同級生二次創作SS「螺鈿細工の月−第三章−」

◇ 第六話-転機- ◇


 躊躇いがちに口を開いた剛三は、隠していた全てを舞に打ち明けた。
「そ……そんな……」
 剛三の語る内容を聞き終えた舞は、その一言を口にしたきり絶句してしまった。
 巻き込んでしまった美沙から手を引いてもらう為に、これまで素直に早田の命令に従っていた。それなのに、舞の知らない所で美沙は客の相手をさせられていたのだ。これでは何の為に早田に従い、売春のような事まで受け入れていたのか分からない。
 しかも剛三の話では、舞と初めて関係を持ったあの日も、美沙と会っていたと言う。
(美沙ちゃんが……小父様とも……)
 事情を知らなかったとは言え、舞は剛三を恨めしく思ってしまう心を抑えられなかった。
「すまんな、舞の友達だとは知らなかった。いい娘だし、お気に入りだったんだ」
 舞に対して負い目を感じているのか、剛三は普段よりも饒舌になり、余計な事まで話してしまっていた。
 言い訳めいたことを口にする剛三だったが、もう舞の耳には入っていない。
 済んだ事を責めても仕方が無い。どうすれば美沙を助けられるのか、舞の頭の中はその事だけで埋め尽くされていた。
「……小父様、美沙ちゃんも……ここに呼べませんか?」
「ここにか?」
 それは舞が考え出した苦肉の策だった。
 どこの誰かも分からない客の相手をさせられるくらいなら、ここで剛三の庇護下にあった方がいい。少なくとも剛三が相手であれば、危害を加えられる心配が無かった。
 それに、これからどんな行動を取るにしても、身近に居たほうが舞も安心できる。
「そうか……まあ、連中に言えば何とかなると思うが」
「お願いします!」
「ううむ……」
 何とかして美沙を早田達の手元から離したい舞は、必死になって剛三に懇願した。
 剛三としても舞の願いは聞き届けてやりたかったが、早田達が一筋縄ではいかない相手だとも分かっている。剛三が即答できないのも無理の無いことだった。
 舞としても、剛三が答えを渋っている理由は分かる。相原建設の社長という立場を考えれば、連中に逆らうのはリスクが大き過ぎる。しかし桜木家を離れてしまった舞には、もう他に頼る相手は居ない。
「……望み通りの女になります、お芝居なんかじゃなくて……私、本気で……」
「それ以上は言わなくていい」
「小父様……」
 差し出せるものは自分自身しか無い。舞の悲痛な言葉に、剛三の腕が優しくその肩を抱いた。娘のような年齢の舞に、そこまでの覚悟を見せられては、剛三とて男を見せない訳にはいかない。
「連中に話をつけてみよう」
「ありがとうございますっ……!」
 抑えきれない喜びを溢れさせ、剛三の胸へと飛び込む舞。その頭の中では、少しずつ考えが輪郭を整えつつある。早田達に食い物にされている女性達を助け、二度と手が出せないようにする。もちろん美沙や自分自身もその中に含まれている。
(もう言いなりになんてならない……!)
