同級生二次創作SS「螺鈿細工の月−第二章−」

◇ 第八話-変貌- ◇


 放課後の校舎内。使われる事の少ない第二体育倉庫。
 相原建設の御曹司であり、桜木舞とは浅からぬ縁のある男、相原健二。
 薄暗い部屋の中で彼と対峙しているのは、長い髪を特徴的なポニーテールに纏めた少女、田中美沙。
 嘲笑うかのような表情で制服のネクタイを緩める健二に対し、美沙は黙したまま俯き、細く長い睫を震わせている。

「まさか君があんな事をしているなんてね……驚いたよ」
「………」
「何故だ…なんて、そんな野暮な事は言わない。………楽しませて貰えるんだろ?」

 健二の言葉に、美沙はただ黙って頷く事しかできなかった。



 美沙にとっては不運としか言いようの無い事だったかもしれない。
 いや、これまでの事の全てを不運の一言で片付けてしまうには、それはあまりに過酷な運命だった。
 早田と山部の手によって徹底的に女の喜びを教え込まれ、強引にその若い肉体を目覚めさせられた。
 辱められ、貶められ、命じられるがままに男に身を任せる。そんな毎日を不運の一言で片付けられよういもない。
 そして更には、相原建設の社長である健二の父親の相手をし、その様子を健二に目撃されてしまったのだ。

「以前は粗野で五月蝿いだけの女かと思っていたんだが…こうして見ると、結構いけるじゃないか」

 健二は美沙の頤を摘み上げ、目を伏せる美沙の顔を覗き込む。
 美沙は反射的に顔を背けようとするが、健二の手がそれを許さなかった。

「それに、最近は女らしくなってきたと思っていたら……こういう訳だったとはね」

 健二が言葉によって美沙を辱めようとしているのは明らかだった。
 その理由も、単に自らの欲望によるものだけではない事は、その歪んだ笑みを浮かべる口元からも察しられた。
 美沙は何とかして逃れる術は無いかと思案を巡らせるが、健二はもう一方の手をゆっくりと美沙の背中へと廻しながら、強引に顔を近づけてくる。
 鼻先が触れ合う程に顔を近づけると、健二は視線を鈍く光らせて、低く抑えた声で小さく囁いた。

「……アイツに知られたく無いんだろ?」
「!!……んっ!?……んんっ……んーっ……!!」

 健二が指していたのは、美沙がただ一人愛した男であり、桜木舞や多くの女子生徒達から想いを寄せられている男でもあった。
 反射的に狼狽した表情で健二へと視線を向けた美沙に、それを待っていたとばかりに強引に唇を重ねる健二。
 振り払おうにも男の力に敵うはずもなく、暴れようとした両腕を抑えこまれ、美沙は成す統べなく唇を侵された。

「…舞といい、あの女といい……あんな男のどこがそんなに…」
「言わないで!………言わないで……お願い………」
「…フン。まあいい……せいぜい好きな男の事でも思い浮かべてるんだな。……好きでもない男に抱かれながら」

 その言葉が始まりを告げる合図であり、美沙の心が抗うのを止める合図であった。
 健二は美沙の頬から首筋へと唇を這わせながら、両手で制服の上から美沙の身体を撫で回していく。
 その掌や指先に伝わる感触は、健二が知るどんな女とも異なり、柔らかさの中にしっかりと鍛え上げられた肉体を感じられる。
 最初はただ舞達が想いを寄せる男への当て付けの意味が強かった健二も、腕の中に美沙を抱くうち、次第に美沙自身へと興味を覚えていった。
 一方の美沙は、健二の予想外に力強い腕に押さえつけられ、微かにその体臭を嗅いだだけで、早田や山部によって開発された肉体が目覚めつつあった。

「…上着を脱げ」

 腕の中から美沙を解放し、自らも制服の上着を脱ぎ捨てながら指示する健二。
 微かに頬を赤く染めながら、美沙はその言葉に従って制服の上着へと手をかけた。
 胸のスカーフを解いて制服の上着を脱ぎ去ると、細身で比較的筋肉質の身体ながら、ここ暫くの間で急激に女らしさ身に付けた上半身が露になる。
 後れ毛の見えるうなじから首筋、細い肩から滑らかな肌を見せる腕、下着に押し上げられて僅かに隆起した胸元、どれもが瑞々しい色香を放っていた。
 二つの柔らかな膨らみを包み込む下着も、以前のような飾り気の無い物から、派手さは無いがレースで飾られた物へと変わっている。

