[灰色の虜囚]
※当作品はoru氏の執筆された作品です。
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[灰色の虜囚] ――0―― 闇の中で、男は呻いていた。 流れる血。 断末魔の声。 失せていく体温。 怒号と喧噪が続き、そして遠ざかっていく。 残ったのは静寂。 周囲に音はなく、そして男自身からも次第に音が消えていく。 そして、男は自らの体から何かが抜け落ちていくのを感じた。 それは魂が肉体を離れていく感覚。 死へと近づいていく感覚。 だが、男はそれを感じ、薄れゆく意識の中で。 嗤った。 (……そうだ……たとえ復活の保証があったとしても、お前はこの体を捨てざるを得まい。死が、お前の加護と制約を働かせる引き金である以上はな……) それこそが男の見いだした抜け穴であり、唯一賭けるに値する勝機だった。 (これで、この体は俺のものだ。だが……お前が俺から奪った時間は決して忘れん……) 意識が暗黒へと溶けていく。 (この復讐は必ず果たす……どれほどの時間がかかろうとも、な……その為に……) 闇は深く濃く、男の意識はどこまでも沈んでいく。 (……貴様が溜め込んできた知識……せいぜい、使わせて貰うぞ……) やがて魂が闇に溶けていき、最後の意識のかけらが四散する。 最後の瞬間、男が呟いたのは自分の名前だった。 5つの時より十数年……死の直前まで使い続け、今の地位を手に入れた名前。 だが、これから先はそれを名乗ることはない。 男はもう、その名前で呼ばれたものではないのだから。 「……フィオ……ニス……」 死の静寂が、累々と死体の転がる宝物庫を包み込む。 だが、男の顔は勝利の笑みに歪み……ゆっくりと、血の色を取り戻し始めていた。 ――1―― ちゅ……ぴちゃ……ちゅぷ……。 「あ……んっ……んん……」 濡れた肉が体を這う。 「ふぁ……んんん……はむん……ちゅ」 高窓から差し込む月明かりが白い肌を蒼く染め、銀の髪を鈍く照らす。 巨大なベッドのほかには何もない部屋だった。 ドアもひとつしかなく、窓も明かり取りの高窓がひとつあるのみ。ほとんど真闇に近いその中で、ディードリットとピロテースは主人への奉仕に没頭していた。二人のエルフが身に付けているのは、首輪のほかは二の腕までを被う絹の長手袋とガーターストッキングのみ。そして首輪からは細い銀の鎖が伸び、その端はロウルの左手に填められている腕輪へと繋がっていた。 「んんっ……ぢゅ……ん……ご主人様……」 「はぁっ……んっ……ご主人さまぁ……」 ロウルの腹に乳房を押しつけるようにして、ディードリットとピロテースは啄むようにロウルの胸に舌を這わせる。更に、黒と白のガーターストッキングに包まれた下肢を主人の足に絡ませ、無毛の肉丘を膝に擦り付けては、男の脚を溢れ出る蜜液で汚していく。 柔らかく弾力のある脚肉と、滑らかな絹の感触を同時に堪能しながら、ロウルは左手を微かに動かした。腕輪と鎖が擦れ合い、ちゃりちゃりと小さな音が鳴る。 「……はい……ご主人様……」 「畏まりました……ご主人さま」 それが何らかの合図だったのか、2人のエルフは柔らかな微笑みを浮かべ、頷いた。 ディードリットは黒の、ピロテースは白の長手袋に被われた手を恭しく主人の男性器へと添え、ねっとりと指先を絡めていく。 絹で被われたしなやかな手指で優しく扱かれ、既に半ば以上屹立していたロウルの男性器は一気にいきり立った。 「……ご主人様の……逞しい……」 血管の浮き出た茎胴を黒絹の指先で撫で扱き、ディードリットは熱い吐息を漏らす。 「んぅ……ふぅ……くぅぅん……んっ……」 ピロテースは鼻にかかった声をあげながらロウルの首筋に顔を埋め、子犬のように舌を這わせている。その掌は白絹の手袋越しにロウルの袋をそっと包み、やわやわと揉みほぐしていた。 ハイエルフとダークエルフ……姿を見ることも稀な美しき妖精をふたりも侍らせ、奉仕させる。その快楽にロウルは下卑な笑みを浮かべ、右手をディードリットの体に回した。 