菜摘の物語
菜摘の物語 「んくぅっ…!」 滅多に使われることのない、校庭の端にある体育倉庫。人の通りからも外れているせいで、本当に学園内かと思うくらい人が近付かない場所だ。 その、やや埃っぽく薄暗い体育倉庫の中で、絡み合う男女の姿がある。夏休み前には何度か見られた光景だが、ある時を境にしてパタリと見られなくなった。それが最近、再びこうして見られるようになった。 しかし、ひとつだけ大きく以前とは異なっている点がある。 それは絡み合う男女の組み合わせだ。 「菜摘さん、どうですか?」 「うん、すごく…気持ちいいよ」 菜摘は積み上げられた跳び箱へと両手をつき、やや尻を背後の雅人へと突き出すようにしていた。 制服のスカートは尻が露出するまで捲り上げられ、淡い色合いのショーツは太股の途中で止まっている。そこへ背後に立った雅人が、その男性器を挿入していた。 そう、今こうして体育倉庫を利用しているのは雅人と菜摘の二人だった。 姉の恵だけでは飽き足らず、恋人として付き合っていた愛までを奪ってしまった稲垣に対して、雅人はただ諦めることしかできなかった。 深く傷ついて落ち込む雅人を、まるで寄り添うようにして慰めたのが菜摘だった。 親友である恵の豹変した様子から、なにが起こったのかを薄々と察していた菜摘は、それについては何も言及せず、ただ優しさで雅人を包み込んだ。 雅人はその温かな優しさに甘えるようにして、二人は自然に男と女の関係になった。 それから雅人はバスケット部も辞めてしまい、こうして時間があれば菜摘との逢瀬を繰り返している。 「菜摘さんのオマ●コも、すごく熱くて気持ちいいですよ」 「あぁ…そんな風に言わないで…恥ずかしい」 「でも気持ちいんですよね?僕のチ●ポ入れられて感じてるんですよね?」 恵と愛のことが雅人の心を深く傷付けてしまったのか、雅人はこうして菜摘のことを辱めるような言葉を発する事が多い。 もちろん本人に悪意があるわけではないのだが、稲垣に対する心理が無意識のうちにそうさせてしまっているのかもしれない。 「うぅ…そう、そうだよ…アソコが気持ちいいの…」 「ほら、そうなんじゃないですか」 「雅人くん…」 菜摘は深く傷付き落ち込んだ雅人の姿を見ているだけに、強く当たることができずにいた。雅人がそれを望んでいるのなら、それを受け入れてあげたいと思ってしまうのだ。 それは菜摘の優しさであるのと同時に、年下の恋人への憐憫の情でもあった。 「それなら、またいつもみたいに言ってください」 「ま、また…あれを言うの?」 「僕のことが好きなら言えるんじゃないですか?」 雅人にそう言われてしまっては、菜摘はもう何も言い返すことができない。求められるままに、羞恥を堪えながら淫らな台詞を口にするのだ。 「な、菜摘の…スケベなおま●こを…雅人くんのち●ぽで…お、犯して…」 「犯すだけでいいんですか?」 「ううん…しゃ、射精して欲しい…熱い精液を…おま●こに射精して欲しいの…」 雅人が菜摘に対して繰り返し要求するのは、恵がよく稲垣に対して使っていたような台詞だった。 雅人にそれを求められて口にするとき、菜摘は自分が雅人にとって恵の代償でしかないのではないかという不安にかられる。ただ優しさに甘えられ、都合のいい女になっているのではないかと。 だが、それを確かめるだけの勇気は菜摘にはない。 「ふふふ、いいですよ。たっぷり出してあげますからね」 菜摘の台詞に満足したのか、雅人は笑みを浮かべて腰を動かし始める。 「んはぁっ!あっ、あっ、あっ、あぁんっ!深いっ、深いよぉっ!」 肉のぶつかる音を響かせながら、雅人は激しく腰を打ち付けていく。 やや逞しさを増した男性器は菜摘の秘所を貫き、その広がった先端部分で膣内の細かな襞を擦り上げる。