 そう強く心に秘めた舞の瞳は、活力に溢れ力強く輝いていた。自身を取り巻く数々の不幸な出来事から、失いかけていたものが甦りつつある。
 一方的に弄ばれ蹂躙されてしまうような、桜木舞という少女はそんな人間ではなかった。


「意外と強情なんですね。簡単に仲間になると思ったのに」
 早田に命令された美沙は、拘束された黒川の体を濡れたタオルで拭いていた。毎日こうして世話をさせられてはいるが、やはり風呂に入らなければ日毎に体臭は強くなる。美沙はそれほど気にしていなかったが、自分なりの美学を持っている黒川には、それが屈辱的で堪らなかった。
 美沙の手は下半身に移ると、そこも丁寧に拭いていく。しかしその手つきは少しずつ変化し、黒川の男性器を扱くような動きに変わる。
「チッ……」
 美沙が意図的にそうしていると分かり、苦虫を噛み潰したような表情で舌打ちした。
 そして男性器が完全に起立してしまうと、美沙はタオル越しにではなく、自分の手で直接それを扱き始める。拘束された身では抗う事もできず、黒川はその刺激に耐えるしかない。
「勃ってきちゃったね……」
 足元から見上げる美沙の瞳が淫靡に輝く。
「この前みたいに口でする? それとも、ちゃんとセックスしたい?」
「もういい! やめてくれ!」
 興奮を煽るような言葉に耐え切れず、黒川は顔を逸らしながらそう叫んでいた。
「痩せ我慢することないのに。私は別にいいんだよ?」
 自分を卑下する訳でもなく、本当に気にしていないような口ぶりの美沙に、黒川は言いようの無い焦りを感じる。何もしらなかった少女を、これだけの短期間にここまで変貌させてしまう早田と山辺の手管。それが舞の身にも伸びていると思うと、こうして拘束されている身が苛立たしく思える。
 早く舞を取り戻さなければ、取り返しの付かないことになってしまう。
 だが従妹のさとみまで人質に取られてしまえば、どうやっても逆らう事はできない。早田に膝を屈する日が近付いている事を、黒川は冷静に判断していた。
 しかし、そうしている間にも美沙が男性器を握り締め、舌を近づけようとしている。
「お、おい……」
「いいから私に任せて。私のフェラ、上手だって褒められるんだよ? ん……ちゅ、ちゅ……れろぉ……」
 亀頭に軽くキスを繰り返し、ねっとりと舌を這わせていく。確かに自分でも言う通り、奉仕に慣れている雰囲気は感じられた。
(これで二度目か……)
 立て続けに二度も、舞の級友である美沙に奉仕を受けてしまっている。別に舞に対して操を立てている訳ではないが、喜んで受け入れる気にはなれない。
 それでも体は正直なもので、美沙の濃厚なフェラチオに高まっていく。
「ぢゅるぅ……ぢゅ、ぢゅぷ……んぐ、んぐ……んぷぅ……れろ、れろ、れろぉ」
 上目遣いに黒川の反応を確かめつつ、濡れた唇と舌で亀頭を刺激する。年齢や雰囲気からは想像できないほど、その動きは淫らだった。
 瞬く間に股間のモノは隆々とそそり立ち、先端から先走りの雫を滴らせ始める。そのまま最後まで導くのかと思いきや、美沙は口元に微笑みを浮かべながら立ち上がり、スカートの中に手を入れてショーツを脱いだ。
 黒川もここまで昂ぶらされれば、続きを期待せずにはいられない。脱ぎ終えたショーツに広がった染みを見て、思わず生唾を飲み込んだ。
「ゴク……」
 美沙はそのまま黒川に跨ると、男性器に手を添えて導きながら、濡れた膣内へと受け入れていった。
「ん……んっ……はぁぁ……」
 亀頭が膣口を押し広げて潜り込むと、大きく息を吐き出しながら腰を回す。そうやって互いを馴染ませながら、ゆっくりゆっくりと腰を落とした。
 程よい締め付けと濡れ具合、そして何より温かな感触に包まれて、生々しい快感が腰の辺りに広がっていく。舞ほど複雑な動きは見せないが、十分に心地よい膣内だった。
 美沙はしっかりと腰を落として根元まで迎え入れると、黒川の首に腕を回すようにして抱きつき、頭を預けながらしな垂れかかっていく。
 そして黒川にだけ聞こえるような声で小さく囁いた。
