放課後Re 第二話

 

放課後Re 第二話

登場人物
 高崎 亜由美(たかさき あゆみ)
 坂崎 浩介(さかざき こうすけ)
 木村 雄二(きむら ゆうじ)



 木村に抱かれた日から二日間、亜由美は学校を休んだ。
 心配する母親にも何も言わず、ただ気分が悪いと頭から布団を被り、声を押し殺して泣き続ける。
 三日目、ようやく亜由美は登校する意思を見せたが、その表情は暗く沈んでいた。
 十一年目にして始めて、浩介を迎えに行く亜由美の姿が見られなくなった。
 浩介を裏切ってしまったという思いから、浩介の顔を見る事もできなかったのだ。
 もちろん、浩介が自宅に居るとは限らないのだが…

「おはよう亜由美。どうしたの?」
「う、うん…ちょっと体調が悪くて…」

 登校した亜由美を待っていたのは、級友達の心配そうな表情と気遣いの言葉。
 だが、今の亜由美にはその言葉に応える声にも力が無い。
 心配してくれる級友達の心は嬉しかったが、周りの視界全てが色褪せて見える亜由美だった。

 その日、珍しく浩介も昼過ぎから登校してきたのだが、いつものように喜ぶことができない。
 それどころか、亜由美は満足に浩介の方を見る事すら出来ない。
 もちろん声をかける事などできようはずも無く、放課後まで二人は一言も言葉を交わさなかった。
 以前の二人を知る級友達は怪訝そうな表情で首を捻ったが、亜由美の暗く沈んだ雰囲気では問い掛ける事もでず、ただ黙って様子を伺う事しかできなかった。

 そして亜由美を抱いた木村は、自らの身体を刺し出した亜由美に対して、約束を反故する事なく職員会議での浩介の退学に異議を唱えた。
 担任教師の言葉であり、自信を持って浩介の更正を約束する木村に、他の教師達も仕方なく同意する。
 こうして、亜由美にとっての最悪の事態だけは免れる事ができた。
 その代償として、大切な物を失った亜由美も、それを聞かされて安堵の表情を見せる。

「…良かった……あ…ありがとう…ございます…」
「気にしなくていい。これは約束だからね…」

 二人きりになった放課後の教科室、木村は亜由美の身体へと手を伸ばす。

「だから亜由美も約束を守るんだ…いいね?」
「…………は…い…」

 木村がその気になれば浩介の退学は簡単な事だ。
 愛する浩介の身を盾に取られた亜由美には、この悪夢から逃れる術など残されていなかった。
 木村の言葉に弱々しく頷き返し、腕を引き寄せられるがままに、その身を木村へと預ける。
 そして腕の中に抱かれながら、亜由美は心の中で涙を流していた。

(…ごめんね……ごめんね………)

 その心の中での呟きが、浩介に対する物である事は間違いなかった。



「普段するようにやればいいんだ…いつもしてるんだろう?」
「…はぁ………そんな事……んっ……ありま…せん…」

 軋んだ音を立てる椅子の上に座らされた亜由美は、木村の見ている目の前で、自慰行為を強要されていた。
 誰にも見せた事が無い、亜由美の密かな一人遊び。
 亜由美が自らを慰める行為を覚えたのは、もう一年近く前になる。
 浩介を想う切ない気持ちにつき動かされ、愛する男を思い描きながら慰めるようになっていた。
 その時には必ず、いつか訪れる浩介と結ばれる姿を思い描いていた。
 だがしかし、今の亜由美の脳裏に浮かぶのは、始めて木村に抱かれた自分の姿。
 想像の中での曖昧な想像よりも、数日前の鮮明な映像の方が、亜由美の意思に反して浮かび上がってくる。

「やはり、亜由美はそこが一番感じるんだね…」

 制服を身に着けてはいたが、既にショーツは足首で小さく丸まっており、スカートは木村の支持で大きく捲り上げられている。
 秘唇の上を動く指の動きも、そこから溢れ始めた愛液の輝きも、木村の目にはっきりと映っている。
 始めこそは緊張と羞恥でおざなりだった指の動きも、見られる事で刺激されるのか、次第に巧みに快感を紡ぎ出すようになっていった。

「あ……はぁ……恥かしい……んっ……」
「いいぞ亜由美…淫らで…綺麗だ…」

 相対するように椅子に腰を降ろした木村も、ズボンを降ろしてそそり立った物を握り締めていた。
 時折、目を開くとその光景が視界に入り、亜由美の体温が上昇していく。
 亜由美の自慰行為を見ながら、己の男性器を擦り始める木村。
 その倒錯的な状況に流されるかのように、亜由美の体内に点った官能の炎は、次第に勢いを増していった。

「はぁっ…んんっ……あっ……!」

 制服の上から乳房を揉み、愛液に濡れて光る指先でクリトリスを弄ぶー。
 薄暗い室内に漂う淫猥な空気に酔ってしまったかのように、亜由美は次第に自慰行為に没頭していく。
 その光景はまるで、少女の淫らな一人遊びを覗き見ているかのようで、木村は激しい興奮を覚える。
 滑らかに動き始めた亜由美の指先に合わせて、木村の手も激しく男性器を擦り上げ始めていた。