「ぁぁ……」 背中をねとりと撫でられただけで、ディードリットは切なげな喘ぎを漏らす。 ロウルに奴隷として忠誠を誓って以来、ディードリットの肉体はますます敏感になっていた。主の手が触れるだけで……その濁った視線を向けられるだけで、想いとは無関係に主人を求めて肉体が熱く火照りだしてしまう。そして、その欲望を満たし、肉体を鎮めることが出来るのはこの世でただ一人――ロウルだけなのだ。 (私は……パーンを愛している……パーンだけを……) 掌に合わせて尻肉を振り立て、主の腹へとことさらに乳房を押しつけながら、ディードリットは心で呟いた。 (でも……この男から離れることも……もう、出来ない……) ロウルの腕がハイエルフの華奢な体を強く抱き寄せ、指先が尻穴に潜り込んでくる。 「ぁぁっ……!」 愛する自由騎士にさえ許していない場所を乱暴に弄ばれながら、ディードリットは快楽に声をあげた。秘唇からは指が蠢く度にとろりとした粘液が溢れ出し、男の腹をつたってシーツまで零れていく。 「あぁ……ご主人様……くぅ……ご主人様ぁ、ごしゅじんさまぁっ……!!」 尻穴を指で蹂躙される快楽に優美な眉を寄せ、ディードリットは嫋々と喘ぎを漏らす。 「クク……尻穴を犯されるのがそんなにいいか?」 「は、はひっ……ご主人様の、指が……ディードリットの、お尻をっ……掻き回して……気持ちいいっ、いいですぅっ……!」 主に躾けられた通りに復唱しながら自ら捧げるように尻を持ち上げ、ディードリットは腰をくねらせた。同時に尻穴に力を込め、男性器を受け入れた時と同じように男の指を締めつけてみせる。 躾けられた通りの痴態を晒すディードリットの従順な姿と、収縮する肉の輪がもたらす痺れるような感触に、ロウルは満足げな笑みを浮かべる。 「よい締めつけじゃ……儂の指に食いついてきおるわ」 「ぁぁ……」 耳元で囁かれ、ディードリットは羞恥と喜悦に頬を染めた。嬉しげに尻を振り立てつつ瑞々しい肢体を密着させ、主人へと恭しく唇を捧げる。 「私は……ディードリットは、ご主人様のものです……お尻も……唇も……ん……」 ロウルの分厚く乾いた唇にピンクの唇を這わせ、微かに差し出した舌で湿していく。 更に男の乳首に自分の乳首を押し当てて円を描くように擦り付けながら、滑らかな黒絹に包まれた指先を主人の男性器へと絡ませ、ねっとりと扱きあげる。 尻穴を指で犯されながら、ハイエルフの娘は全身を使って男への奉仕を続けた。 「んっ……ぁ……んくっ……ちゅ……ちろ……ぁ……い、如何ですか、ご主人様……?」 唾液の糸を引きながら唇を離し、おもねるように主の顔を覗き込むディードリット。 その瞳は快楽に潤み、愛らしい美貌は尻穴を犯す指が蠢く度に悦楽に歪んでいる。 「ククク……素晴らしいぞディードリット……それでこそ、儂の奴隷じゃ」 「……あぁ……ありがとうございます、ご主人様……」 主の言葉に悦びの表情を浮かべ、ディードリットは再び唇を捧げた。今度は大きく舌を差し出して唇を舐め、更に口の中へと差し入れていく。 「んん……んふぅ……くぅぅん……」 歯や歯茎に這わせながら舌を伸ばし、口腔粘膜を愛撫していく。 やがてロウルの舌を捉えると、ディードリットは熱く濡れた舌を主へと絡めていった。 (…………) 左の乳首を舌先でくすぐるように刺激しながら、ピロテースは濃厚なディープキスを続ける主と奴隷にちらちらと視線を向けていた。 ロウルの赤黒い舌とディードリットの淡いピンクの舌が絡み合い、ぬちゃぬちゃと音を立てている。時折深々と唇を合わせるのは、主の口腔に溜まった唾液を啜り取る為だろう。その度にじゅる、じゅるっとくぐもった音が鳴り、ハイエルフの喉がこくこくと動く。 主も愛らしい奴隷の奉仕に耽溺しているのか、もうひとりの奴隷であるピロテースには触れてくる気配もない。 「んんん……っ……ご主人様ぁ……んっ……」 ロウルに唇を捧げるディードリットの横顔は微かな羞恥の表情と、溢れんばかりの喜悦に震えている。 