「ごめんなさい、こうしないと話せないから……」
 耳元に届いた微かな声に驚かされたが、黒川は辛うじて表情を隠す事に成功した。この少女は早田達に聞かせたくない話があって、その為に自分を煽るような真似をしてみせたのだ。一瞬、それが罠かもしれないと疑ったが、美沙にそこまでする理由はない。そう判断した黒川は沈黙で答えることで、美沙の言葉の続きを促した。
「さとみは無事……アルバイト先に匿われてるから……安心して……」
「ああ……気持ちいい」
「話はそれだけ……後はバレないように、最後まで……ね?」
 確かに中途半端に止めれば疑われかねない。
「……そうだな、楽しませてもらおう」
 心の中で安堵の溜息を漏らしながら、黒川は美沙にそう答えた。さとみの無事が確認できたことで、少し余裕を取り戻したようにも見える。
 匿われているというアルバイト先をどこまで信用できるのかは分からないが、少なくとも今すぐ手を出される心配は無い。
 美沙はそれだけ伝えるともう用件は終わったとばかりに、本格的に腰を動かし始めた。さとみの事を伝えるのが目的であれば、本当なら中断しても構わないはずなのだが、それでは早田や山辺に疑われてしまうかもしれない。そういった理由があるのは事実だが、美沙は心のどこかで割り切ってしまっているのか、黒川との行為を楽しんでいる。
「んっ……んっ……んっ……奥まで……擦れるっ……!」
 黒川は無言でその快感を味わい、美沙の淫らな腰使いに全てを委ねていた。
 制服のスカートの裾を翻しながら、小気味よく腰を上下させていく。その度に濡れた膣内が男性器を擦り上げ、肉の擦れる淫らな音を響かせた。
「はぁっ、はぁっ……ぅんっ……あ……あぁっ、あぅんっ!」
 深く腰を落とし、亀頭が子宮口を叩くように腰を弾ませる。熱く疼いている膣奥に快感が走り、美沙の表情が蕩けていく。
 そのまま恥丘を擦りつける様に前後に動かしたり、快感を高める為の動きを美沙は自然に行っていた。
 口での奉仕もそうだったが、淫らな動きを体が覚えてしまっている。この短期間で純情だった少女がここまで淫らになってしまうのも、それだけ過酷な生活を送らされた証だ。
「あっ、あっ、あっ……いいっ、いいのっ……おまんこ感じちゃうよぉっ!」
 快感の高まりに合わせて美沙の乱れ方も激しさを増す。上下する腰の動きが速くなり、掻き出すように溢れ出した愛液が、黒川が拘束されている椅子に滴り落ちる。
 そんな姿からも、美沙が高まっている事は伝わっていた。
 荒い呼吸に肩を上下させながら、気持ちよくなる事だけに夢中になる。
 やがてその快感が限界を迎えると、美沙は切羽詰った声で黒川に囁いた。
「わたし……もうイキそうっ……! お願い、一緒に……一緒にイッて!」
 黒川に強くしがみ付いたまま、美沙は尚も激しく腰を上下に弾ませる。柔らかく蕩けた膣襞がしっかりと男性器に絡みつき、腰の動きに合わせて淫らに擦り上げていく。
 それは黒川に強烈な快感を与えるのと同時に、美沙自身にも快感となって返ってくる。
 だが、先に限界を超えてしまったのは黒川だった。美沙の激しく淫らな腰使いに屈して、そのまま膣内で果てる。
「くぅっ!」
 限界まで張り詰めていた男性器が震え、子宮へと熱い精液を注ぎ込む。その感触に背筋が震えるような快感を味わいながら、美沙も絶頂の叫びを漏らしていた。
「あ、ああっ……イク、イッちゃうっ! んんーっ……ふあぁぁぁぁっ!!」
 動きを止めた腰がビク、ビクっと震えて、美沙の表情が恍惚に染まる。そして絶頂に達した喜びを伝えるかのように、うっとりと黒川を見つめながら唇を重ねていった。
(舞……大丈夫かな……)
 美沙がどう扱われているのか舞が知る事はなかったが、美沙は舞の置かれた状況を全て知っている。自分自身も過酷な状況にあったが、それよりも舞の事が気になって仕方が無い。
 黒川に体を預けるようにして余韻に浸りながら、美沙は剛三の元にいる友達のことを思うのだった。