「…あっ…ん……くふぅ……んっ…あっ、あっ……!」

 まるで楽器を奏でるかのように、軽やかにリズムを刻み続ける亜由美の指先。
 溢れ出した愛液をまとわり付かせ、充血して僅かに包皮から顔を覗かせたクリトリスを弄ぶ。
 その愛らしく純情そうな幼い顔付きとは対象的に、亜由美の秘唇は艶やかに咲き綻び、歓喜の涙にも似た愛液を泉の如く溢れさせる。

(見られてる……先生に………オナニー…見られてる……)

 自慰行為を見られる事で羞恥心を刺激され、亜由美は普段以上に激しく感じてしまっていた。
 抑えの聞かない自分の身体を情けなく思うが、その思いは指先の動きを押し留めるには弱々しかった。
 見られる事で増幅する快感は亜由美の身体を虜にし、快楽を追い求める情欲は熱く迸っていく。
 つい先日蹂躙されたばかりの秘唇の奥へと指先を進めながら、激しい快感の前に亜由美の理性は押し潰されていった。

「あっ、あんっ、んくぅっ!、あっ、あっ、はぁっ…!、んっ……もう……イ…ク…」

 濡れた秘唇の間へと指先を滑り込ませ、愛液の飛沫を飛び散らせながら激しく擦り上げる亜由美。
 そしてそのまま絶頂へと昇りつめようとした瞬間、立ち上がった木村が亜由美の腕を掴み、下腹部から引き剥がした。
 思わず残念そうな、物欲しそうな表情をして木村を見つめる亜由美。
 そして自分の見せた表情に気が付いて、顔を真っ赤にして視線を落として俯いた。

「そんな顔をしなくてもイカせてあげるよ…もちろん、俺の物でね」

 そう囁きながら亜由美を立ち上がらせると、その空いた椅子へと自分が腰を降ろし、亜由美の身体を引き寄せる。
 躊躇いながらも素直に従い、亜由美は木村を跨ぐようにして上半身を近づけさせた。
 亜由美の身に着けている制服は、前面にファスナーのあるセーラー服で、木村は胸元のスカーフを解くと、そのファスナーを引き下ろした。
 すると、制服の前が僅かに開かれ、純白の下着に包まれた乳房が隙間から顔を覗かせた。
 木村が手を差し伸ばして下着を押し上げると、柔らかな乳房は勢い良く零れ落ち、木村の目の前で弾むように大きく揺れる。

「こんなに乳首を尖らせて…そんなにオナニーで感じていたのかい?」
「い…嫌……んんっ……私………そんな事……あぁっ…」
「俺に見られて感じていたんだろう?、正直に答えるんだ」

 口では否定していても、事実、亜由美は木村に見られながらの自慰行為で、これまでに経験した事の無い快感を覚えていた。
 スカートの裾に隠れて見えはしなかったが、秘唇からは愛液が溢れて太股を伝い、充血した乳首を弄ばれ、その快感に全身の肌が泡立つように震えている。
 拙い自慰行為の快感しか知らなかった亜由美の肉体は、木村の手によって始めて教えられた、女としての歓びに急速に目覚め始めている。
 木村によって与えられる快感は、亜由美にとって全てが未知の物であり、幼かった性は濁流に飲み込まれるかのように翻弄された。
 一度覚えてしまった激しい絶頂感を、亜由美の身も心も知らずうちに追い求め、必至に押し留めようとする理性も浩介への思いも消し飛ばされてしまう。

「あ……あのっ……私っ……」
「まぁいい…時間はたっぷりあるんだ…さ、腰を降ろしなさい」
「…は………はい…」

 木村に命じられ、亜由美は内心で安堵の溜息を漏らしていた。
 亜由美自身は気付いていなかったが、命じられて仕方なく従うと思えば、自らも快感を求めているという現実を誤魔化す事ができる。
 仕方が無いのだと自分自身に言い聞かせながら、亜由美は腰を降ろしていった。

「んんっ………!」

 まだ微かに痛みはあるものの、充分に潤みきった膣内は、さしたる抵抗も見せず男性器を飲み込んでいく。
 大きく広がった笠の部分に膣壁を押し広げられながら、亜由美はその根元まで咥え込み終えると、荒い吐息を漏らしながら、木村の胸へと顔を埋めた。
 木村は手を伸ばして、肩先で綺麗に切り揃えられた髪を撫でつつ、亜由美の耳元に囁きかける。

「自分で動いてごらん」

 今の亜由美がその言葉に逆らえるはずもなく、首だけで小さく頷き返すと、控えめに腰を動かし始めた。
 体格の良い木村の身体を支えに、胸に顔を埋めたまま腰だけを動かす亜由美。

(自分で腰を動かして…私…先生と…セックスしてる……)

 緩やかに制服のスカートの裾が舞い、その内側では可憐な秘唇が木村の剛直によって貫かれていた。
 自ら腰を振るという、羞恥を煽られる行為によって愛液の量は増し、それを頼りに亜由美は腰を上下させる。
 初めこそぎこちなかった腰の動きも、時と共に淫らで艶かしく変化していった。

「あっ……あんっ………はぁっ………!」
「好きなように動きなさい。ほら、もっと奥まで欲しいんだろう?」
「…はぅんっ…!、んっ、んぁっ!、…はぁ…はぁ……ひぅっ…!」
(…お…奥が痺れて……駄目……溶けちゃうっ……!!)

