[銀の堕落]

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[銀の堕落]

 それは、ディードリットがパーンを連れてロウルの砦を脱出して数刻後のこと。

「……様、ロウル様……」
 誰もいなくなった地下牢で、ピロテースが自らの手で殺めた男を揺り動かしていた。
 その周囲には幾つもの血だまりがあり、ダークエルフ達が動かぬ屍となっていた。その顔には一様に驚愕と毒による苦悶の表情を浮かべており、その死が突然に、しかも苦痛を持ってもたらされたことを示している。
 周囲を埋める仲間の死体……しかしピロテースはそれに一切構うことなく、横たわったロウルのたるんだ肉体を揺らし続けていた。
 ……やがて。
「ぅ……む……」
 ゆっくりと肌に血色が戻っていき、ロウルは一声呻くと、気怠げに体を起こした。
 ピロテースが肢体を密着させるようにして男を支える。
「ディードは……行ったか……?」
「はい……」
 大きく前の開いた服から覗く乳房を男の胸板に擦り付けながら、ピロテースはロウルの耳元に唇を寄せ、応える。
 そしてそのままロウルの耳たぶにキスすると舌を差し出し、ぴちゃぴちゃと舐め始めた。
「ふふ……戻ってくると思うか?」
 自分の耳に丹念に舌を這わせ、胸に乳房を擦り付けて奉仕するダークエルフの腰に手を回し、スカートの中に手を無造作に差し入れながら、ロウルはにたりと笑った。
「必ず……。あの娘は、私以上にご主人様の精を受けていますもの……あの自由騎士をどれだけ愛していようと、体がご主人さまを忘れない……んっ……」
 囁きながら、ピロテースはロウルに唇を差し出した。微かに開いた唇から舌がちろちろと顔を出し、男を求めるように蠢く。
 その唇を傲慢な動作で塞ぎ、唾液をたっぷりとのせた舌を口膣に差し入れる。ピロテースはそれを躊躇わず受け入れると自らの舌を男の舌に絡ませ、唾液を丹念にかき取っては喉を鳴らして呑み込んでいく。
 そこに先程見せたロウルへの怒りや蔑みの色は微塵もなく、ただ男に従属し奉仕することへの喜びだけがピロテースを満たしている……ように見えた。
「しかし……なかなか強く締めたものだな。本当に殺されるかと思ったぞ」
 唇を離すと、ロウルはそう言って首筋を撫でる。そこにはうっすらと……先程ダークエルフがつけた糸の跡が残っていた。
「ぁ……も、申し訳ありません、ご主人さま……」
 男の首筋へと、ピロテースが切なげに歪む美貌を寄せる。そのまま、美貌のダークエルフは犬のように舌を出し、ロウルの首筋についた糸の跡に這わせはじめた。
 ……ちゅ、ぴちゃ……ちゅ、ちゅる……ぺちゃ……。
 子猫がミルクを舐めるような湿った音が、地下牢に響く。
 何度も擦りつけた為に服からこぼれ出てしまった乳房を押しつけ、とろけるように甘い掌で肉棒を包み込みゆっくりと扱き、桜色の舌を首筋に這わせる。
 ピロテースの全身を使った奉仕を楽しみながら、ロウルはスカートの中に差し入れた手をゆっくりと奥に伸ばした。きめ細かく弾力のある太股の感触を味わい、薄い布地に包まれた秘唇を布越しに弄ぶ。
 ディードと同じく装飾を施された絹の下着は溢れる蜜を吸い、肌にぴったりと吸い付いてピロテースの秘唇の形を露わにしていく。
 そこをロウルの指が這い、ピロテースの性感を更に刺激する。
「……ひぅぅっ!」
 絹越しに肉芽に爪を立てられ、ピロテースは顔を仰け反らせた。
 腰まで届く銀髪が大きく空を舞い、汗が雫となって男の体に降り注ぐ。
 それを好色な表情で受け止め、ロウルは自らの奴隷に次なる命令を下した。
「そこに手をつき、尻を向けろ」
「……はい……ご主人さま……」
 男の命令に、ピロテースはゆっくりと体を起こした。快楽にふらつきながらも壁に手をつくと、肩幅ほどに脚を開き、主人に向けて尻を突き出す。
 口元に笑みを浮かべつつ立ち上がると、ロウルは汗に濡れ光る褐色の肌を撫で回しながらゆっくりと下着を剥いていく。粘りけのある愛液の糸を引きながら下着は太股半ばまで剥き下ろされ、ピロテースの全てが男の眼前に晒された。