「へぇ……中身も悪くないな…」

 健二は背後から身体を密着させるように近付くと、スカートの上から美沙の尻をいやらしく撫で回す。
 反射的に肩を震わせ、思わず身体を離そうとした美沙だったが、固く唇を噛み締めて辛うじて思い留まる。

「田中……いや、美沙……まずその口でしてくれよ」

 最初から美沙に逃れる術など用意されていないのだ。健二の言葉にも黙って頷く以外に無い。
 それに、先程から美沙の身体の奥では、早田達に植え付けられた情欲の火種が燃え盛り始めていた。
 美沙は黙ってその場に跪くと、微かに潤んだ瞳で健二を見上げた。

「…ほら、遠慮しないでしてくれよ……美沙」

 蔑みと期待と欲情の色に染まった瞳で美沙を見下ろしながら、健二は愉快そうに口元を歪めた。



「んっ…んんっ……ぢゅっ……ぢゅっ……」

 特徴的なポニーテールを前後に揺らしながら、美沙の愛らしい唇は健二の反り返った男性器へと健気に奉仕している。
 口内では大きく広がった先端部分へと舌が絡みつき、音を立てて吸い上げながら、唇を使って全体を擦り上げていく美沙。
 当然のように両手を使う事も忘れず、早田や山部によって教え込まれた技術を総動員させて、健二の男性器を巧みに刺激していった。
 それは健二が今までに経験した事の無い程に巧みで、その快感に健二は瞬く間に虜になってしまった。

「ちゅるっ……ぢゅっ…ぢゅぷっ……んっ…んっ…」

 時には手で包み込むようにして擦り上げたり、根元から舌全体を押し付けるようにして舐め上げたりと、美沙は持てる技術の全てを注いで奉仕を繰り返す。
 早田や山部に仕込まれた結果だろうか、行為が始まってしまえば、美沙は全てを忘れて没頭していた。
 それどころか、心の奥では健二に奉仕する事への喜びに震え、制服のスカートの隠された下腹部の奥も、顕著な反応を見せ始めている。
 時折、反応を覗うように見上げられる瞳は熱く潤み、熱心に続けられる奉仕には明らかに期待の念が込められていた。

「…本当に上手いな……どうする、このまま口に出してやろうか?」
「…んっ……んっ……ちゅ……」

 美沙は手と唇を止める事なく奉仕を続けながら、視線だけで健二の言葉に応えた。『はい』と。
 唇全体で先端から包み込むようにして飲み込み、今まで以上に激しく頭を前後に動かす。
 ポニーテールを大きく揺らしながら、美沙は勢い良く健二の男性器を擦り上げていった。

「……クッ……出すぞ………っ」

 言うと同時に健二は美沙の後頭部へと手を伸ばして押さえつけ、痙攣するかのように腰を震わせながら、美沙の口腔へと勢い良く射精した。
 口内で暴れるように脈打ちながら放たれる精液を、舌を使って器用に受け止めて口内に溜め込んでいく美沙。
 そして全てを出し終えて萎えかけたものを口から離すと、健二を見上げながらゆっくりと嚥下していった。

「…んっ……んぐっ……んんっ……」

 大きく喉を鳴らしながら、絡みつく体液を器用に飲み干していく美沙。
 口の端からは飲み切れなかった白く濁った体液が、筋を作るようにして零れ落ちていく。
 瞳を潤ませ頬を上気させた美沙が、目の前で自分が放った精を躊躇う事なく飲み干していく光景に、健二の背筋を冷たい何かが滑り落ちていった。

「………美沙………下着だけ脱げよ…」

 口元を拭う美沙の目の前で、たった今、精を放ったばかりの男性器が再び固さを取り戻していく。
 そして完全に欲情して充血すらしている目で美沙を見下ろす健二に、美沙は静かに立ち上がり、制服のスカートの中へと両手を潜り込ませた。
 ショーツの脇に指先をかけ、滑らせるようにして膝上まで下着を下ろしていく美沙。
 その中心には明らかな染みが大きく広がっており、太股の間からスカートの奥へと粘性のある糸を引いていた。
 そして片足ずつショーツから足を抜き終わると、まだ温もりの残るショーツを健二へと差し出した。