その堪らなく甘美な刺激に鼻を鳴らすように喘ぎながら、菜摘は身体が満たされていくのを感じるのだ。 「うぅんっ!んっ、んっ、んふぅっ!んくっ…んっ、んはぁっ!」 埃っぽい跳び箱を軋ませながら、雅人は激しく腰を振って菜摘を貫いていく。 何の変化もない、ただ勢いに任せて貫くだけの抽送だったが、菜摘にはそれで充分だった。 「あっ、あっ、あっ!雅人くんっ、いい、いいよっ!」 「くっ…」 そしてほどなく、雅人は限界を迎えて菜摘の膣内へと射精する。もちろん避妊具など用意しておらず、自分本位な膣内射精だ。 「出すよ!」 「あぁっ!な、膣内はっ…くふぅぅんっ!!」 せめて外に出して欲しいという思いも虚しく、あっさりと膣内に射精されてしまう。 そして勢いよく流れ込む熱い精液の感触に、菜摘もまた絶頂へと昇りつめていってしまうのだ。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」 「菜摘さん、気持ちよかったよ」 「はぁ、はぁ…雅人くんも…凄かったよ」 雅人は後戯はもちろん余韻を楽しむ余裕すらなく、萎えた男性器を菜摘の膣内から抜き放つと、ひとりだけ後始末を終えて体育倉庫から去ろうとした。 「あっ…」 「ん、どうかした?僕、次の授業体育だから行くよ?」 「う、うん…帰り…待ってるね」 「分かってる」 本当はもっとゆっくりと普通に愛し合いたい。そう口から出かけた言葉を、菜摘は涙と一緒に飲み込んだ。 「…スワッピング?」 「そう!そうなんだよ!」 戸惑いを隠せない菜摘に対して、雅人は興奮した口調でまくし立てた。 「僕らが付き合ってるって知った先生が、それなら四人で楽しまないかって!」 「でもそれって…」 スワッピングがどういうものなのかは、説明されなくとも菜摘も分かっている。お互いのパートナーを交換して楽しむというプレイだ。 雅人が喜んでいるのはつまり、稲垣のパートナーである恵の相手ができるからだ。それが分かってしまうだけに、はしゃぐ雅人に対して菜摘の心は冷めていく。 「もうOKしちゃったけど、別にいいよね?」 「えっ、そうなの…?」 「うん!えーっと、ほら、変化とかあった方がいいでしょ?」 「それは…」 倦怠期を迎えたのなら、そういった刺激があってもいいのかもしれない。しかし菜摘と雅人は、まだ付き合い始めて数ヶ月なのだ。 それに雅人は恵の相手を出来ることを喜んでいるようだが、それはつまり菜摘が稲垣の相手をするということでもある。雅人はそれを理解しているのだろうか。 「部屋はもう先生が手配してくれてるから、今度の土曜日にね」 「う、うん」 スワッピングなど受け入れたくはなかなったが、はしゃいでいる雅人の姿を見ていると、とても言い出せない。菜摘はまた口から出かけた言葉を飲み込んだ。今度は溜息と一緒に。 「うふふ、そんなにお姉ちゃんとセックスしたかったの?」 「う、うん!」 用意されていたのは稲垣と恵がよく利用しているというラブホテルだった。 薄暗いその部屋の中央にある大きめのベッドの上で、裸になった雅人と恵が向き合っている。一方の菜摘と稲垣はというと、ベッドが一つしかないために、いまはソファに座って二人の様子を眺めていた。 「はしゃいですな、雅人のやつ」 「………」 手にした缶ビールを飲みながら、まるで舞台でも見物するかのように薄ら笑いを浮かべた稲垣の言葉に、菜摘は沈黙をもって応える。 恋人である雅人が望むから受け入れたのであって、菜摘自身はスワッピングなどに興味は無い。 幸いにしてベッドは一つしかなく、どうやら雅人と恵の行為を見せ付けられるのさえ我慢していれば、稲垣と関係を持つ必要は無さそうだった。 「ほら、始まったぞ」 稲垣の言葉を聞くまでもなく、ベッドの上での行為は菜摘の目にも映っていた。 (雅人くん…) ベッドの上で横になった雅人の股間に、恵がその顔を埋めている。 「雅人ってば、もうこんなに勃起させて」 「だって…」 「いいよ、分かってる。今日はたっぷりと楽しませてあげるからね」 恵の手が握っている雅人の男性器は、菜摘が見たことのないほどに激しくそそり立っていた。それだけで、雅人の興奮がどれほどのものか伝わってくる。 そしてそれを擦っていた恵が、おもむろに舌を伸ばして舐め始めた。 「…れろ、れろ…ちゅっ」 「はぅ…」 菜摘も雅人に求められて何度かフェラチオをしたことがあるが、雅人があんな声を漏らしたことはない。 それほどまでに姉に舐められるのが気持ちいいのかと、菜摘の心がチクリと痛んだ。 「俺が仕込んだからな。たぶん雅人の奴…一分も持たないぜ」 小馬鹿にするような稲垣の言葉に、菜摘は反射的に怒りを覚える。 「おいおい、睨むなよ。なら測ってみようぜ…スタート」 ベッドサイドにあるデジタル時計の数字が変わった瞬間、稲垣が開始の合図を注げた。 菜摘との行為でも、雅人は特に射精までが早いという訳でもない。それがいくら相手が恵に代わったからといって、雅人がそうも簡単に射精してしまうとは思えない。 それに、自分の恋人が馬鹿にされるのは単純に腹が立った。目の前で行われている行為の内容は別にして、とりあえず菜摘は心の中で雅人を応援する。 (頑張ってよ…雅人くん!) どうせ止められない行為なら、恵を思い切り感じさせてその口から「稲垣より気持ちいい」と言わせてもらいたい。恵が雅人ではなく稲垣を選んだことを後悔するくらい、雅人には頑張ってもらいたい。恵と愛を失ったときの雅人の傷ついた姿を見ている菜摘としては、どうしてもそう願わずにはいられなかった。 もちろんそうなったからといって、恵に雅人を譲るつもりはない。所詮は実姉、結ばれることは許されない相手なのだ。 ただ今は、雅人が満足してくれればいいと思うだけだ。 「ちゅるっ、ぢゅぱっ、ぢゅ、ぢゅ、ぢゅ、ぢゅるぅぅっ!」 「あ…あぅ…」 恵が雅人の男性器を深々と咥えこみ、音をたてて激しく吸い上げる。思わず見ている菜摘が息を飲んでしまうほど、恵のフェラチオはハードだった。 「ぢゅっ、ぢゅぱっ、ぢゅっ、ぢゅぽっ、ぢゅるるっ…んっ、んっ、んっ、んんっ!」 「だ、だめだよ恵姉ぇ…で…出ちゃうっ!」 「んふっ…!」 稲垣のスタートの合図から、ほんの数十秒だった。 「嘘…」 「ははは、ほらな?」 デジタル時計の数字が変わる間もなく、雅人はいとも簡単に射精してしまった。 「ん…んく…ごく…ごく…ごく…んはぁ…もう、早すぎるわよ雅人」 「ご、ごめん…」 あまりにも早い射精に、恵の口調もどこか不機嫌さを漂わせている。 「このまま口でしてあげるから、早く元気にしてよ」 「…うん」 そう言って恵は射精したばかりの男性器を咥えなおし、再び激しくしゃぶり上げていく。 一方の菜摘は、どうしようもない悲しみに落ち込んでいた。 いくら相手が想いを寄せていた恵とはいえ、ほんの数十秒で射精してしまうとは、正直なところ菜摘も驚いてしまった。 自分が相手をしているときは、射精まで少なくとも数分間はかかっていたように思う。この差の理由がいったいどこにあるのかと思えば、恵の技巧と雅人の気持ちしか思い当たらない。 (そんなにメグのこと…) また、胸がチクリと痛んだ。 雅人が恵のことを好きなことは薄々と気付いていたし、その恵を稲垣に奪われて落ち込む雅人を慰める形で、菜摘は雅人の隣の席を手に入れた。 だから雅人の気持ちは理解しているつもりでいたが、現実としてあまりに違いを見せつけられてしまうと、本当に自分が雅人の恋人なのかと不安になってしまう。 やはり、性欲のはけ口でしかないのか。そんな思いが菜摘の心を重く沈めていく。 