 銀色の茂みは綺麗に剃り落とされ、隠すものを失った秘唇は微かに開いてサーモンピンクの内奥からじくじくと蜜を溢れさせている。
「ククク……よい尻だ……」
 男を誘う淫蕩な香りをかぎながら、ロウルはねっとりと褐色の尻を撫で上げた。
「ひっっ……」
 ピロテースの尻がくねり、秘唇からぴゅるっ、と愛液が吹き出る。
 汗でしっとりと濡れた肌の感触を味わいつつ、ロウルは両手でピロテースの尻肉を掴み、ゆっくりと左右に広げた。
「……ぁ……」
 愛する男にすら見せたことのない部分に風を感じ、ダークエルフの顔が羞恥に染まる。それでも尻を引こうとはせず、羞恥に染まりながらもむしろ主人に捧げるように尻を持ち上げていく。
 ピロテースの従順な態度に満足げな笑みを浮かべながら、ロウルは秘唇から溢れる蜜を指に絡めると、露わにされた尻穴へ塗り込めるように這わせた。
「あぁっ……!」
 始めて味わう感触に、ピロテースの尻が逃げるように左右に揺れる。その動きを楽しみつつ、ロウルはゆっくりと尻穴をほぐしていく。
「ふふ……儂の指を求めてひくついておるわい……尻穴を責められるのがそれ程良いのか?」
「そ、そんな……事っ……」
 男の言葉に、ピロテースの表情が羞恥と屈辱に歪む。
 その横顔に好色な視線を注ぎつつ、ロウルはピロテースの尻穴に人差し指をずぶり、と挿し入れた。
「くあぁぁ……っ!!」
 ピロテースが苦しげに眉根を寄せ、背が反り返り銀髪が揺れる。
 しかし、苦しげな表情とは裏腹にピロテースの尻穴は男の指を拒むことなく蠢き、むしろ奥へと引き込むような動きをみせていた。
「あっ……そ、そんなっ……そんな処っ……!」
「良いのだろう……? 痛いくらいに儂の指を締めつけおって……」
 ロウルがゆっくりと出し入れを始める。
「いっ、ひっ、ひぁっ……! あっ、あくっ……うくぅっ……!!」
「ほれ……素直になるがよい……お前は儂のものになったのではないのか……?」
「……っっ!!」
 ピロテースの顔が苦渋に歪む。
「それとも……あの黒騎士殿がどうなっても構わんのか……?」
「く……っ……」
「儂の口添えがなければ、バグナード様も敢えて動きはすまい……それでもよいのか?」
「……」
「この尻を捧げ、儂の奴隷となるだけで……貴様の黒騎士殿は助かるのだぞ……?」
 尻穴を指で弄びながらピロテースの逡巡する姿を眺め、ロウルは口元を歪めた。

 ……子飼いの密偵がもたらした、暗黒司祭ショーデルとダークエルフの長ルゼーブによる、黒騎士アシュラムの暗殺計画。
 ロウルはピロテースにこの情報を告げ、「取引」を持ちかけた。
 ――貴様が未だ儂に反抗の意志を持っていることは判っておる……。ダークエルフの里と密かに連絡を取っていることも、な……。
『……!?』
 ――儂を殺すならそれもよい。だが、ショーデル殿とルゼーブ殿によるこの計画……儂を殺し、貴様が戻ったところで止めることは出来まい……? 儂の上司であるバグナード殿が動きでもすれば別だろうが、な。そして、バグナード様は今のところ静観する構えでおられる……自由軍の動きが大人しくなり、今や黒騎士殿でなくともカノンを押さえることが出来ると睨んでおられるのでな……。
『…………』
 ――自由軍が大人しくなったのは、自由騎士とディードリットが姿を消したがゆえ……このままであれば、貴様の愛する黒騎士殿は……。
『……何が、望みだ……』
 ――取引をしようではないか。貴様が条件を呑めば、儂はあの自由騎士とディードリットを開放しよう。その上でバグナード様に黒騎士殿暗殺の動きを押さえて頂くようお願いしてもよい。二人が自由軍に戻ってしまえば、奴らに対抗するためにも黒騎士殿には生きていてもらわねばならんからのう……。
『何が望みだと言っている!』
 ――簡単なことじゃよ……儂の奴隷になれ。儂のモノとなり、その身体を捧げるならば……黒騎士殿を助けるよう動いてやろう。貴様を黒騎士殿の元へ返してやってもよい……もっとも、その時には儂の砦との連絡役にでも就いてもらうがな。
『…………』
 ――どうする……? 儂を殺し、愛する黒騎士殿の死体を目にするか……?