 木村の首に腕を廻してすがり付き、乳房を胸板へと押し付けるようにして、固く尖った乳首を無意識のうちに擦り付ける亜由美。
 更なる快感を求めて腰は艶かしく動き、小気味良いリズムで男性器を出し入れさせる。
 次第に激しくなっていく腰使いに、スカートの裾も大きく揺らぎ、淫らに繋がった部分を垣間見せていた。

「あっ、あっ、あぁっ……もう…私……駄目っ!、あんっ、あんっ、あぁぁっ!!」

 自慰行為によって限界まで昂ぶっていた亜由美の身体は、木村が止める間も無く一気に絶頂へと昇りつめていった。
 まだ萎える事なく、存在感を誇示する木村の剛直を膣内に収めたまま、微かに腰を痙攣させながら、亜由美は荒い吐息を漏らしていた。
 木村はそんな亜由美を抱き上げると、そのまま仰向けに床の上へと寝かせた。

「はぁ……はぁ………」
「今度は俺の番だ…」

 亜由美の足を両脇に抱えるようにして身体を割り込ませ、腰を引き寄せて角度を合わせると、木村は再び挿入していく。
 先程まで受け入れていた男性器を、再び飲み込んでいく亜由美の膣内。
 溢れ出した愛液に導かれるかのように、軽々と根元まで挿入してしまうと、木村は亜由美の髪を撫でながら唇を重ねていく。
 遠慮無く挿し込まれる舌を愛らしい舌先で受け止め、亜由美は木村の動きを求めるかのように舌を絡ませていった。

「んふぅ……んっ…ちゅっ……」

 そして木村は唇を重ね、深い口づけを交わしたまま、勢い良く抽送を開始した。
 充分過ぎる程に愛液を満たした膣内は淫らな水音と発し、木村の抽送に合わせて亜由美の両足が前後に揺れる。
 亜由美の唇を解放した木村は、目の前で揺れる瑞々しい乳房へと手を伸ばし、その先端の突起を指先で弄びながら、まるで貪るかのように腰を動かし続けた。
 絶頂の余韻が冷めやらぬ亜由美は、再び襲い掛かる激しい快感に、我を忘れて乱れていった。

「あっ、あっ、あっ!、せ…先生っ…先生ぇっ…!!」
「まだ二度目だと言うのに、こんなに感じるとは…思っていた通り、亜由美にはセックスの才能があるぞ」
「やっ…あっ……嫌ぁ……い…言わない…で…はぅんっ!!」

 心の中では激しく木村の言葉を否定しようとする亜由美だったが、実際に身体はこれまで以上の快感を覚え、頭の奥まで痺れるような感覚が襲う。
 亜由美の羞恥を巧みに刺激する言葉と、過去に何人もの女子生徒達を弄んできた技術の全てが、つい先日まで男を知らなかった亜由美の身体を、一気に淫らな女の肉体へと変貌させていた。
 既に破瓜の痛みなど微塵も残っておらず、木村の激しい抽送に、亜由美の身体は歓喜の叫びを上げている。
 その歓びを伝えるかのように、亜由美の膣内は断続的に木村の男性器を締め付け、抱えられた両足は木村の腰に絡みついていた。

「可愛いよ…俺の亜由美。ほら、今日もたっぷりと膣内に注ぎ込んであげようね」
「あっ…嫌……んんっ……な、膣内には…もう出さないでっ……」
「駄目だ。ちゃんと…この淫らなオ○ンコで、俺の精液を受けとめるんだ」

 亜由美の切願も冷たく斬り捨て、木村は冷酷な笑みを口元に浮かべた。
 抽送が導き出す快感に甘い声音で喘ぎながらも、亜由美の頬を涙が伝っていく。

「出すぞ……亜由美っ…!」
「あっ……あっ、やっ、あっ、あっ……イクっ、イクっ……イッちゃうっ……!」

 荒々しく貫いていた物が止まったと思った瞬間、大きく跳ねるように脈打ちながら亜由美の膣内へと精液を迸らせる。
 その感触を感じた瞬間、亜由美も二度目の絶頂へと昇りつめていた。
 木村は思う存分、最後の一滴まで絞り出すように、亜由美の膣内へと白濁した体液を注ぎ込んでいく。
 浩介を愛しながらも木村との行為によって乱れ喘ぎ、射精されながら激しく達してしまう自分の身体に、絶望感にも似た重いに打ちひしがれていた。

(…もう……私……戻れない………)

END