「んじゃ、そろそろこっちも始めようか」 「…え」 気が付くと別のソファに座っていたはずの稲垣が、菜摘のすぐ隣に座っていた。しかもその手は菜摘の脇の下を通るようにして、恵よりもやや豊かな乳房を服の上から揉みはじめていた。雅人のことで落ち込むあまり、菜摘はそう言葉をかけられるまで全く気付かなかったのだ。 「スワッピングなんだから、こっちも楽しまないとな?」 「ちょっ…べ、別に私はっ…」 菜摘は雅人が満足さえしてくれればよかったのであって、スワッピングを楽しむつもりなど毛頭なかった。 状況を自分に都合よく考えていたが、別にベッドが空いてなければできないという行為でもない。稲垣が求めてきたのなら、受け入れなければならないのだ。 「今更、嫌だなんて言うなよ。なんだったらここで止めてもいいんだぜ」 「それはっ…」 そんなことになれば雅人が悲しむのは目に浮かぶ。いやそれだけではなく、菜摘に対して明確な怒りの感情が向けられるだろう。 「恵がどんなセックスしてきたのか教えてやるよ、その身体に」 「は、はい…」 菜摘が稲垣の求めを受け入れたころ、ベッドの上では雅人が恵へと挿入していた。 「め、恵姉ぇ!」 「あぁんっ、雅人ぉっ!」 「はぁ、はぁ、はぁ…んっ…く、くぅ…」 「どんどん熱くなってくるな」 稲垣は菜摘のタイトなミニスカートを脱がしてしまうと、ショーツの上からじっくりと愛撫を始めた。自信満々な態度を裏付けるかのように、稲垣の愛撫は確かに上手かった。 まるでどう刺激すれば菜摘が感じるのか分かっているかのように、その指先は繊細かつ大胆な動きでショーツ越しに秘唇を擦ってくる。 雅人の単調な愛撫しか知らない菜摘には、それはあまりに鮮烈な刺激だった。 (こ、こんなに上手いなんて…) 自分で慰めるのと同じか、あるいはそれ以上の快感がある。雅人の前で他の男に愛撫され淫らな声を漏らしてしまうなんて、菜摘にはあまりに屈辱的だった。 「やっぱり恵よりデカイな」 「そんな…んっ、んんっ…はぁ…」 スカートを脱がされてしまった下半身に対して、上半身はカットソーを胸元までたくし上げられ、下着も乳房の上へと押し上げられてしまっている。 そしてあらわになった乳房を、稲垣の手がしっかりと掴むように握っていた。 「先生、おっぱいの大きな子が好きだもんねぇ」 「ははは」 二人の会話を聞いていたのか、ベッドの上から恵が声をかけてくる。見れば雅人との行為はもう終ってしまったようで、雅人は疲れ切ったようすでグッタリとしていた。 「ごめんねぇ、先生っておっぱい星人だから」 「おいおい、そんな言い方はないだろう」 「んくっ…メ、メグ…」 雅人とは違い疲れた様子を微塵も感じさせない恵は、ベッドから降りて簡単に衣服を身に付け二人へと近寄ってきた。 「雅人と違って凄いから、絶対に夢中になっちゃうよ」 「メグ…どうして…」 「うふふ、なっちゃんにも教えてあげたかったんだ…本物のセックス。親友だもんね」 笑顔を浮かべた恵は、稲垣に愛撫される菜摘を見つめている。 その表情には迷いや後悔といったものが感じられず、本気でそう思っているように感じられた。 「じゃあ、そろそろ挿れてやるか。恵、脱がせてやれよ」 「うん」 稲垣の言葉に促がされて、恵が菜摘のショーツへと手を伸ばす。 「ちょ、ちょっとメグ!」 「わぁ、もうこんなに染みが広がっちゃってる。うふふ、脱ぎ脱ぎしましょうね〜」 「や、やぁんっ…」 恵は菜摘を焦らすかのように、ゆっくりとショーツを降ろしていく。すると、菜摘の股間とショーツの底との間で、透明な愛液が糸を引いた。 「うふ、糸引いちゃってるよぉ、やぁ〜らしいんだぁ」 「あぁん、いやぁ…メグ…メグぅ…」 「これだけ濡れてれば大丈夫だよね。先生、なっちゃんに入れてあげて」 「ああ、いいぞ」 恵は強引に菜摘の身体を抱え上げるようにして、ソファに座った稲垣を跨らせる。