『……な』
 ――うん?
『……私が貴様に服従すると誓えば……確かに、アシュラム様の為に動くのだな……?』
 ――無論だ。黒騎士殿が謀殺されることのないように手を尽くしてやろう。儂は契約を違えはせんよ……貴様が裏切らぬ限りはな。もっとも、貴様の推測通り、暗黒司祭の手でも借りぬ限りは首輪を外すことも出来ぬ貴様が儂を裏切るとも思えんが……な。。
『…………判った……』

 そして、パーンとディードリットを逃がすべく一芝居打ったのだ。
 無論、パーンとディードリットにはこちらの思惑通り動いてくれるよう、心身に幾つかの仕掛けを施してある。
 計画通り、ディードリットはパーンを連れて砦を出た。部下には二人を見逃すよう密かに命じているので、余程のことがない限りディード達は自由軍と合流するだろう。そうなれば自由軍もその勢力を再び盛り返し、マーモがカノンを押さえ続けるには黒騎士アシュラムの力が不可欠になる……。
 そして、ピロテースは愛する男のため、この醜悪な男の奴隷となって服従しなければならなくなった。
 アシュラムにすら見せたことのない尻穴を男に晒し、そこを捧げることを服従の証として……。
「っ……うっ……くぅ……ぅぅん……っ……!」
 ロウルの指で尻穴を犯されながら、ピロテースは屈辱と快楽の狭間で揺れていた。
 自分の肉体をただ欲望のために弄び、そのためには愛するアシュラムまで利用する男への嫌悪と怒りが心に沸き上がる。
 しかし、尻穴を犯す指は怒りすらかき消す快楽を与えてくる。
 薬と首輪によって開発された肢体は男によって与えられる快楽を進んで受け止め、むしろ更に貪ろうと蠢きだす。
 それでも、以前のピロテースであれば快楽に耐えることが出来た。
 自分を弄んだ男に復讐し、愛するアシュラムの元に還る……その想いが、快楽に溺れきることをぎりぎりで阻み、男に服従することを拒み続けてきたのだ。
 だが……今は。
「……ぃ……」
「ん?」
「……いいっ……お尻、気持ちいいのぉっ……!!」
 決壊した堤防から水が溢れるように、ピロテースは激しく喘ぎ始めた。
 深く挿し入れられた指が抜けないよう尻穴に力を込め、激しく尻を振り立てる。
「ひっ、凄いっ……お尻が、お尻がっ……!!」
「気持ちいいのか?」
「はっ、はいぃぃっ……気持ちいいですっ、ご主人さまの指でお尻犯されて気持ちいいんですぅっ……! あっあくっあひっ、も、もっと掻き回して下さいぃぃ……!!」
 もはや欲望を堪えることもなく、ピロテースはひたすらに快楽を貪り続ける。
 その目尻には涙が浮かび、切なげに開かれた唇からはピンクの舌がのぞく。
 初めて味わう尻穴からの刺激に溺れ、泣きじゃくるような喘ぎをあげながら、ピロテースは絶頂の階段を駆け上がっていく。
 だが。
「あぁぁぁっっ……っ……!?」
 男は寸前で責めを止めると、尻穴から指を引き抜いた。
 達する直前でお預けをくらい、ピロテースが悲痛な声をあげる。
「そ……んなっ……! ご、ご主人さま……どうしてっ……!?」
「ククク……そう慌てるな……指よりも良いものをくれてやるわ……」
 恨めしげな視線を向けるピロテースに見せつけるように、ロウルはいきり立った己の男性器をしごきたてた。
 それが目に入った瞬間、ピロテースの美貌が喜色に包まれる。
「さあ、ピロテース……儂のモノが欲しければ、何をすればよいか……判るな?」
「……」
 ロウルの言葉に無言で頷くと、ピロテースは壁から手を離し、身体を前に倒した。
 両肩を壁に押しつけて身体を支え、高く尻を掲げた恰好になると、そのまま尻肉に両手を添えてゆっくりと左右に開く。
 一度は隠された尻穴が、今度はピロテース自らの手で男の眼前に晒された。
 愛液を丹念に塗り込まれた尻穴はてらてらと濡れ光り、息づくように収縮している。
 男の視線が尻穴に注がれるのを痛いほど感じながら、ピロテースは壁に押しつけられた美貌を懸命にロウルの方に向け、おずおずと桜色の唇を開いた。
