・何時からだよ」
 ちょっと怒った声で左之助が問う。
「・・・・さあね」
「・・・・やっぱり・・・女狐だな」
「そうかもね・・・くすくす」
 恵の顔には普段と同じ笑顔が戻っていた、左之助のおかげで・・・・

END