運動部で活躍してきただけあって、細身の体のわりには筋力はかなりある。菜摘は抵抗することすらできず、されるがままに稲垣を跨いでしまった。 どうやら恵は、菜摘を稲垣と対面座位で繋がらせるつもりらしい。 「メ、メグ…やっぱり私、こんなこと…」 「だ〜め。私はもう雅人としちゃったんだから、なっちゃんも先生としないと不公平でしょ」 「で、でもぉ…」 前戯を受けただけでも稲垣が相当に手馴れているのは菜摘にもよく分かった。そして恵がここまで夢中になるのだ、実際のセックスもかなりのものだろうとも予想できる。 そんなセックスを受け入れてしまって、自分は本当に最後まで雅人への愛情を保ち続けられるのか。菜摘の心に不安が広がっていく。 しかし当の雅人は姉とのセックスに満足したのか、ベッドの上で呆然と天井を見上げるようにして大の字になっている。 「そのまま腰を降ろして…ほら」 「あっ…だ、だめっ…」 恵の力に逆らえず、菜摘の腰がゆっくりと降りていく。 そして稲垣の反り返った男性器の先端部分が、菜摘の濡れた秘唇へと触れた。 「あんっ…」 「あんまり焦らすなよ、恵」 「はぁい…ごめんね、なっちゃん。先生がそう言ってるから、もう入れてね」 「はぅっ…!」 いきなり恵が上から力をかけ、稲垣の男性器を一気に挿入させてしまった。 大きく広がった笠のような先端部分が、濡れた膣口を思い切り押し広げて、たっぷりと愛液を含んだ膣内へと侵入してくる。 狭い膣内が一気に押し広げられていく挿入感に、菜摘は腰が震えそうな快感を感じていた。 (す、すごいっ…!) 溜まっていた愛液を一気に押し出して、その代わりに太く逞しい男性器が菜摘の膣内を埋め尽くす。 髪の毛一本入る隙間もないほど、ギッチリと男性器が膣内に埋め込まれている。 「んっ…んはぁ…んんっ…」 「先生、全部入っちゃったよ」 「よし、なら今度は俺の出番だな」 そう言うといきなり、稲垣は菜摘の腰を抱えるようにして下から突き上げ始めた。突然始まってしまった激しい抽送に、菜摘は身構えることもできず、その強烈な快感によって理性が一気に突き崩されてしまう。 「ひゃぅんっ!あっ、あっ、あっ!やっ、すごっ、あぁんっ!」 自分の体重が加えられるため、その突き上げの勢いはかなりのものがある。雅人とのセックスでは味わったことのない激しい抽送に、菜摘の心は瞬く間に快感に染められてしまった。 「うふふ、気持ち良さそうな声だしちゃって」 「あぁんっ!だ、だって…こんなに気持ちいいなんて…はぅんっ!」 「だから言ったでしょ、雅人と違って凄いんだって」 「経験が違うんだよ、経験が」 確かに覚えたての雅人とは経験の絶対値が違いすぎる。そもそも比べることが間違っているのだが、菜摘にはもうそんなことを考える余裕がない。 雅人との関係の中で入り口を知った若く瑞々しい肉体が、稲垣の巧みさと激しさで一気に目覚めさせられていく。 「あ、当たってるっ、奥に…奥に当たってるよっ!」 「先生のはおっきいから、子宮まで届いちゃうでしょ?」 突き上げられている菜摘の背後から手を伸ばし、その胸を揉み始める恵。背後からは恵に胸を揉まれ、下からは稲垣に鋭く激しく突き上げられる。 心の支えになるはずの雅人は、すぐ隣で喘いでいる菜摘の姿すら見ようとはしない。恵との初めてのセックスで完全に満足しきってしまっている。 すぐ隣で自分の恋人が別の男に抱かれているというのに、その事実に対して何の反応も見せないのだ。 これはスワッピングなのだと割り切っているのか、そもそも菜摘に対する気持ちが薄いのか。あるいは恵と結ばれたことで、本来の気持ちが甦ってしまったのか。 菜摘はそんな雅人の姿を視界の隅に捕らえながら、稲垣の固い男性器で膣内の感じる部分を徹底的に擦り上げられていく。 