「私、ピロテースは……ご主人さまの奴隷でございます……その証として……この、尻肉の処女をお捧げ致します……どうか、ピロテースの尻穴を犯して下さい……」
 誇り高いダークエルフが自分に屈服し、尻処女を捧げるべく自ら懇願している……男の支配欲と嗜虐性を満たす光景に、ロウルは下碑た笑みを浮かべながら、更なる言葉を要求した。
「儂の奴隷として、いついかなる時でも儂の命令に従うことを誓うのだな?」
「はい……ピロテースはご主人さまの奴隷として、いついかなる時でもご主人さまのご命令に従うことを誓います……」
「ならば……この身体は儂のモノだな?」
「……はい……私の身体は……ご主人様だけのモノです……」
「儂のモノか……ならば、儂の許可なくこの身体を他の男に使わせるな。……無論、あの黒騎士殿にもな……」
「……っ」
 ピロテースが一瞬息を呑む。しかし、もはや逃れるすべがないことを悟ったのか、美しきダークエルフは震える声で自らの主人の命令に従った。
「…………わかり、ました……ご主人さまの許可なく、私の体を他の男に使わせることは致しません……アシュラム様にも……使わせはしません……」
「ククク……よかろう。だが、儂も鬼ではない……黒騎士殿には、唇までは捧げることを許してやろう……黒騎士殿ならばそのような事もなかろうが……万が一、それ以上を求められたのならば拒むのだぞ」
「……は、はいっ……あ……りがとう……ございます……ご主人さまっ……」
 感謝の言葉を紡ぎながら、ピロテースは誘うように突き出した尻肉を左右に振った。
 その動きで秘唇に溜まっていた蜜が溢れ、幾筋にも分かれて太股を垂れてゆく。
「……お、お願いします……どうか、私の、ピロテースの尻穴を犯して下さいっ……私を早く……ご主人さまの、ご主人さまだけの奴隷にっ……奴隷に堕として下さいっ……ご主人さまだけに全てを捧げる……ご主人様だけにお仕えする奴隷にっ……!!」
「この身体は儂だけのモノだな?」
「はいっ……! ピロテースは、身体もっ、心もっ、全てご主人様のモノですっ……!」
「貴様の全てを、儂の好きなようにしてよいのだな?」
「して下さいっ……! いつでも、どこでも、唇も、おっぱいも、おま×こも、お尻もっ……ご主人様のお好きなようにお使い下さいっ……!! わ、私は……ピロテースは、ご主人さまにこの身体とっ、心をっ……しょ、生涯捧げることを誓いますっ……ですから、ですから……っ……どうか、契約の証に私のお尻を……尻穴を、ご主人様のモノで貫いて下さいぃぃっ……!!!」
 頬を染め、尻を振り立てながらロウルの奴隷となることを何度も誓うピロテース。
 その痴態に満足げな笑みを浮かべ、ロウルは自らの男性器をピロテースの尻穴にそっとあてがった。
「よかろう……これが奴隷契約の証じゃ……」
 すっかりほぐされ、快楽にひくついているピロテースの尻穴は容易く先端の侵入を許してしまう。その感触をしばし楽しみ……ロウルは一気に体重をかけた。
「しっかり受け止めよ……っ!!」
「!!! ぎっ、ぎひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ……!!!!」
 ロウルの長大な男性器が、ピロテースの尻穴を広げながら腸の奥深くへと押し込まれていく。下腹部全てを埋め尽くすような圧迫感に呻きながらも、ピロテースは尻肉を更に広げ、男性器を迎え入れるような動きを見せる。
「おぅおぅ……凄まじい締めつけだのう……絞り上げてくるわい」
 あまりの締めつけに顔をしかめつつ、ロウルは痺れるような快感に腰を震わせた。
 膣と違い絡みつくような肉襞はないが、強い締めつけにより腸壁は男性器にぴったりと密着し、押し返すように蠢いている。
 その感触を楽しみつつ、ロウルは根本まで男性器を埋め込んでいった。