 剛三から美沙の件が上手くいきそうだと伝えられたのは、それから数日後のことだった。
 学校帰りに待ち合わせ、剛三の運転する車の助手席へと乗り込む。誰にも邪魔されず、そして話を聞かれる心配の少ない場所だ。
 学校からマンションへの道をゆっくりと走りながら、剛三は手短に状況を説明する。
「本当ですか?」
「ああ、私の好きにして構わんそうだ」
 連中にとって剛三の存在がそれだけ大きいということなのだろう。或いは美沙の存在に、もうそれほど価値を見出していないのかもしれない。
 ともかく、これで美沙を早田達の手から遠ざけられると、舞はほっと胸を撫で下ろした。
「よかった……」
 しかし安心したのも束の間、剛三が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、申し訳無さそうに言葉を続ける。
「しかし、あいつら条件を出しおってな」
「条件?」
「ああ……」
 条件を付けられるのは、舞も頭の片隅で予想していた事だった。それがどんな内容であれ、美沙を助ける為には受け入れるしかない。舞は言い難そうにしている剛三を促すように、力強く頷いた。
「私の仕込がちゃんと進んでいるかどうか、お披露目をしろと言ってきている」
「お披露目……ですか?」
 そう言われても、舞にはピンと来なかった。戸惑う舞に剛三が具体的な内容を説明する。
「連中の見ている前で客の相手をするんだ。まあ、それだけで済むかどうか分からんが」
 その言葉に舞は息を飲む。
 だが、お披露目の内容を聞かされても、その決意が揺らぐ事は無かった。
「……分かりました」
「いいのか?」
 実際にお披露目を経験したことがあるのだろう、剛三が心配そうに舞の肩を抱く。
「覚悟は出来てます……だから小父様、その……よろしくお願いします」
 傍らの剛三を見上げるようにして、舞はその頬を赤く染めた。
 お披露目を受ける覚悟は出来ているが、それを上手くこなせるかどうかは別問題だ。失敗して早田達に認められなければ、剛三に迷惑がかかることになる。何より、これは舞にとってもチャンスだった。
「私がしっかりと躾けられてると見れば、あの人達も油断すると思うんです」
「ふむ……確かにそうかもしれんな」
 もちろんそれは建前などではなく、早田たちを油断させる為に有効だと本気で考えてのことだ。しかし舞は気付いていなかったが、被虐的な性癖がそれを求めていたのも事実だろう。早田たちの目を欺くという理由があることで、無意識のうちに自分を誤魔化してしまっていた。
 そんな舞の心理状態を薄々と察していた剛三は、舞の考えに納得しつつ、自らの楽しみの為にその言葉を受け入れた。
「それなら、少し寄り道をするとしようか」
 そう言って剛三がハンドルを切った先は、舞も何度か訪れた事のある郊外の小さなホテルだった。


 部屋に入るなり、剛三は舞を抱き寄せて唇を奪う。舞の方から求めてきたことで、思いのほか興奮しているようだった。
「んっ……んちゅっ……んっ、んっ……んぷっ……んふぅっ……!」
 制服が皺になるほど強く抱きしめられ、荒々しく唇を吸われ舌を弄ばれる。息苦しさが限界を迎える寸前になって、剛三はようやく落ち着きを取り戻して唇を離した。
「ぷはぁ……はぁ……はぁ……もう、小父様……今日はちゃんと……その、躾を……」
 頬を赤らめながら舞が本題を切り出す。その言葉でようやく思い出したのか、剛三はばつが悪そうに苦笑いを浮かべた。
 そして改めてどうすればいいのか思案する。
 早田達が今回どんなお披露目を用意しているのか、それは剛三にも分からない。それに今の舞ならば、十分に高級娼婦を演じられる。
(後は、もう少し淫らに……)
 そう考えたところで剛三は口を開いた。
「まずは口でしてもらおうか……手は使ってはならんぞ」
「でも……分かりました」
 剛三の言葉の意味をすぐに理解したのか、舞は真剣な表情で頷いた。
「失礼します」
 剛三の足元に跪いた舞は、口だけを使ってズボンのファスナーを降ろしていく。そして口元を潜り込ませるようにして、下着の中から男性器を咥え出してくる。