それが視界に入った瞬間。ピロテースの胸がちくりと痛んだ。 (……墜ちた、か……) 首輪に繋がれ、男の所有物として命ぜられるままに従う牝奴隷。 自分と同じ立場に墜ちたディードリットは、しかし今や快楽を求めて自ら進んで奉仕し、自分達を蹂躙した男へ身も心も捧げているようにも見える。 そしてそれは……自分にも当てはまることだった。 尻穴の純潔を捧げ、毎夜のように快楽を与えられ続け、あらゆる奉仕を強要させられていくうちにピロテースの肉体は否応もなくロウルへと傾倒していった。心ではアシュラムを想い続けていても、ロウルに求められれば肉体の欲望に火がついてしまう。そして一度火がつけば、それを鎮めることが出来るのはロウルとの情交だけなのだ。 (……私はもう……この男なしで生きていくことなど出来ない……) その事実を目の前に突きつけられたのは、アシュラムの元へ最初に戻ったときだった。 連絡を終え、アシュラムに誘われるまま寝室に入り……愛する黒騎士と唇を重ねたとき、ピロテースの体は歓喜に震え、肉体は熱くなった。「肌を重ねるな」というロウルの命令には枷による強制力が働いていなかったため、ピロテースはそのまま愛する黒騎士に体を委ねたのだが……その結果もたらされたものは、満たされかけた心と、全く満たされず、欲望に燃え滾り続ける肉体だった。 どれほど心が満たされても……肉体が満たされなければ、そこには不満が残る。 それ故、ピロテースはアシュラムが寝静まったあと、愛する男の隣で自らを夜が明けるまで慰め続けなくてはならなかった。 自分の主となった男の姿と、その男に与えられた凌辱の数々を思い浮かべながら……。 『ククク……お前は儂のモノだと言うこと……身にしみたようじゃな』 主人の言葉を思い出し、ピロテースはぶるりと体を震わせた。豊満な乳房が男の腹へと押しつけられ、くにゅりと潰れる。 アシュラムと肌を重ねて満たされず、灼けるような欲望を抱いて砦に戻ったピロテースを待っていたのは、主人であるロウルの野卑な笑みだった。 まるで全てを見通していたかのようにロウルはピロテースの不貞を指摘し、言葉で嬲り、道具で責め立て、犯し、全ての肉孔に精液を注ぎ込んだ。 そして、美貌のダークエルフは、自分が主から離れられない体になってしまった事を、文字通り身をもって知ったのだった。 (…………) 「んっ、んくっ、んんん……んっ、んん〜っ……!」 ディードリットのくぐもった声が耳に届く。 それを横目に見ながら、ピロテースはハイエルフの娘と同じように主へと瑞々しい肢体を密着させ、汗に濡れた肌を擦り付ける。 密着させた肌から主の体温が伝わり、ゆっくり体を揺らす度に主の肌が自分の肌を擦る。 その刺激が快楽を呼び覚まし、ピロテースは無毛の秘唇からとろとろと粘液を溢れさせながら懸命に奉仕を続けた。 ちゃり……。 腕輪が鳴り、首輪に繋がれた鎖が微かに引かれる。 それが何を意味しているかに気付き、ピロテースは悦びに頬を染めた。 「ご主人様……」 ロウルの耳元に顔を寄せ、熱い吐息と共に囁く。 「ピロテースの唇と舌で……ご奉仕させて頂きます……」 そして耳にそっと舌を差し入れ、ちゅくちゅくと舐めしゃぶって濡らすと、そのまま首筋へと舌を這わせていった。 「んっ……はぁ……ちゅ、ちゅる……んん」 鎖骨をなぞり、胸板を滑り、乳首を転がし、ピロテースの舌はゆっくりとロウルの体を這い下りていく。 無論その間も体は密着させたまま、乳房や内腿や秘唇を男の体に擦りつけている。 腹を舐め伝い、臍に舌を差し入れて清め、下腹に啄むようなキスの雨を降らせ、やがてピロテースの美貌はロウルの股間へと辿り着いた。左足に全身を乗せ、男の足指に自身の秘処を押しつけるような恰好になって、待ち望んでいたものに熱く濡れた視線を向ける。 すっかり屹立している長大な男性器の茎胴では白絹に包まれたディードリットの手指がゆっくりと上下に動き、黒絹の手袋がはめられたピロテースの手は大きく張った袋をやわやわと揉み続けている。 (大きい……それに、熱い……) ロウルの男性器を改めて見て、その威容にピロテースは熱い吐息を漏らした。 肉茎は太く長く、ディードリットの手で握られてなおひとつかみほど余している。亀頭は錨のように大きくエラを張っている。そしてその全てが淫液に灼けて黒く鈍く光って、強烈な牡の匂いを発している。 その匂いにピロテースは乙女のように顔を朱に染め、濡れた唇を微かに開いて半透明な淫液が滲む先端に顔を寄せていった。 ちゅく……。 亀頭をオーキッドピンクの唇が包み、舌先が淫液を掬い取るように動く。ピロテースの口腔はすぐにロウルの強い性臭で満たされ、同時に褐色の優美な腰が快楽に震える。 主人の淫液を啜り、味わいながら、美貌のダークエルフは亀頭に舌を絡ませる。 「んむ……ちゅ……じゅる……ちぢゅっ……」 亀頭を咥えたピロテースの唇からは、粘液を舐め啜る淫らな音が唾液と共に零れ落ちる。 「んんん……ちゅる……っはぁ……あむん……んんっ、んくっ……」 ディードリットは濃密な唇による奉仕を続け、粘膜の絡み合う音と唾液を啜る音を部屋に響かせる。 「クク……」 ハイエルフとダークエルフの立てる淫らな音楽を愉快そうに聞きながら、ロウルは二人の秘唇に指を這わせた。 「ふむぅぅぅんっ……!」 「ぐむぅんっ! んっ、んぐっ……っぁ、ご、ご主人さまぁっ……!」 尻穴と秘唇を同時に弄られたディードリットが塞がれた唇からくぐもった声を漏らし、足指で秘唇を擦られたピロテースはたまらず唇を離して快楽の叫びをあげる。同時に二人の肉襞が収縮し、粘度を増した蜜液が膣孔からこぷりと溢れ出る。 「ああ……ご主人様の足が……私のぉ……っ……」 秘唇の奥へと無造作に潜り込んでいく足指に対し、ピロテースは自ら秘唇へと押しつけるように腰を使っていく。秘唇がめくれ、褐色の肌とは対照的なサーモンピンクの膣粘膜がさらけ出され、そこをロウルの足指がぬりゅぬりゅと出入りする。 主人の指が膣肉を浅く犯す快楽に凛とした眉を寄せ、切なげに喘ぎ悶えるピロテース。 その首輪に繋がれた鎖が不意に引かれた。 「あぅんっ……!?」 突然のことに、手練れの戦士でもある筈のダークエルフは簡単に姿勢を崩し、ロウルの股間へと顔を埋めさせられた。肉茎をしごいていたディードリットの指は既に離れ、腹に触れんばかりに固くなっている長大な男性器が怜悧な美貌に押しつけられる。以前ならば屈辱に震えていたはずの仕打ち……だが、ピロテースは恍惚とした表情を浮かべ、愛しげに美貌を擦り寄せていく。長大な肉塊に頬ずりを繰り返してはその熱く逞しい感触に瞳を潤ませ、自分の肌より浅黒い表面にピンクの舌を差し出す。 「ん……ふぁ……んっんっ……」 頬ずりを続けながら、ピロテースは男性器の根元へと丹念に舌を這わせた。たっぷりと濡れた舌が根元の部分を這い、溢れた唾液は男性器を伝って下腹や袋にまで滴っていく。やがて根元と袋が溢れた唾液で濡れ光るまでになると、ピロテースは男性器に片手を添え頬と舌で茎胴を挟むようにして、顔を上下にスライドさせ始めた。 柔らかな頬肉と舌肉で同時に刺激され、ロウルの男性器はびくびくと快感に震える。 その反応に喜悦の表情を浮かべ、ピロテースは更に熱のこもった奉仕に耽った。先端に唇を押しつけ、濡れた粘膜を擦りつける。錨のように張ったえらを唇で挟み、啄むようなキスを繰り返す。更には舌を思い切り伸ばして裏筋の部分に這わせながら唇を開き、主人の男性器を呑み込んでいった。形よいオーキッドピンクの唇が大きく広がり、長大な男性器はゆっくりとダークエルフの口腔へ消えていく。 やがて男性器は完全に姿を消し、ピロテースの鼻先に男の陰毛がじゃりっと当たった。 「んんぅ……ぅぅんっ……」 数え切れないほど繰り返してきた奉仕とはいえ、アシュラムとは比べものにならぬ程に長大なロウルの男性器で喉奥の粘膜を突かれ、ピロテースの瞳に涙が滲む。 しかし、それさえも快楽に変えてしまったのか……ピロテースは恍惚の表情を取り戻すと瞼を伏せ、口腔での抽送を始めた。 