放課後Re 第四話

 

放課後Re 第四話

登場人物
 高崎 亜由美(たかさき あゆみ)
 坂崎 浩介(さかざき こうすけ)
 木村 雄二(きむら ゆうじ)

「それじゃ木村君、しっかりと頼むよ」
「…はい教頭」

 それは他愛も無い仕事。ほんの一週間、他県の姉妹校に出張するだけだ。
 出張とは言っても実際には何をするでもなく、昼間は先方の授業を見学し、夜は教員達と親睦を深めると称して飲み歩くだけである。
 以前の木村であれば嬉々として赴いたものだが、今の木村には一日とてこの学園を離れるのは苦痛でしかなかった。
 それは全て亜由美の存在が原因だった。
 出会った頃の瑞々しさを失う事なく、木村との行為を重ねる度に淫らに成熟していく亜由美。
 そんな亜由美を木村は飽く事なく抱き続けた。

 一方の亜由美は、浩介を思う気持ちは今も変わらないままであったが、明らかに以前とは変化している。
 木村によって与え続けられた快感と言う名の劇薬によって、何も知らなかった少女は淫らに花開き、快感に身を委ねる事を覚えてしまった。
 逃げ場の無い状態で精神的に追いつめられ、壊れかけた亜由美の心は木村を受け入れる事を選んでいた。
 浩介だけを思い続けろくな恋愛経験も無い少女が、老練な木村の手管に陥ったとしても誰が責められようか。
 あまりに哀れではあるが、仕方の無い事だったのだ。

「ん…んっ……先生ぇ……」

 一週間の空白を事前に埋めてしまおうとでも言うかのように、亜由美を自宅のマンションへと呼び出した木村。
 亜由美は出張の話を聞かされた時、限られた時間とはいえ安息の時が取り戻せると喜んだ半面、心の奥ではどこか寂しさをも感じていた。
 それが木村と離れる事によるものなのか、与えられ続けた快楽が途切れる事によるものなのかは、当の亜由美自身にも解らない。

 今はただ、木村の求めに応じて身体を開き、与えられる快楽を受け入れるだけだった。
 想い人ではない相手との行為も、受け入れてしまえばその快感は甘美な刺激でしかない。
 相手が誰であろうとも、急速に女として花開いてきた亜由美の肉体は、一度火が灯れば貪欲なまでに快楽を求めて蠢いてしまう。
 例えそれが意思とは裏腹であったとしても、亜由美にはそれを抑え込む事はできなかった。

「……さあ、おいで……」

 早々に玄関先で抱きしめて情熱的に唇を奪った木村は、亜由美の肩を抱くようにして室内へと招き入れる。
 そんな亜由美の瞳は、僅かながら早くも情欲の炎が揺らぎ始めていた。

「ちゃんと家には電話してきたかい?」
「…はい」

 今日の木村は最初から朝まで亜由美を可愛がるつもりだったのだろう。予め家に連絡を入れておくようにと指示していた。
 両親からの信頼のある亜由美は、友達の家で勉強すると言えば、疑われる事なく許されてしまう。
 まさか亜由美の両親も、自分の娘が教師の自宅へと呼び出され、一晩中陵辱されるとは思いもしないだろう。

「フフ……いい子だ……」

 木村は脇の下から腕を潜り込ませるようにして、制服の上着の上から亜由美の乳房へと手を伸ばす。
 軽く掌に力を込めて掴むだけで、亜由美の唇からは微かな溜息のような喘ぎが漏れた。

「…あふぅ……」
「…今日は朝までたっぷりと可愛がってあげるからね………さあ、まずはご挨拶だ」

 微かに頬を上気させ始めた亜由美を腕から解放すると、ズボンのファスナーを降ろし、その奥から半分ほど隆起し始めた男性器を取り出した。
 解放された亜由美は木村の言葉に従うように、ゆっくりと木村の前に跪いた。
 そして上目使いに木村を見上げると、普段から木村が指示している通りに言葉を紡いでいった。

「…先生……亜由美の口で…気持ちよくなって下さい…」

 そう呟く亜由美の表情は、まるでその言葉が始まりを告げる合図であったかのように、奉仕する事への喜びが現れ始めていた。
 そしてそれが事実であるという事が、始まったばかりの奉仕からも見て取れる。
 愛しそうに両手で包むように握り締め、決して傷つける事のないようにと、優しく舌先を先端に這わせていく。
 男性器を見つめる目は潤んで輝き、上気して朱に染まっていく頬は、羞恥と興奮を表していた。