「んくっ…あっ、あはぁっ!だ、だめ…こんな気持ちいいの…教えないでっ…!」 「生徒を指導するのは教師の務めだろう?子供の遊びじゃない、本物のセックスを教えてやるからな、そら!」 「きゃぅんっ!あっ、あっ、あっ、あぁんっ!だめっ、だめだめだめっ、だめぇっ!」 更に強烈な抽送を受けて、菜摘は激しく首を横に振る。綺麗な長い黒髪が揺れて、背後の恵の鼻先をくすぐる。 このまま進めば絶対に凄い快楽が待っているのは菜摘にも分かる。だがそれが分かってしまうだけに、雅人への思いとの間で苦しめられるのだ。 親友である恵と共に稲垣の女になってしまうのも悪くないのではないか、そう思ってしまう自分の姿が快感の先に見え隠れする。 (メグも…こんな気持ちだったのかな…) 好きではない相手に抱かれ、その快感から逃れられなくなる。菜摘が思った通り、それは数ヶ月前に恵がたどった道筋だった。 「せんせぇ…なっちゃんの気持ち良さそうな声きいてたら…またしたくなってきちゃったぁ」 「なんだ、さっきしたばかりだろ?」 「うん、そうなんだけど…ねぇ、なっちゃんイカせちゃって私としよぅ」 「やれやれ、仕方ないな…悪いな、そういう訳だから」 恵の言葉を受けて、稲垣が呆れたような表情をした。そして菜摘の膣内から男性器を抜いてしまう。 「あふぅ…」 「もっと激しくしてやる…恵」 「うん。なっちゃん…こっちに来て、お尻を突き出して」 「え…ちょ、ちょっと待って…あんっ」 恵は菜摘の身体を抱え起こすと、そのままソファの背に手を着かせるようにして尻を突き出させた。すると、立ったまま四つん這いになっているような格好になる。 そして稲垣のものが抜けたばかりの膣口は広がったままで、ひくひくと蠢きながら膣 奥から愛液を滴らせている。 「うわ、なっちゃんのおま●こ…すごいよ」 「やぁん…み、見ないで…あぅぅ」 「うふふ…先生、いいですよ」 「おう」 恵が見つめるする目の前で、稲垣の男性器の先端が再び菜摘の膣口へとそえられた。そしてそのまま稲垣が腰を進めると、その圧力で膣内から愛液が溢れ出しながら深く貫かれていく。 「んふぅっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…んくっ…」 「おま●こ、先生のおち●ぽでギチギチに広がっちゃってるよぉ…気持ち良さそう」 菜摘が犯される姿をうっとりと見つめながら、恵は自分の身体に手を這わせていく。 稲垣は菜摘を深々と貫いてしまうと、その柔らかな腰を抱えて激しい抽送を開始した。 大きく反り返った男性器の先端が、それまでとは違う部分を激しく擦り上げる。その快感が菜摘の背筋を駆け抜けて、半開きになった口元から切ない喘ぎを叫ばせた。 「あぅぅっ…擦れてるっ、あっ、あぁっ、うぅんっ…!」 「菜摘はこっちの方がいいみたいだな」 雅人が好んでするせいか、菜摘も背後からの挿入に慣れていた。しかし稲垣の貫きは雅人とは比べ物にならず、その強烈な快感に菜摘の腰が崩れそうになる。 (感じてる…私、感じちゃってるっ…雅人君じゃないのに…!) 膣襞を削るように荒々しく貫かれ、その固い先端部分で子宮口を叩かれる。 雅人との行為が児戯であったと思えてしまうほど、荒々しくも逞しいセックスに菜摘は自分の中で何かが目覚めていくのを感じ取っていた。 「雅人とは違って、きっちり届いてるだろう?」 「は、はいっ…届いて…ますっ…んくぅっ!」 「まだまだこんなもんじゃないんだぞ、女の性感はいくらでも開発できるんだ」 「そう…なんですか…んんっ…あっ、あっ、あっ、あぁんっ…!」 これ以上の快感があるのかと思うと、反射的にそれを知ってみたいと思ってしまう。それは女として仕方が無いことなのかもしれないが、菜摘は自分がとても淫らな女なのだと感じてしまう。 