「ほれ……全て入ったぞ。これで、ピロテースの尻は儂のモノじゃ」
「……ぁ……ぁぁ……」
「返事はどうした?」
「……ぃぎぃぃぃっ……!!」
 ロウルが微かに腰を動かし、その衝撃でピロテースが声をあげる。
「は、はいっ……私のお尻はご主人様だけのモノですっ……わ、私の尻穴をお使い下さって……あ、ありがとう……ございますぅ……っ……」
 荒く息を吐きながら、ピロテースは自ら尻を振って主人への感謝を述べた。
 僅かな動きでも全身に響く、痛みとも快楽ともつかない衝撃に眉根を寄せながら、それでも主人を悦ばせるべく自らの尻穴で奉仕を始める。
 ゆっくり揺するように、ピロテースの尻が前後に動く。尻を引く度に広がりきった尻穴からロウルの長大な男性器が顔を覗かせ、押しつける度にずぶずぶと尻穴に消えていく。
 それを何度も繰り返していくうちに、ピロテースの唇からは快楽の喘ぎが零れだす。
「あっ……んっ……んんっ……ふ……ぅ……んん……んきゅっ、んくぅ……」
 尻の動きもスムーズになり、ただ出し入れするだけの動きから腸壁に男性器を擦り付けるような円を描く動きが加わっていく。
 エルフの華奢な肉体、それも本来男性器を受け入れる筈のない尻穴をロウルの人並外れた男性器で犯すのは本来破壊行為に近い。しかし、秘薬と首輪によって快楽を躾けられたピロテースの肉体は悲鳴をあげながらもそれを受け入れ、そして急速に順応し始めていた。
「クク……ほれ、もっと尻で儂を味わうがいい……『乱れ、刻みつけよ……我への奉仕こそ汝の快楽なり』……」
「……あぁっ!? ひっ、ひっひああっっ……ああぁぁぁぁっっ!!」
 ロウルが下位古代語で呟く。
 同時にピロテースは尻穴から沸き上がる快楽に腰を震わせ、最初の絶頂を迎えた。
 膣口が激しく収縮し、びゅっびゅっと勢いよく蜜が吹き出す。尻肉がきゅっと引き締まって男性器を強く締めつけ、腸壁は激しく蠕動運動を行いながら男性器に絡みつく。
 それでも、ピロテースは自ら腰を振り立てることをやめなかった。
 激しく尻をくねらせ、腸壁に擦りつけ、自らの肉体で男に快楽を捧げようと奉仕する。
 その動きひとつひとつがピロテースの性感を更に燃え滾らせ、より高い絶頂へと導いていく。
「フハハハハ……ピロテースよ、儂のモノがそんなにいいか?」
 激しく乱れ狂うピロテースを楽しげに眺め、エルフにしては豊かに張った乳房を絞るように揉み込みながら、ロウルは快楽にうわずった声で勝ち誇った笑いをあげる。
「いっ、いいのっ! 凄い……ご主人さまのがいいのぉっ……! ピロテースはご主人さまのモノですっ、ご主人さまのモノでしか感じない、ご主人様専用の性処理牝奴隷ですっ……す、凄いのぉぉっ……!!」
「クハハハハハ! そうか、儂のモノでないと感じないか! あの、アシュラムの小倅よりも儂のモノがいいか!」
「はいっ……! アシュラムより……ご主人さまのっ、ロウル様の方がずっと……ずっとイイですっ!! ピロテースはご主人さまでないと感じないんですぅ! ご主人さまにご奉仕することだけが幸せなんですうっ! ですから、ですからぁっ……!」
 叫び続けるピロテースの脳裏に一瞬、ある男の姿が浮かび……絶頂の白い輝きにかき消された。
「どうか、どうかピロテースをご主人さまの奴隷として永遠にお使い下さいぃぃっ!!」
「クハハハハハ! よかろうっ、お前を儂の性処理奴隷として永遠に使ってやるわっ! それ、イくぞっっ、受け止めろっ!!」
「あぁっ! 下さいっ! 私のお尻にご主人さまの精液を注いで下さいっ……!!」
 目の前にぱちぱちと七色の火花が散る。
 腰を振り、尻をくねらせる度に意識は高く高く沈んでいく。

(――――様……)

「いっ、いいっ、いいのっ!! イく、イくっ、いくうぅぅぅ……っっ!!!!」
 頬を伝う涙が絶頂を極めた随喜の涙なのか、それともそれ以外の理由によるものなのか……それすら判らず、ピロテースは尻穴に男の精液を注がれながら、意識を失うまで達し続けた。