「……もう準備OKって事か」

 ショーツを手にそう呟くと、健二は低く積まれた跳び箱の上へと腰を降ろした。
 そして美沙を手招きすると、隆々と反り返るように勃った男性器へと跨るように言った。
 健二の肩へと手を伸ばして身体を支えると、美沙は健二に求められるがままに跨り、スカートの奥へと手を伸ばして、導くように支えながら腰を降ろしていく。
 大きく広がった先端部分が美沙の濡れた秘肉へと触れ、割り開くように充血した秘肉を左右に押し広げていった。
 これまでに数え切れない程の男性器を受け入れてきた美沙の膣口は、潤沢に溢れた蜜にも助けられ、滑らかに健二のものを飲み込んでいく。

「んっ………んんっ…………!」

 蜜壺の奥から愛液の溢れ出す淫らな音が、スカートの奥から響いてくる。
 熱く潤んだ肉襞は絡みつくように蠢きながら、健二の灼熱のような男性器を深く飲み込もうと導いていく。
 その感触は、健二が今までに抱いた女達とは比べ物にならない程、強烈な快感で男性器を包み込んでいた。

「あ…ふぅ………」

 美沙はその全てを体内へと飲み込み終えると、ゆっくりと息を吐き出しながら健二の首へと手を廻した。
 軽く上半身を健二へと預け、下着に包まれた胸を押し付ける。
 そして健二の耳元に熱い吐息を吹きかけながら、濡れて光る唇を健二の唇へと押し当てた。

「…ん……んふぅ………はぁ……」

 躊躇いの感じられない一連の動作は、それが既に美沙の身に付いているものである事を示している。
 唾液の糸を滴らせながら唇を離した美沙は、潤んだ瞳で健二の顔を一瞥すると、僅かに瞼を閉じて一つ小さく息を吐き出した。
 そしてゆっくりと腰を持ち上げていき、男性器が抜ける寸前で身体を止め、再びゆっくりと腰を降ろしていった。
 ずぶずぶと水音を響かせながら、熱く充血した秘肉は健二のものを飲み込みながら、絡みつくように締め上げていく。
 健二も美沙の動きを助けるかのように、スカートの中へと手を伸ばすと、両手で美沙の尻を抱えるように支えた。

「…んっ……んっ……はぁっ……んんっ……」

 スカートの裾と、ポニーテールに纏めた髪を同じ拍子で揺らしながら、美沙は淫らに腰をくねらせていく。
 健二は美沙の動くままに任せつつ、その腰使いと膣内の感触を楽しんでいた。
 過去に付き合った女達や、風俗店でのサービスとは比べ物にならない程、美沙から与えられる快感は健二にとって強烈で、新鮮だった。
 明るく快活な性格と、躍動感のある柔らかな四肢。その性格を表しているかのように、軽やかに揺れる髪。
 そして何より、美沙の心には健二もよく知る"あの男"が居るはずなのだ。

「あっ、あんっ…んっ……はぁ…はぁ……あふぅ……んぁっ!!」

 小気味良く揺れるスカートの奥で、熱く充血した美沙の秘唇が包み込むようにして受け入れている。
 秘唇の奥から絶え間なく溢れる蜜を滴らせ、灼熱のような剛直を、柔らかく潤んだ秘肉が擦り上げていく。
 あの動きは健二に快感を与えるのと同時に、美沙自身にも眩いばかりの快楽を与えるものだった。
 桜木舞が淡い想いを寄せ、美沙がその純潔を捧げ、他にも数え切れない女子生徒達の気持ちを一身に集める男。
 その男を想っているはずの美沙が、自ら腰を動かして喘いでいる現実が、健二にとって最大の快感だった。
 この事実をあの男が知ったらどんな顔をするのか、そう考えただけで健二の口元は緩んでくる。
 だが、そんな健二の心理を見透かしたのか、不意に美沙が健二へと唇を重ねた。まるで自分に意識を集中させようとするかのように。

「………すっかりその気なんだな」

 薄暗い部屋の中で、銀色に輝く唾液の糸を引かせながら離れていく唇。
 美沙がどこまで本気なのかは分らなかったが、健二はとりあえず目の前の果実を、最後まで喰らいつくす事に集中する事にした。
 跨ったままの美沙を抱きかかえるようにして、繋がったままで立ち上がると、健二は床に並べられたマットの上へと美沙を寝かせる。
 滅多に使われる事が無く、埃っぽいはずのマットの上は、何故かそこだけ真新しく綺麗だった。
 健二は美沙の両脚を自分の腰に巻き付かせるようにして抱え、両手を伸ばして乳房を覆う下着を上へと押しずらす。
 窮屈な布地から解放された瑞々しい乳房は、待ち望んでいた自由への喜びを表すかのように勢い良く弾んだ。