根元から先端までを何度も往復させながら唇と喉奥で男性器を締めつけ、歯を立てないよう細心の注意を払いつつ舌を絡ませる。口腔への深い挿入に唇がめくれ、粘膜が擦られてじゅぶじゅぷと湿った音を立てる。 そうしながらもピロテースはちらちらと上目遣いに媚びを含んだ視線を走らせ、主人の様子を伺っていた。 口腔内の男性器は快楽にひくつき、絶頂が近いことを教えている。 どこを使って射精したいのか……このまま口腔に注ぐのか、膣や尻穴を使うのか、乳房や顔を汚すのか。どのような命令が来ても対応できるよう、ピロテースは細心の注意を払って奉仕を続ける。 強い牡の味と匂いが口腔を満たし、ピロテースの牝を灼く。 見上げると、主人はまだハイエルフの娘と深く唇を重ね、ねっとりと舌を絡ませていた。時々くぐもった声が漏れるのは、主人が指でディードリットの秘処を弄んでいる為だろう。 (……このまま……私に注いで下さるのだろうか……?) ピロテースの喉はからからに渇き、主人の精が注がれるのを待ち焦がれている。 「んん……きゅぅぅん……」 再び根元まで深々と咥え込むと、ピロテースは上目遣いに主人を見つめ、ねだるように鼻にかかった鳴き声をあげた。 「……」 ロウルの瞳が動き、ピロテースを見下ろす。 ちゃら……。 鎖が鳴り、首輪が引かれた。 「んん……は、はい……ご主人様……」 ディードリットが唇を離し、恥ずかしげに肯く。 「……んんっ……っぷぁ」 哀しげに眉を寄せ、ピロテースは口腔を満たしていた男性器をゆっくりと引き抜いた。 唇がめくれ、ダークエルフの唾液でぬらぬらと黒光りする威容が姿をあらわす。先端から溢れた粘液はピロテースの唾液と混ざり、唇との間に一本の糸を引く。 その先端へ名残惜しげに唇を捧げたピロテースが股間から顔を離すと、入れ替わるようにディードリットの手が伸び、ロウルの男性器をそっと握った。 「……」 男性器をしごきながら、ディードリットは羞恥を含んだ表情で主人の身体を跨いでいく。まるで用を足すときのような恰好になると、ディードリットは微かに体を反らせて腰を突き出し、控えめに閉じている尻穴を男の目に晒した。 「……どうか……ディードリットのお尻の穴で……ご主人様にご奉仕させて下さい……」 全てをさらけ出し、全身を羞恥の色に染めて、主へと尻穴奉仕をねだるディードリット。誇り高いエルフが自ら口にする屈辱の言葉に満足そうに肯くと、ロウルは顎で促した。 「……はい……」 小さく肯き、ディードリットは男性器に手指を添えて自らの尻穴へと導いていく。先端が触れると一瞬逃げるように腰を浮かせたものの、すぐに自ら身体を沈めはじめる。 ディードリットの控えめな窄まりに男性器の先端が触れ、ゆっくりと押し開いていく。そうして侵入が始まってしまえば、ハイエルフの身体は自ら進んで男を迎え入れるように動いてしまう。腰をくねらせ、尻を落とし、少しでも深く男性器を挿入して貰おうと淫らなダンスを始めてしまうのだ。 「ぁ……ぁぁっ……ご、ご主人様ぁ……っ!」 嬉しげに腰を使って尻穴に男性器を沈めていくディードリットを見つめ、ピロテースは哀しげな表情で自らの指を股間へと差し入れた。剃り上げられた恥丘を撫で、秘唇に指を這わせる。そこは既に内腿まで濡れそぼり、膣孔は主人の男性器を求めてひくついている。 (ご主人さま……ご主人様ぁ……) ハイエルフが尻穴奉仕に耽る横で、ダークエルフが主人を思って自慰に耽る。 やがて男性器は根元まで尻穴に埋没し、ディードリットは尻穴を捧げる快楽に大きく背を反らせた。白い秘唇がサーモンピンクの粘膜を覗かせ、ぴぴゅっ、と粘液を吹き零す。 「クク……尻に入れられただけで潮を吹きおって……ほれ、奉仕はどうした?」 尻穴を男性器で埋めたまま喜悦に震えるディードリットに好色な笑みを向け、ロウルはぐい、と腰を突き上げた。 ディードリットの華奢な肢体が男の上で揺れ、快楽の喘ぎが桜色の唇から漏れる。 「ククク……ほれ、どうした? 