 …………。
 ……。

 月が、ベッドを照らしていた。
 ちゅぷちゅぷという湿った音が寝室に響く。
 ベッドの上にはロウルが胡座をかいており、その股間には全裸となったピロテースが横からしゃがみ込むようにして顔を埋め、舌と唇を使って男性器に奉仕している。
 ロウルの片手には羊皮紙の束が握られ、もう一方の手はピロテースの尻に伸びて、白濁液混じりの蜜をとろとろと吐き続ける尻穴と膣を指先で弄んでいた。
 その量からも、ピロテースが長い間この男に奉仕し、責め立てられ啼かされ続けていた事が観て取れる。
 ロウル自身、大陸から取り寄せた様々な秘薬を服用している為、その精力は並みの人間を遙かに越える。しかもそれはピロテースを奴隷としてからますます高まり、もはや彼女一人だけでは何度も失神を繰り返しながらでなければ受け止めることが出来ないほどになっていた。
「ここのところ……カノン自由軍はかなり活発に動いているようだな……だが、ルゼーブやショーデルが黒騎士殿の謀殺を控えるほどではない……」
「……んん」
 男性器を中程まで咥えたまま、ピロテースが上目遣いに「主人」を見上げる。
 今のピロテースはロウルの統治する街の監査役となっており、月に数度、アシュラムへ報告に赴く以外はこの砦に滞在している。しかしその実体はロウルに使える奴隷であり、無尽蔵とも言える男の欲望に奉仕しながら、ロウルが行う様々な裏の活動にまで手を染めさせられていた。
 ピロテースの進言により、アシュラムも本来バグナード配下であるロウルの助言を聞き入れ、政策に活かすようになっている。信用はしていないが、その能力は役に立つ……アシュラムの評価を、ピロテースは子細漏らさず主人であるロウルに伝えていた。
「そろそろ……頃合いのようだな。黒騎士殿の為にも、自由軍にはもう少し勢力を増してもらわねばならん」
「……それでは……」
 唇を男性器から離し、ピロテースが呟いた。
「動くのですか……ご主人さま?」
「ああ……自由軍への繋ぎは既に済んでおる……あとは、かの自由騎士殿とハイエルフの令嬢を迎え入れるだけだ……」
 ディードリットの肢体を思い出したのか、ロウルは下碑た笑みを浮かべた。
「また、二人揃って可愛がってやるぞ……嬉しいか、ピロテース?」
「……はい……また、私とディードリットの二人に、ご主人さまのお体のご奉仕をさせて下さいませ……ん……」
 ピロテースは緩やかに微笑むと、再びロウルの男性器を口に含んだ。
(あの娘も……再び、この男のモノに堕ちてしまうのか……)
 ダークエルフの心に、ディードリットへの憐憫が浮かぶ。
 この男の仕掛けが働いているならば(そして、それはほぼ間違いないのだが)、この砦へと舞い戻れば、今度こそあのハイエルフの娘はロウルの……この醜悪な男の奴隷として、男の命が消えるまで服従し続けなければならなくなる。
 欲望の処理に弄ばれ、様々な汚れた行いにも手を染めなくてはならなくなるのだ。
(それでも……)
 ぬぷぬぷと抽送を繰り返しながら、ピロテースは心の中で呟いた。
(それでも、きっと……あの娘は幸せに思うのだろう……心で、愛する男を想いながら……あの方の為だと、そのために自分はこの身を犠牲にしているのだと、自らを納得させて……快楽に身を任せる自分に、言い訳をして……)
 ――私のように。
「いくぞ……顔で受け止めろ」
 ロウルの命令に、ピロテースは男性器から唇を離し、先端を舌でくすぐりながら両手を使って扱きたてた。
 すぐに亀頭が大きく膨らみ、先端から大量の白濁液が吹き上がる。
 その全てを顔に塗りつけるようにして受け止め……ピロテースは、絶頂を迎えた。


[to be continued...]


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