「ん……はむ……んふ……」
 まだ半分ほどしか硬くなっていないそれを、横から咥えるようにして舐めていく。手を一切使わず、唇と舌だけを駆使して熱心に刺激を与え続けた。
「んちゅ……ちゅ、ちゅ……れろ……れろ……ん……んちゅ……ちゅぅ……」
 少しずつ血液が流れ込み、血管を脈打たせながら硬く勃起していく。それが自分の奉仕によるものだということに、舞は自分でも驚くほど喜びを感じていた。
 自分の父親と変わらない年齢の剛三を相手にしていても、嫌悪感のようなものは全く浮かんでこない。父親との関係が薄かったせいか、剛三と接していると素直な自分になれていくことに、舞は不思議な思いを抱いていた。
 黒川に抱かれていた時とも、山辺に抱かれていた時とも違う。全てを受け止めてもらえそうな安心感。それは舞が初めて感じる感覚だった。
 自分を感じて欲しい。そんな気持ちが溢れ出し、奉仕へと表れていく。
「ちゅ、ちゅく……んちゅ……じゅる……ずちゅ……ちゅぅ……んふ……」
 唾液を啜りながら舌を絡め、丹念に舐めしゃぶり上げる。色々な男達に教え込まれた技巧を駆使して、舞は心から剛三に尽くしていく。
「ああ……いいぞ……」
 愛情にも似た思いの込められたフェラチオ奉仕に、剛三も満足げに笑みを浮かべていた。力関係を盾にして一方的に関係を持つより、興奮も満足感も高まってくる。自分の置かれた状況を脱しようとする舞に、力になってやろうという気も強くなった。
 だが、もちろんそれだけではない。
 生まれも育ちも申し分なく、性格も頭脳も当然のように容姿も極上の美少女を、自分の欲望のままに味わい尽くす事が出来る。それはひとりの男として、この上ない悦びでもあった。
「ずちゅぅ……ぢゅる、ぢゅ……ぢゅぷ……ん……んっ……んぷっ……じゅるっ……!」
 剛三を感じさせたい、満足させたい。そればかりを考えて、舞は情熱的な奉仕を続ける。竿の部分だけではなく、袋のほうにまで舌を伸ばし、隅々まで丹念に舌と唇で愛撫していく。
 申し分の無いフェラチオ奉仕に剛三は満足げに頷き、更なる指示を与えていく。
「いつでも受け入れられるように、準備はしておくんだ」
「ん……」
 剛三のその言葉の意味を瞬時に理解し、舞は躊躇うことなく行動へと移す。
 跪いていた脚を軽く開くと、スカートの中へと片手を潜り込ませる。もう一方の手は制服のリボンを解き、裾から中へと潜り込んだ。
 唇と舌だけで熱心に男性器へと奉仕しながら、両手で自分の体を慰めていく。それは舞にとっても初めての経験だったが、自分が思う以上に巧みに行えている気がした。
「んっ……んっ……んっ……んぢゅぅ……ぢゅぅっ!」
 剛三の男性器をしゃぶりつつ、ショーツを少しだけ下ろして両手で愛撫する。その指使いも慣れたもので、自分の性感帯を知り尽くしている動きだった。
 自身の快感に溺れてしまうことなく、あくまでも剛三への奉仕を中心に繰り返す。喉の奥に当たるほど深く咥え、舌を絡めながら唾液ごと啜ると、細かい泡のようになった唾液が亀頭を刺激し、剛三がその快感に短く呻く。
「うむぅ……」
 もう何度も奉仕させてはいるが、今日の舞は特に積極的で、その奉仕の内容も情熱的だった。
 隅々まで舌先を這わせて舐め尽くし、恍惚とした表情で刺激を繰り返す。そんな舞の表情や仕草にも興奮を掻き立てられ、剛三は普段よりも早く高まってしまっていた。
 同時に、このまま口腔内で果ててしまうよりも、舞の胎内に注ぎたいという衝動が込み上げてくる。
 剛三はそれを堪えようとはせず、舞の頭に手を置いて動きを制すると、自分から腰を引いて男性器を抜いた。
「それくらいでいい。……今日はあまり時間がないからな、もう入れさせてもらうよ。服を脱いで横になりなさい」
「ん……はい、よろしくお願いします……」
 その言葉の裏に隠された剛三の意思を、舞は正確に理解していた。剛三の足元から立ち上がった舞は、恥じらいながらも躊躇わずに裸になる。そして促されるままにベッドの上で仰向けになると、可愛らしく恥じらいながら脚を開いてみせた。