「…ちゅ………ちゅ………」

 赤子に口づけるかのように優しく唇を寄せ、全体に雨のように唾液に濡れた唇を降らしていく。
 瞬く間に木村の男性器は亜由美の唾液によって濡れてしまい、部屋の明かりに照らされて輝いている。
 そしておもむろに先端から口の中へと含み、舌全体を絡めるようにして、口全体を使った奉仕が本格的に開始された。
 まるで愛する者にするかのような、丁寧で想いの込められた口淫に、木村のものは瞬く間に熱く充血していく。
 亜由美は自らの奉仕によって木村の男性器が固くなっていく事に、不思議な程に喜びと充足感を覚えていた。

(…先生の……もうこんなに大きくなってる……)

 いつしか木村のものは反り返る程に怒張し、亜由美の唾液を全体に纏って妖しく光っている。
 それを見つめる亜由美の目には、明らかに期待と情欲の炎の輝きが宿っていた。
 木村は満足げに亜由美の髪を撫でてやると、奉仕を止めさせて立ち上がらせる。

「………先生…」

 立ち上がった亜由美は、上目使いに潤んだ瞳で木村を見つめながら、期待に胸を膨らませえて次の言葉を待つ。
 そして全てを見透かしたかのような目で亜由美を見つめる木村は、無言のまま亜由美の制服のスカートを捲り上げた。

「あっ………」

 思わず小さな声を上げた亜由美は、木村のするがままに身を任せ、スカートの両側を握り締めて必死に羞恥に耐える。
 今更、スカートを捲くられた程度で何故そこまで恥らうのかと思えば、露になったショーツの中心部には、既に恥かしくも淫らな染みが広がっていたのだ。
 それを一瞥して口元に笑みを浮かべた木村は、捲り上げていたスカートの裾を離し、亜由美にスカートを脱ぐように命じた。
 木村の言葉に逆らう事など考えもしない亜由美は、言われるがままに腰の金具へと手を伸ばし、そのまま床の上にスカートを落とした。

「…可愛いよ、亜由美」

 スカートを脱ぎ終え、俯き恥らいながら微かに太股を震わせている亜由美。
 木村はその亜由美の頤へと指を伸ばして顔を上げさせると、そう呟きながら唇を重ねて舌を潜り込ませていった。
 唇を割って潜り込む生暖かい木村の舌に、亜由美も自らの舌を絡ませて応える。
 一緒に流し込まれる唾液を嚥下し、口腔を蹂躙されながら鼻腔から甘ったるい吐息を漏らす。
 その間に木村の手は亜由美の下腹部へと下り、微かに潤んだ秘唇を掻き分けるようにして、蠢き始めた膣内へと指先が潜り込んでいく。
 亜由美は木村の身体にすがり付くように手を伸ばし、眩いばかりの快感に震え始めた身体を必死に支えた。

「…んっ……んんっ……むー……はふぅ……ん……ん……」

 口腔を蹂躙され続けるうちに頭の奥が痺れるように熱くなり、音を立てて掻き乱される膣内からの快感に、腰の奥が熱く痺れていく。
 既に溢れ出した愛液は太股の内側を伝うように滴り、亜由美の方から木村へと胸を押し付けるように身体を密着させている。
 木村は亜由美の口を解放すると、熱く潤んだ瞳で見上げる少女の髪をゆっくりと指に絡めた。

 詭弁と狡猾さをもって手に入れた、瑞々しく弾けるような若さと魅力を持った少女。
 幼さの残っていた身体を巧みに綻ばせ、肉体の快楽と従属する事への悦びを教え込んだ。
 亜由美が本来持っていた少女から大人の女へと移り変わろうとする狭間の魅力と、木村によって施された淫らさとが、絶妙のバランスをもって今の亜由美を最大限に輝かせていた。

 木村の胸にすがり付いて、甘く切ない喘ぎを漏らし続けている亜由美。
 亜由美の下腹部で動く木村の指先に合わせて、快感に震えるようにして亜由美の張りのある尻が揺れている。

「…んふぅ……はぁ……はぁ……んっ……やぁ……あっ……あぅんっ……はぁ………」
(……もう駄目……何も考えられない……気持ちいいの…………)

 決して亜由美の心が浩介から離れた訳ではない。
 今でも心は浩介だけを想い、心の底から望んで木村に抱かれている訳ではない。
 だが、木村の巧みな手管で与えられる快感は、まるで麻薬のように亜由美の身体だけでなく心までも蝕んでいく。
 それは同時に、木村に対する警戒心や嫌悪感といった物を薄れさせ、それどころか肉体の充足感が心へも伝達し、抱かれている最中は木村の事が愛しくさえ思えてしまう。
 自然に行為の最中だけは浩介の事を考えないように意識してするようになり、それが更に行為へと没頭させる事となった。

