【基本設定】
[バディ 桜]
名前:桜(さくら)
性別:女性型
生年月日:制作年不明。
外見年齢:15〜6歳
身長:151cm
体重:45kg
バスト:75cm(A65)
ウェスト:54cm
ヒップ:78cm
髪の色:黒
髪型:腰辺りまであるストレートロング。
瞳の色:黒
肌の色:白
その他特徴:無表情(一見、病的にも見える外見)
物思いにふける事が多い。少々天然が入っていて、失敗も多い。
涙が出ない(どうやら桜の体液管理機能には不都合があるようです)
マーキング:真鍮色の逆五角形。
服装:卯月の経済的問題により安物系。
肌の露出を避ける傾向にある。
一人称:「私」
主への呼びかけ:「卯月さん」
口調:基本的に無口。
口を開くときも微かに躊躇する場合が多い。「……はい」
性格:大人しい。感情を抑圧する傾向あり。感受性強く、自罰的完璧主義。
好きなもの:今のマスター。一緒に拾われた子猫「桃(♂)」
嫌いなもの:暴力、ひとりになること、捨てられること。
得意なこと:性的奉仕(ただし、本人はこのことに拒否感情を持っている)
苦手なこと:感情表現(最近は多少、表情が出始めているようです)
CPU:IP−GWX50(50THz)
フレーム:WMSC社製「木霊」カスタム
特殊装備:なし。
[背景設定]
とあるバディ系関連企業を経営する青年実業家が、自分専用にオーダーメイドした桜(当時は別の名前)を購入。
当初は優しく接し、マスターとバディの親密な関係を築く。
半年ほどで、桜は素直で疑う事知らない無垢な少女へと成長する。
ある日、些細な失敗した桜にマスターは弾みで桜へ手を上げてしまう。
それ以降、桜はびくびくとマスターの顔色を伺うようになり、マスターは桜の一挙手一投足が気に入らなくなる。
自分が『よい子』でないから……マスターから虐待される。
桜は懸命にマスターに仕え、奉仕するが、何をやっても虐待されるようになる。
マスターの虐待は止まることなく、むしろ次第に酷くなってゆく。
桜は部屋の隅で小さくなるようになり、心の殻にこもり、痛みも悲しみも感じない『人形』となっていった。
ただ黙々と命令をこなすだけの『人形』となった桜に、男は飽きてしまう。
ある日、桜はマスターである青年実業家――に告げられる。
『その暗い顔は見たくない』と。
『人形のようなお前は、いらない』と。
『新しいのを買った』と。
そして……『出ていけ』と。
マスターと共にあろうとして選択した『人形』としての自分――それこそがマスターが自分を捨てる理由になったことを知り……桜のクリスタルは悲鳴をあげた。
自らが招いてしまった事態に対する……そして、自分自身に対する、絶望の悲鳴を。
絶望に、真に『人形』となってしまった桜を、男は犯し、そして……捨てられた。
桜は町をさ迷い、桜並木で同じく捨て猫の桃と一緒に現在の主人に拾われる。
暖かく楽しい新しく始まった生活――もう虐待に怯えたり、部屋の隅で小さくなる事もない。
新しい主人の笑顔と膝上の桃の暖かさに少しづつ自分を取り戻して行く桜。
桜に微笑が取り戻される日は来るのだろうか?
[桜のマスター 卯月]
名前:来栖(くるす)卯月(うつき)
性別:男
生年月日:1995年4月10日
年齢:20歳
身長:175cm
体重:70kg
髪の色:黒
髪型:典型的な主人公髪型
瞳の色:黒
肌の色:黄(黄色人種)
服装:安物系
一人称:俺
口調:特に無し。
性格:少々ぶっきらぼうぎみに見えるが、温和で優しい……しかし人が良過ぎるきらいがある。
その他特徴:現在、スポーツなのはやっていませんが、身体能力はとても高い。
大学への進学前に、両親を事故で無くしているが、唯一の肉親である姉がいる。
思うところがあり、遺産は辞退し、家を出て一人暮らしをしていた。
学費は奨学金、生活費は酒屋でのアルバイトで稼いでいる。
[飼い猫 桃]
名前:桃(もも)
性別:オス
年齢:正確には不明……現在はかなり成長している。
種類:虎猫の雑種。
好きなもの:鰹節、桜の膝上。
必殺技:前足で爪立てながら組み付き、後ろ足で蹴りながらの、噛みつき。
その他の特徴:桜を自分のものだと思い込んで、目の黒いうちは卯月には絶対に触らせない。
眠る時も無理やり桜との間に割り込み、桃を真中に川の字になって眠る。
卯月家の実質TOP(桃>桜≧卯月?)
【桜 紹介SS】
いつの時代もクソ野郎はいるものである。
気に入らないからと言って、犬や猫のように人型PCを捨てるヤツもいる。
感情のある彼ら(彼女)達が主人に捨てられて、どう思うのか、考えないのだろうか……?
もう春だと言うのに、冷たい雨が降る夜に俺は彼女に会った。
「ちっ……この雨で桜も全部散っちまうな……」
俺はコンビニへ買い物に行った帰りに、アパートの前にある花の散りかけた桜並木を見上げて舌打ちした。
「にゃあ……」
「ん?」
弱々しい猫の鳴き声が聞こえ、回りを見まわす。
「……にゃあ」
声の主の小さな子猫は、雨の中傘もささずベンチに腰掛けている少女の膝上にいた。
黒髪の少女はかわいい容姿からは想像できないみすぼらしい服装をしている。
「こんな天気の中でどうしたの?」
「…………」
傘を少女と子猫に差し出すと、少女がゆっくりと顔を上げる。
俺を見つめる少女の瞳は暗く澱んでいた。
「君……?」
よく見ると少女の額に五角形の金属プレートが付けられている。
(興味がなかったからよく知らないけど、この娘、人型PCか)
「うちに帰らなくてもいいのかい?多分、君の主人が心配してるよ」
暫しの沈黙の後……。
「マスターは……いません…………私、捨てられたんです」
雨音に消え入りそうな声で、少女が答えた。
無表情な少女の頬を雨の雫が流れ落ち、心の涙のように見える。
「す、捨てたって、人型PCはそんなに安い物じゃ……」
全てを口にしようとした俺は、主人に捨てられた人型PCの気持ちを考え、途中で言葉を飲み込む。
「少しの間だけでも、うちに来るかい?その子猫も、そのままじゃ風邪をひいてしまうよ」
冷たい雨に濡れ続ける少女と子猫を見て、提案した。
「…………」
少女が俺の目をじっと見つめた後、自分の膝上で寒さに震える子猫に視線を移す。
「はい……お願いします」
子猫を優しく抱き、少女がゆっくりと立ち上がる。
「君……じゃなんだな。名前を教えてくれるかい?」
少女のゆっくりとした歩調に合わせて桜並木の中を進みながら、少女の名前を聞いた。
「…………」
少女が沈黙する。
(そうだよな……自分を捨てたヤツがつけた名前なんて……)
俺達が歩く桜並木を見上げ……
「さくら……今だけでも『桜』って呼んでもいいかい?」
「さ……く……ら……?」
ゆっくりと一言一言確認するように、復唱する。
「そう、桜」
「……はい」
錯覚かもしてないが、返事をした瞬間、無表情な少女が一瞬微笑んだような気がした。
俺はこの少女の笑顔を見たいと思った。
「ははは……じゃ、桜ちゃん。その子猫の名前も考えないとね」
「……この子の名前は…………」
[続く……?]
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