 陰唇が充血し綻びかけた花弁は、既にしっとりと雫に濡れている。
「まだ触ってもいないのに、どうしてこんなに濡れてるんだ?」
 自分で指示を出しておきながら、剛三はわざとらしく尋ねる。舞は少しだけ剛三を恨めしく見つめたあと、それでも素直に答えていく。
「ご奉仕しながら……自分で弄って……オナニーしてました……」
 その言葉と同時に、新たな雫が零れ落ちる。剛三は割れ目の間を指先でひと撫ですると、その指を舞の目の前に突き付ける。
「こんなにいやらしく糸を引いて、本当にスケベな娘になったな」
「はい……ですから、もう……」
 堪えきれないといった様子で、舞は剛三を求める。剛三はその言葉に頷き返したものの、すぐに挿入しようとはしない。
「入れられる前は、必ずおねだりをするんだ」
 そう言いながら剛三は顔を近づけ、舞の耳元で囁いた。
 一瞬だけ戸惑いの表情を浮かべたものの、すぐに舞は小さく頷く。そして顔を真っ赤にさせながら、可憐な唇を開いた。
「私の……舞のおまんこ……可愛がって下さい」
 恥ずかしくて堪らないのに、剛三が喜んでくれると思うと口に出せてしまう。剛三が望むのなら、どんな淫らな言葉でも口に出せる気がした。
「どう可愛がって欲しいんだ?」
 互いに全てを理解した上で、言葉を使って刺激しあう。焦らすでも、辱めるでもない、それは一種の戯れのようなものだった。
 舞は羞恥に顔を真っ赤に染めながら、それでも更に大きく脚を開いて見せた。
「小父様の……おちんちんで、思い切り突いて下さい……乱暴に犯されたいの……」
 恥じらいを堪えながらそう訴える舞の姿に、剛三も興奮を抑えきれなくなる。舞の淫らなおねだりに応えて、愛液を滴らせている膣口へと、限界まで膨らんだ亀頭を押し当てた。
「よしよし、たっぷり啼かせてやるからな」
 豪放な笑みを浮かべながら、剛三ははち切れんばかりに勃起したものを、ゆっくりと舞の蜜壷へと沈めていく。たっぷりと透明な雫を蓄えた秘腔は、柔らかく広がって太く硬い男性器を受け止めた。
「くっ……ふぅ……んっ……んはぁっ……!」
 溜まっていた愛液を押し出しながら、膣襞を絡み付かせて進んでくる亀頭の感触。そして隙間なく埋め尽くされた膣内が、血管の浮き上がった太い茎に押し広げられる感覚に、舞は表情を恍惚に染めていた。
(小父様のが入ってくる……奥まで……届くっ……ああっ……!)
 膣襞の全ての感覚が伝わってくるように、強烈な快感が込み上げてくる。淫らな興奮を昂ぶらせていた舞は、その挿入だけで絶頂寸前まで達しようとしていた。
「はぁ、はぁ……だめ……だめ……」
 消え入りそうな声で何度も呟く舞。
 しかし剛三は容赦なく腰を引くと、今度は思い切り強く腰を突き入れた。
「くひぃっ……! あ、あぁ……ふあぁぁぁぁっ……!」
 たった一度の抽送。それだけで舞は軽い絶頂に昇りつめてしまう。
「あ……あ……くぅん……」
 恍惚とした表情でその余韻に浸りながら、無意識のうちに両脚を剛三の腰へと絡ませる。そして甘えたように鼻を鳴らすと、自分から剛三にキスをねだった。
 剛三は好色な笑みを浮かべてそれに応えると、ねっとりと舌を絡めながら出し入れを始める。
「おじさまぁ……あん……ん、んちゅ……ちゅ、ちゅぅ……」
 狭く締め付けの強い膣内を、大きく膨らんだカリ首が擦り上げる。その淫らな快感に腰を震えさせながら、舞は我を忘れて虜になっていく。
 清純な印象の見た目とは裏腹に、スイッチが入ってしまうと自分を抑えられなくなる。それはこれまでの過酷な生活が目覚めさせた、悲しい女の性だった。
 一時の快感に身を委ねてしまえば、その間だけは現実を忘れられる。肉体の快感に全てを委ねることで、壊れそうになる心を必死に支えてきたのだ。
 心を許し始めていた黒川が不在の今、もう弱い自分を見せられるのは剛三しか居ない。
(おじさまが悪い人でもいいの……だから私を……私を見て!)