「……そろそろ欲しいだろ?」

 亜由美の股間から手を引き抜き、指先に絡みつく粘り気のある愛液を見ながら木村が囁く。
 以前の亜由美であればその言葉に頬を染め、ただ俯いてしまうだけだったが、最近の彼女は自然に木村に対して甘えるような仕草を見せるようになっていた。
 相変わらず羞恥に頬を染めてはいるが、潤んだ瞳で木村を見つめながら、微かに震えた声で呟く。

「……切なくて…たまらないです………先生の……欲しい……」

 木村は満足げに笑みを浮かべながら、再び亜由美へと唇を重ね、そのまま小柄な亜由美の身体を抱え上げた。
 そしてベッドの上にそっと寝かせると、残っていた制服の上着を脱がせていく。
 制服の上着と一緒に胸を覆う下着も脱がせてしまうと、木村に抱かれるようになってから僅かに大きさを増したように思える乳房が、弾けるように揺れながら露になった。
 一糸纏わぬ姿になり、惜しげもなく裸身を木村の眼下に曝す亜由美。
 そして木村は恥らう亜由美の両脚を掴んで持ち上げると、脚がM字の形になるように広げた。

「………恥かしい…………」

 押し広げられるように開いた脚のおかげで腰が浮き上がり、木村が見下ろす真下に亜由美の股間が位置し、熟れた秘肉が綻んで濡れた秘唇を曝け出していた。
 まるで呼吸するかのように小さく蠢く膣口までが露になり、涙を零すかのように淫猥な蜜を溢れさせている。
 そして木村は下着を下ろして反り返った男性器を露出させると、その先端を膣口へと押し当てた。

「入れるよ…」

 その言葉に亜由美が頷くのと同時に、体重を乗せて木村の身体が覆い被さっていった。

「はぁっ……!、……んっ……はぁ……はぁ…………んんーっ…!!」

 熱せられたナイフがバターを溶かしていくかのように、木村の男性器が何の抵抗も受けず、蕩けきった亜由美の膣内を貫いていく。
 だからと言って決して締め付けが弱いのではなく、膣内の襞は一枚一枚が絶妙に蠢きながら木村を締め付けてくる。
 木村は全てを亜由美の体内へと納め終えると、両脚を押し広げたまま腰を動かし始めた。
 亜由美はそれを待ちわびていたかのように、開始された抽送と同時に鼻にかかった甘い喘ぎを漏らし始め、両手でシーツの海を掻き毟る。
 その表情は完全に快感の波に溺れ、目覚めてしまった肉欲に全てを支配されているかのようだった。
 その証拠に、腰が持ち上がっている為にやや上方から打ち込むように突き入れられる男性器に、自然に亜由美も腰を擦り合わせるように押し付け始めていた。

「あっ、あっ、あぁっ!、…はぁ……んんっ!!」

 自分の眼下で抽送に喘ぎ続ける亜由美の姿に、木村の歪んだ愛情と欲望は充足感を得る。
 つい暫く前までは何も知らない、清純さを絵に描いたような少女だった亜由美を、身も心も支配しているのだという自信がある。
 だがしかし、ここまで亜由美が淫らに成長した今でも、行為の最中に亜由美の想い人である坂崎浩介の姿が浮かぶ事があった。
 亜由美の身体で知らない場所は無いし、木村が求めればいつでもその身体を差し出す。
 だが、絶頂に達しながら木村の精を注ぎ込まれても、淫らに自分から木村を求めていても、亜由美の心の奥には浩介の存在がある。
 自分の手腕に自信のある木村と言えども、決して不安が無い訳ではなかった。
 いつか亜由美は自分を裏切り、浩介の元へと去っていくのではないか、この関係にも終わりが来るのではないかと思うのだ。
 快楽だけでの支配の脆さを、木村はよく理解していた。
 そんな弱気な気持ちからだろうか、木村は亜由美の脚を解放すると、その身体を抱きかかえるようにして持ち上げる。

「……あっ……ん……」

 ベッドの上に胡座を組むようにして座りなおすと、繋がったままの亜由美を乗せるようにして抱きかかえる。
 普段は頭一つぐらい木村よりも背の低い亜由美だったが、その態勢になると視線が木村よりも僅かに上になる。
 木村の気持ちを察したのか、亜由美は木村の表情を覗き込むようにして顔を近づけると、熱い吐息を吹きかけながら囁きかけた。

「…先生……?」

 不安げに覗き込む亜由美の表情に、木村は慌てて弱気になっていた自分を頭から追い出す。
 例え亜由美の心の中に浩介の存在が大きく居座っていたとしても、いずれ必ず完全に自分の色だけでに染めてみせる。
 そう固く決意しながら、木村は亜由美の頭を抱えるようにして近寄せ、力強く言い放った。