奉仕するのではなかったのか?」 ディードリットの反応にそそられたのか、ロウルは激しく腰を突き上げ始めた。長大な男性器がハイエルフの尻穴を出入りし、にゅぷにゅぷと濡れた音を立てる。 「ひあっ! ああっ……はあぁんっ! もっ……申しわけ……ありませ……んんっ!!」 尻穴を男性器が出入りする度に切なげに身をよじらせていたディードリットが、必死に腰を使い始めた。ロウルの腰に打ちあわせるように尻肉を振りたて、尻穴に力を込めてはきゅっきゅっと男性器を締めつけはじめる。 「んっ、ひっ、ひぅんっ! ご、ご主人様ぁ……っ!」 自らの尻穴で男性器を扱きたてながら、自身もまた昇りつめていくディードリット。 その秘唇からはとめどなく愛液が溢れだし、汗に濡れた白い肌は桜色に上気して、ハイエルフの限界が近づいていることを知らせる。 「クク……」 絶頂を極めようとしているディードリットの控えめな乳房を右手で揉みながら、ロウルは左手の鎖を引いた。 「あっ……」 鎖が鳴り、自慰に耽っていたピロテースが、我に返ったように顔をあげる。 「は、はい……畏まりました、ご主人さま……」 再び鎖を引かれたピロテースは膝立ちになってディードリットににじり寄ると、華奢な肢体をそっと抱き寄せ、唇を重ねた。 「あっ、あひんっ……ん、んんんんっ!?」 突然唇を塞がれてくぐもった声をあげるハイエルフに構うことなく、ピロテースは愛撫を続けた。舌を差し入れては口腔を舐め回し、白くぬめ光る美乳には褐色の豊満な乳房を重ねて擦りつけ、秘唇には褐色のしなやかな指を押し当てて肉芽と膣孔を弄ぶ。 「ふぅぅんっ! んっ、ふぅんっ、ふぅぅぅっ!!」 尻穴を捧げていたところに更なる愛撫を受け、ディードリットの性感は爆発した。 「んぐっ、んっ、んんんんんんっっ!! んふぅぅぅぅぅぅぅっっ!!!」 びくびくと全身が痙攣し、尻穴と膣孔が同時に収縮して指と男性器をきつく締めあげる。 「おうっ……!」 ディードリットの尻穴の締めつけに流石のロウルも達し、ハイエルフの腸内へ射精した。 「ふぅぅぅんっ!! んっ、んぐぅぅぅぅっっ!!!」 腸内に注がれる熱い迸りを感じ、ディードリットも随喜の涙をこぼして再び達する。 男性器をきつく締めあげ、うねうねと蠢くディードリットの腸腔へと精液を注ぎながら、ロウルは一心にレズ愛撫を続けるピロテースの秘唇に指を這わせた。 「ふぅ……くぅん……んんん……」 秘唇に待ちこがれた主人の指を感じ、ピロテースは嬉しげに尻をくねらせる。 「ククク……ほれっ!」 ロウルが淫欲に歪んだ笑みを浮かべ、ずぶりと膣孔に2本の指を差し入れた。蜜液に濡れた膣孔は指を歓迎するかのように蠢き、指に絡みつきながら奥へと誘っていく。 「んんんんんんんっっ!!!」 突然膣孔に指を差し入れられ、ピロテースは喉奥から絞り出すような声をあげた。 ハイエルフと同じように全身を痙攣させ、膣肉が収縮して男の指に絡みついていく。 男性器と指に吸い付く膣肉の味に頬を緩ませ、ロウルはふたりのエルフの膣孔へと体を付き入れた。熱い精を迸らせ続ける長大な男性器でハイエルフの子宮口を突き上げ、節くれた指でダークエルフの膣壁に生まれたしこりを強く擦りあげる。 「んっ……あっ、ああっ! ご、ご主人さま、ご主人さ……まぁっ……あっ、あああぁぁぁぁぁっっ!!!」 たまらず唇を離し、ピロテースは主を呼びながら絶頂の叫びをあげた。 「いっ、いいっ……ご主人様ぁっ……あっ、いっ……い、イくぅぅぅぅぅっっ!!!」 ディードリットも自由になった唇から快楽の叫びをあげ、かつてない絶頂にその濡れた肢体を震わせる。 白と黒の美貌が天を見上げ、切なげに眉を寄せた恍惚の表情を見せる。金と銀の髪が舞い、月明かりに照らされてきらきらと輝く。 ハイエルフとダークエルフ……姿を見ることも稀な美しき妖精達は互いを支えるように抱き合い、男から与えられた絶頂に優美な肢体をひくひくと震わせる。 やがて、ふたりは糸の切れた人形のように力を失い、男の身体へと崩れ落ちていった。 ――2―― 「……これが何か判るか?」 頭上から声をかけられ、ピロテースは主人の男性器を深々と銜えたまま、視線だけを上に向けた。でっぷりと膨れたした腹の向こうで、主人が何かを手に取っているのが見える。 「んっ……カード、ですか……? それも、魔力の付与された……?」 口腔から男性器を引き抜き、えらに舌を這わせながらピロテースが答えた。主人であるロウルに戦士としての力量はなく、魔術師としての素養もない。だが、広範で豊富な知識と大陸との密貿易で得た莫大な富、そしてそれらを使って入手した多くの魔法物品を縦横に活用することで今の地位を保持していることを、今のピロテースは知っている。 バグナード配下にありながら、彼を畏れていないただ一人の男……その所有する魔法物品は質・量ともに六英雄のひとりである荒野の賢者に匹敵し、それ故に黒の導師もロウルを無下には出来なかったのだ……と。 「そうだ……『魔力のカード』と呼ばれておる。一枚につき一度だけだが、魔法の素養がないものにも呪文の行使を可能にしてくれる」 ピロテースの答えに満足したのか、ロウルは慣れた手つきでカードをシャッフルしつつ、その効果を口にする。 「儂のように呪文の素養がない者には、実に便利な代物じゃよ」 「……」 茎胴に舌を這わせ、所々に残るハイエルフのぬめりを丹念に舐め取りつつ、ピロテースは不安げに主人を見上げた。ロウルが魔法物品を寝室に持ち込むことは滅多になく、あるとすればそれは奴隷エルフ達の肢体を責め苛むときだけだったからだ。 「そろそろ……これを使う頃合いかと思ってな。ディードリットも目覚めぬようだし……のう、ピロテースよ……」 ロウルが手を伸ばし、ピロテースの耳を指先でくすぐる。主人の指が触れる心地よさに長く尖った耳を震わせながらも、ダークエルフはその怜悧な美貌を不安の色に染め、主人である男へと懇願するような視線を向ける。 その視界の端ではハイエルフが白い肌を晒していた。 ほっそりと輝くような肢体を丸め、主人に背中を向けるような恰好で意識を失っている。透き通った白い肌は未だうっすらと上気しており、無毛の秘唇からは蜜液が、尻穴からは主人の注いだ白濁液が溢れこぼれて内腿を伝い、白いシーツを汚している。 時折身体をひくつかせるのは、夢の中でも主人に与えられた快楽の余韻を味わっているのか……その姿は無惨でありながらも美しく、今夜は未だ精を受けていないピロテースの心を淫欲に染めた。 「はい……ご主人さま。私の全てを……ご主人さまのお好きなように、お使い下さい」 責めそのものに対する不安を覗かせながらも、ほんのひとときはいえ主人の責めを独占できる悦びに頬を染め、ピロテースは笑みを浮かべて屹立した男性器に美貌を擦り寄せた。 「クク……欲しいか?」 片手でカードを、もう一方の手で奴隷の艶やかな銀髪を弄びながら、にやにやと笑みを浮かべてロウルが訊ねる。その嘲るような視線にさえ身体の芯からの疼きを感じ、美貌のダークエルフは切なげに眉を寄せた。 「ぁ……は、はい……欲しい……です……どうかピロテースに……ご奉仕させて下さい」 男性器に顔を寄せ、横から咥えるように茎胴を唇に挟んでピロテースは奉仕をねだる。主人の脚へとしなやかな脚を絡ませ、再び蜜液を溢れさせはじめた秘唇を押しつけてぬるぬると滑らせていく。 プライドの高いダークエルフの娘をここまで調教し屈服させることが出来た。その悦びに会心の笑みを浮かべ、ロウルはピロテースの首筋に指を這わせた。 かちん……。 小さな音に、ピロテースは驚いたように自分の首筋へ視線を向けた。今夜自分を縛り続け、命令を下していた細い鎖……それが外され、主人の太股の上に落ちているのが見える。 「……?」 不思議そうに主人を見上げ……ピロテースは、その表情が普段と違うことに気付いた。淫猥な笑みを浮かべてはいるもののその瞳に笑みはなく、その視線は自分とハイエルフの娘を犯しながらも、時折中空へと注がれている。 「ご主人……さま……?」 