 桜木家の長女としてではなく、学園のアイドルでもない。ひとりの女として、自分を包み隠さず知ってもらいたい。父親とも呼べる剛三との年齢差が、舞をそんな気持ちにさせていた。
「んんっ……んっ、んちゅっ……ぢゅ……ちゅ、ちゅ……んふっ……んんっ……!」
 自分からも積極的に舌を絡め、流し込まれる唾液を躊躇わずに嚥下する。そして剛直に貫かれる膣内の快感に、何もかもを忘れて没頭した。
「んっ……ぷはぁっ! お、おじさまっ……もっと! もっと突いてぇ!」
「こうかっ!」
 自身の年齢など忘れたかのように、荒々しく舞を貫いていく剛三。太く逞しい男性器を駆使して、少女を快感の虜にしていく。
 子宮口にまで届くような抽送を受け、舞の乱れ方も更に激しさを増す一方だった。
「あぁ……感じるっ、おじさまのが……届いてるのっ……あっ、あっ、あっ、ああっ!」
 剛三の体に指が食い込みそうなほど、思い切り強く抱き付く。それは少しでも密着していたいという気持ちの表れだ。覆いかぶさられていると、剛三の大きな体に舞は押し潰されそうになるが、その圧迫感さえ今は心地よかった。
 膣内を激しく掻き乱され、子宮ごと揺さぶるように貫かれながら、甘えた声を漏らす。

「おじさまので、ぜんぶ擦れちゃうのっ……あぁ、こんな……こんなのって……おかしくなりそうっ……」
 山辺を相手にした時のような、圧倒的な快感が体を包み込んでくる。膣内は甘い快感に蕩けてしまい、気持ちよすぎて涙が溢れそうになっていた。
「舞の中も、どんどん良くなってるぞ!」
 感情の昂ぶりがそうさせているのか、剛三の男性器も今までにないくらい強く締め付けられている。その中で激しく出し入れさせれば、当然のように二人の快感も強くなる。
 断続的にキスを繰り返しながら、二人は一気に限界まで高まっていった。
「くっ……このまま出すぞ!」
「出してっ……おじさまの精液、私の中に……注いでくださいっ……ああっ!」
 剛三の叫びに応えて、舞も膣内射精を懇願する。
 限界まで堪えながら激しく腰を動かし、剛三は射精感を高めていく。そしてそれが限界に達した瞬間、舞の膣内へと解き放った。
「むぅっ……!」
 太く逞しい男性器が力強く脈打ち、勢いよく熱い精液が注ぎ込まれる。それは子宮を満たすだけでは飽き足らず、男性器が隙間なく埋め尽くす膣内にも広がっていった。
「ふぅ……」
 疲れたように息を吐き、余韻を味わいながら腰を動かす。達したまま敏感になっている舞は、その動きにも反応してしまい、甘えるような声を漏らした。
「くぅん……はぁ……おじさまぁ……」
「まだ欲しいのか?」
 自身もまだ萎えない欲望を抱えていながら、剛三は舞を辱めるように言葉で煽る。舞は少しだけ恥らうような仕草を見せた後、小さな声で呟いた。
「……はい、欲しいです」
 その言葉に満足げに頷くと、剛三は少しずつ腰の動きを加速させ始めた。


 お披露目の練習という建前で、今までになく激しく行為を交わした後、二人はその余韻の中で互いを感じ合っていた。
 ベッドの上で胡坐をかいた剛三に跨り、舞がゆっくりと腰を上下させている。それは快感を貪るための動きではなく、繋がっている事を確かめるような動きだった。
「あ……んっ……はぁ……んん……」
 剛三は余裕のある表情でその感触を楽しみながら、緩やかに上下している舞の尻を撫で回す。
「んはぁ……んふ……ねぇ、おじさま……」
「ん?」
「美沙ちゃんとも……こんなふうにしてたんですか……?」
 無意識のうちのことだったが、それは軽い嫉妬のようなものだった。でも、それが剛三に対してなのか、美沙に対してなのかは分からない。ただ二人の関係がどんなものだったのか、気になって聞かずにはいられなかったのだ。