「忘れるなよ、お前は俺のものだ」
「………はい」

 今はそれで充分だった。
 珍しく不安げだった瞳には光が戻り、普段通りに妖しい輝きを放ち始める。
 そんな木村に亜由美から唇を重ねていくと、愛らしい舌先を熱心に絡めて吸い付いていく。
 木村はそこに込められた亜由美の気持ちを正確に理解し、亜由美の舌に応えながら、優しく髪を撫でていった。
 交換した唾液の糸を引きながら唇を離す頃には、頬を上気させた亜由美の表情は、どこか淫蕩ささえ感じられた。

「…先生ぇ………あんっ……んぅ……んっ……はぁ……きゃぅっ…!」

 木村の身体に抱きつくようにして体を預け、膝立ちの態勢で巧みに腰だけを動かしていく亜由美。
 それは快感を得ようと言うより、身体を使った木村への奉仕のようにも思える。
 熱く潤んだ膣内では、絡みつくように襞が男性器を締め付け、穏やかな快感を木村へと送り続ける。
 亜由美の腰の動きは次第に変化を付けるようになり、淫らにくねりながら男性器を擦り上げていく。

「あ、あんっ…はぁ……先生っ……先生ぇっ………んんっ!!」

 昂ぶりから木村の唇を何度も求め、唇が痛くなる程に何度も何度も重ねていく。
 木村は亜由美に動きを任せたまま、小気味良く締め付けてくる膣内の感触を楽しんでいた。
 亜由美は次第に腰の動きを激しいものへと変えつつ、高まっていく快感に夢中になっていった。
 ベッドの弾力をも利用して弾みを付けて全身を上下させ、膣内を貫かれる快感に蕩けきった喘ぎを漏らす。
 その姿からは昼間の清楚な姿は想像できない程、熱心に腰を動かす亜由美の姿は淫らに輝いていた。

「……そんなに気持ちいいか…亜由美」
「…はぁ……はぁ……んんっ!、あぅんっ……あっ…あぁっ……!、い…いいです……気持ちいいですっ……!!」

 木村の問いかけに対して、素直に快感を口にする亜由美。
 快楽による支配の力と、亜由美の自分への服従を確認するかのように、木村は声を大にして更に問う。

「俺に抱かれるのが嬉しいんだなっ!」
「あっ、あっ、あぁぁぁっ!!、んっ…う…嬉しいですっ……あんっ、んっ、んんっ!!、せ…先生っ……私……もうっ……はぁんっ!!」

 激しく動き続けていた亜由美の腰が痙攣するように震え、白く丸い尻が断続的に弾むように揺れる。
 小さな絶頂の波に襲われているのだろう、亜由美は恍惚とした表情で木村の肩に顔を預けた。
 木村はそんな亜由美を再び仰向けに寝かせると、腰を抱えて搾るように収縮する膣内へと反り返った男性器を突き入れた。

「ああんっ!!、だ、駄目っ……いくっ…いっちゃうっ…!、あっ、あっ、あっ、あっ、あんっ、あぁっ!!」

 いきなり全力で開始された木村の抽送に導かれて、小さな絶頂の波は大きなうねりとなって亜由美を包み込んでいく。
 気でも狂わんばかりに激しく頭を左右に振り、乱れたシーツを掻き毟りながら白い喉を見せて仰け反って、激しい喘ぎを漏らす亜由美。
 木村も額から汗の雫を滴らせつつ、亜由美の腰を抱えて力任せに腰を突き入れ続けた。

「いっちゃうっ……いっちゃうのぉっ…!!、あっ、あっ、いく、いくっ、いっちゃうっ!、いっくぅぅぅぅっ!!!」
「ぐぅっ……亜由美………っ……」

 大きく仰け反って叫びながら達してしまった亜由美に続き、木村のその膣内へと勢いよく射精していた。
 子宮を目指して膣内を流れ込む温かい感触に、絶頂の余韻に浸った亜由美の身体が小刻みに震える。
 頭が真っ白になるような激しい絶頂の後で、亜由美は自分が完全に快楽の虜になっている事を自覚していた。
 眩いばかりの絶頂感、注ぎ込まれる熱い精液の感触、全てが亜由美の心と身体を魅了している。
 以前は行為の後には必ず浩介に対する想いが蘇っていたが、今はそれも薄らいでいた。

(……私……もう駄目なのかな………戻れないのかな………)

 普段ならすぐに思い出せる浩介の顔が、どうしても不明瞭にしか思い出せない亜由美だった。