「いい手触りだな…」

 脇腹から乳房へと滑らせるように手を進めた健二は、両手で柔らかな膨らみを揉み始めた。
 やや小振りではあったが、美沙の性格を表すかのように堂々と上を向いて膨らみ、先端の突起はその存在を主張するかのように固く尖っている。
 乳房を含めて女性らしい曲線を描く美沙の身体だったが、その柔らかな肉体の下に明らかに筋肉の存在を感じられる。
 それは温室で栽培される花々とは対照的な、自然の野に咲く野生の花の美しさとも言えるものだった。
 最初はある男に対する当て付けのような気持ちで、弱みを握った美沙へと手を伸ばした健二。
 だが、その瑞々しい肢体を味わううちに、その躍動感のある魅力の虜になりつつあった。

(しかし、あれだけ気の強かったこいつを……誰がここまで仕込んだんだ……)

 両手で美沙の柔らかな乳房の感触を楽しみながら、焦らすように緩やかに腰を動かしていた健二は、不意に美沙の背後に居るであろう者の存在を感じた。
 誰も気付かない間に、快活だった少女が淫らに調教されていたという事実に、健二の背中に冷たいものが滑り落ちる。
 だが、慌てて頭を振って気を取り直すと、意識して目の前の淫らな果実へと気持ちを切り替えた。

「……チッ…………くそっ…!」

 それまでと一転して荒々しく乳房を揉みしだきながら、力強く腰を動かして美沙を蹂躙していく。
 健二の男性器は潤沢な美沙の愛液を支えに、狭い膣内を激しく繰り返し行き来した。

「あっ!、あっ、んっ、んんっ、ふぁっ!、はぁ…はぁ…くふぅ……!」

 美沙は健二の抽送に全身を揺らし、鼻にかかった甘い喘ぎを漏らし続ける。
 しかし、激しく乱れているといった様子は覗えず、どこか機械的に反応しているような雰囲気さえ感じられた。
 だがそれは美沙の喘ぎが演技だという訳ではなく、ただどこか美沙の中に冷めた部分があるように見えるのだ。
 早田や山部による激しい陵辱や、経験豊富な中高年の男達を相手にしている美沙にしてみれば、それなりに経験はあっても、若々しさの感じられない健二では物足りないのかもしれない。
 それならばいっそ、下級生に欲望のままに抱かれた方が充実していたかもしれなかった。
 しかし、そんな美沙の反応など当の健二の目には映っておらず、ただ夢中に腰を荒々しく振っているだけだった。

「んーっ…!、あっ、あっ、あんっ!、はぁ……も、もう……私……んんっ!」
「よ、よーし……膣内に出してやるからな………ぐぅっ!!」
「んっ、んっ……あっ、あぁっ……あぁぁぁんっ…!!」

 美沙は頃合を見計らったかのように絶頂へと達し、限界を迎えていた健二はあっけなく美沙の体内へと放出した。
 額から汗を滴らせて荒い呼吸を漏らす健二に対して、美沙は余韻に浸る様子も無く、既に呼吸を整え始めている。
 そして健二の身体を押しのけると、自分で後始末をして下着を身に着け始めた。
 健二はその光景を無言で見つめつつ、淡々とした美沙の様子に背筋が寒くなっていくのを覚えていた。

「……それじゃあ……行くわ」

 美沙が衣服を整え終え体育倉庫を後にする頃には、どちらが弱みを握っていたのか判らない程に、健二は視線を落としてマットの上に座り込んでいた。
 そんな健二に一瞥すら与えず、美沙は無表情で体育倉庫の扉を後出で閉める。
 そして廊下を階段方向へと歩き出そうとした時、その先に山部が立っている事に気がついた。

「後は任せておいていいよ。今日は帰りな」
「……はい」

 美沙が今しがた出てきた体育倉庫へと入っていく山部。
 中でどのようなやり取りがされているか、それは美沙にとってどうでも良い事だった。
 今はただ、許された自由に身を委ねる事だけを考えていた。

「……まだ教室にいるかな……」

 美沙が想いを遂げ、何度か結ばれた事のある相手。
 桜木舞や数多くの女子生徒が密かに想いを寄せる男。

 穢された自分自身を今だけは忘れて、美沙は足取りも軽く自分の教室へと階段を昇って行った。
 ただその男と一緒に帰る為だけに。


第二章-完-

<続く>

 

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