「んー……まあ、そうだなぁ……」
 剛三としては、正直に答えられない部分もある。
 お気に入りだっとはいっても、幼い頃から知っている舞とは意識の仕方が異なり、完全に遊びとして相手していたのだ。それを正直に言ってしまうと、舞がどう反応するのか分からない。
 そんな剛三の心理を察したのか、舞は剛三の肩口に顔を埋めると、甘えるような声で呟いた。
「やっぱりいいです……でも今だけは私のおじさまですよ?」
「舞……」
 幼い嫉妬心を垣間見せた舞に口元を綻ばせ、剛三は舞の腰を抱くようにしてそのままベッドに押し倒した。
「あんっ……」
「当たり前だ。今日はチンポが蕩けるまで、思い切りハメてやるぞ!」
「もう……下品ですよ、おじさま……うふふ」
 まるで初々しい恋人を手に入れたような気分になりながら、剛三は持ち前の獣欲を滾らせていった。


「さて、どうするかな……」
 剛三の申し出に対して返答した後、早田は思案げな表情を浮かべ呟いた。桜木舞の調教具合を披露してもらうと言ってはみたものの、具体的にどうするという決まりがある訳ではない。
「どうしたんすか?」
 しかし山辺にそう尋ねられた時には、頭の中に既に邪な企みが浮かび上がっていた。
「……哲哉はどうしてる?」
「黒川さんすか? 大人しくしてますよ。やっぱ身内に手を出されるのは辛いんすかね」
 山辺はそう言って下品な笑い声を漏らした。
 偶然手に入った『黒川さとみ』というカードは、早田の予想以上に効果を発揮した。さとみが黒川の従妹である事は後から調べて分かったが、どうやらそれ以上に何か関係があるらしい。しかし、黒川が早田の言葉を受け入れた今、既に興味の外にあった。
 さとみに手を出さないという条件で、黒川哲哉は早田に膝を屈する道を選んだ。そうすることで、これ以上は舞を追い詰められずに済むという計算もある。
 黒川が本気で舞を諦めたとは、早田も思ってはいない。しかし現実を突きつけてやることで、いずれ本気で諦めさせられると確信していた。
(どんな女になったのか、自分で確かめればいい……なあ、哲哉)
 黒川の反応を思い描きながら、口元を歪めて無意識のうち含み笑いを漏らす。しかしすぐに気がついて笑みを殺すと、ようやく気がついたように山辺を眺めた。
「出かけるのか?」
「へへ、お散歩の時間なんで」
 そう言って山辺は隣に立つよし子の腰を引き寄せた。
「ぁ……」
 白いニットのセーターにミニスカートという、とても普段の姿からは考えられない服を着せられ、よし子はしきりに短いスカートを気にしていた。しかし、それはただ丈が短いスカートに不慣れだからではない。
 スカートの上から恥らうよし子の尻を撫で回してから、そのままスカートの中に手を潜り込ませる。するとそこにはショーツの感触ではなく、素肌の感触がある。よし子は山辺の命令で、下着を一切身に着けない生活を送らされていた。
 山辺に処女を奪われ徹底的にセックスの快感を教え込まれたよし子は、露出調教という段階に入っていた。
「そうか。遊んでないで、さっさと仕上げろよ」
「了解ッス」
 普段はアップにしている髪も解かれ、昼間の教師としての姿とは対照的に、女を強調するような姿をさせられたよし子。その顔に戸惑いと恥じらいが浮かんではいるものの、山辺や早田に逆らおうとする意思は感じられない。
 舞が密かに逆襲の手を打とうとしている間にも、女達はもう引き返せない所まで追い込まれようとしていた。

<つづく>
 

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