「そうだよぉ…ね、私と一緒に…先生に開発してもらおう?」 「メ、メグ…はぁっ…!」 「おいおい、彼氏のいる女を誘ってやるなよ」 菜摘を誘う恵を稲垣がたしなめるが、その表情は狡猾な笑みを浮かべている。 「え〜…でも…」 恵はベッドの上で大の字になっている雅人を一瞥してから、少しだけ声をひそめて菜摘の耳元で囁いた。 「セックスの上手なおち●ぽじゃないと、女の子は幸せになれないよね…なっちゃん」 甘く淫蕩な囁きが耳朶から菜摘の心を蕩けさせていく。 (やっぱり…そう、なのかな…先生…すごく上手だし…) その強烈な快感を知ってしまった後だけに、恵の言葉にも真実味が感じられる。そう感じ始めてしまうと、あとはもう坂を転げ落ちるように稲垣の与える快感に篭絡されていった。 「ここが感じるんだろう、ほら!」 「あぁんっ、そこっ、そこがいいのっ!」 恵よりも豊かで形の整った乳房を揺らしながら、激しい抽送を淫らな腰つきで受け止める。もう嫌がるような素振りは微塵も見られず、菜摘は完全に快感の虜になっていた。 「せ、先生っ…だめ、もうイキそうっ…イかせてっ、このままイかせてぇっ!」 「よし、たっぷり出してやるから一緒にイクんだぞ!」 その言葉に一瞬だけ菜摘の心に躊躇いが浮かび上がる。 稲垣は避妊具など着けておらず、このまま射精されれば妊娠の危険は大きい。そして今日はけして安全な日ではないのだ。 しかし目の前に迫っている絶頂の大きさが、そんな菜摘の躊躇いを押し流してしまう。 「くぅっ…き、きてっ…先生も出してぇっ!」 「うふふ、射精のおねだりするなんて…いやらしいんだぁ…んっ…んふぅ」 恵は我慢しきれずに菜摘の痴態を眺めながら自分を慰めている。 そんな恵の言葉に煽られながら、菜摘は絶頂へと昇りつめていった。 「あっ、あっ、あっ、あああああっ!イクっ、イクイクイクぅっ!」 「むっ、出すぞ!」 「あぁっ!イクっ、イっちゃうっ…んんんんんーーーーーっ!!」 背中を大きく反らしながら菜摘が達するのとほぼ同時に、稲垣もその膣内へと勢いよく射精していた。 大量の精液が子宮口を叩きながら流れ込んでくる感触に、菜摘は震えながら何度も何度も達してしまう。 「あっ…あっ…あっ…んくぅっ…!!」 流れ込んでくる精液の熱さが何もかも溶かしてしまい、自分自身がドロドロに蕩けていくような感覚を菜摘は感じていた。 (これが…メグを虜にしちゃった…セックスなんだ…) 確かに雅人との行為では味わうことのできなかった快感と充実感が菜摘を満たしている。 「ふぅ…思っていた通り最高だな、菜摘の身体は」 射精を終えて満足げな稲垣は菜摘の身体を優しく愛撫しつつ、その首筋に唇を押し当てていく。 「あふぅ…ん…んん…」 「なかなか小さくならないだろう?どうする、このまま続けていくか?」 「あ、先生ずるい…次は私の番なのに」 「ははは、いいじゃないか今日くらいは」 稲垣の言葉に不満を漏らす恵。稲垣は軽くそれを制すると、再び菜摘の耳元で甘い誘いをかけてくる。 「二度目はもっと気持ちよくなるぞ?」 「……」 恋人である雅人は相変わらずベッドの上で大の字になり、菜摘のことなど全く気にした様子はない。 これ以上は雅人を裏切りたくないという思いと同時に、菜摘は自分が引き返すことのできない入り口に立っていることに気が付いた。 ここから先に進んでしまえば、もう雅人と以前のような関係には戻れないだろう。それどころか、恵と同じように稲垣から離れることさえできなくなりそうだ。 だがそれでも、眩いばかりの快感を知ってしまった後では、全てを犠牲にしてでもその快感を再び求めてしまう。 そして一瞬の躊躇いの後、菜摘の口がゆっくりと開かれた。 「お…お願い…します」 それは菜摘が最後の一歩を踏み出した瞬間だった。 おしまい |