思わず問いかけたピロテースに視線を向け、ロウルは喉の奥で嗤った。 「どうした……? 儂の精が欲しいのではなかったのか?」 「ぁ……」 ピロテースの頬がかっと朱に染まる。 「心配せずとも後で可愛がってやるわ……ほれ」 喉の奥で笑い、ロウルは艶やかな銀髪を撫でるようにしてダークエルフの美貌を男性器へと押しつけていく。 「……はい……ご主人さま……ん……」 唇が微かに開き、濡れた舌が赤黒い肉塊に差し出される。 その時、微かに空気が揺れ……ピロテースは背後に人の気配が現れたのを感じた。 「!?」 反射的に飛び起きようとしたピロテースの頭を、主人の掌が押さえつけた。 「続けろ」 頭上から、短い命令が下される。 「……は、はい……んっ」 主の言葉に、仕方なくピロテースは再び股間に顔を埋め、男性器へと舌を這わせ始めた。 「ぁ……ん……ふ……ちゅ……は……ぁむ……んっ……」 最初こそ背後の気配を気にしながら奉仕していたが、ひと舐めごとに舌に広がる主人の味にピロテースの瞳は快楽に霞み、蠢く舌にも次第に熱が込められていく。 ぴちゃぴちゃと濡れた音だけが、小さな部屋に響く。 『……それで、何用かな?』 美貌のダークエルフに口腔奉仕をさせながら、ロウルは古の言葉で静かに言った。 『人が睦んでおるところを訪れるとは、塔に雷を落とすような無粋ではあるが。儂は……このままで構わぬよ』 言葉と共に、手にしていたカードを一枚、静かに破り捨てる。 『無粋か……』 それに答えるように、同じく古代語の声が響いた。しわがれた、男の声……だが、その口調はどことなく女性を感じさせる。 『貴様の行動こそ、余程無粋と言うものだ。小賢しきものよ』 そう発しながら、声はゆっくりと歩み寄ってきた。 その動きは滑らかで、足音ひとつ立たない。 『小賢しいか……クク、この程度の小細工ではそう言われても仕方あるまいな』 己を侮蔑するような口調に激することなく、ロウルは短く笑った。 『自覚しているというのか……?』 発する声に込められた軽蔑の色が増していく。 『それでも……ハイエルフとダークエルフを奴隷にする為にしては、手間と智恵をかけたものだと思うがな……如何かな?』 『……』 声が押し黙り、月明かりの中に人影が進み出てきた。 月明かりに照らされたその姿は人間……それもかなりの年を経た初老の男だった。灰色のローブとマントを身にまとい、額にはサークレットがはめられている。サークレットには瞳を連想させる装飾が施されており、そこからは赤い輝きが漏れている。 そして今、男の手はマントから出され、その指に填められた乳白色の宝石をあしらった指輪がロウルの方を向いて鈍い光を放っていた。 『その為に、ロードスの天秤は大きく傾いた』 『カノンの天秤は平衡を保っておるよ』 『それこそ小賢しいと言うものだ。この国はまだ黒に染まっていなければならぬ……白に対抗するために。自由軍などは、本来あり得ないものだったのだ……そして、あり得ないものにする事も出来た』 ロウルの言葉に耳を貸す様子もなく、男は指輪をロウルへと突きつけた。 『……儂を殺すか?』 『もはやこの国を黒に戻すにはそこのエルフ達を使うしかあるまい。自由騎士と暗黒騎士の恋人達……素直に渡すつもりもなかろう?』 『無論だ。儂が、このふたりの為にどれだけの金を使ったと思っておる?』 ちゃら……。 そう言って、ロウルは自慢げに腕輪から伸びる鎖を鳴らしてみせた。更にはピロテースの銀髪を掴んで股間から美貌を引き剥がし、男へと向ける。唇と男性器の間を一筋の糸が引き、ダークエルフは「ぁぁ……」と快楽と不満の混ざった声をあげた。 『みろ……誇り高きダークエルフが、今や儂の寵愛なしでは生きていけぬという顔をしておる。こちらのハイエルフも、だ。こやつらの味がどれほど上物か……クク、男としての記憶もある貴殿ならば判らぬ筈もあるまい……?』 『……黙れ』 固い声で、男が呟く。 指輪の宝石が一層強い輝きを放ち始める。 『クク……成る程。あの、知識の額冠がみせた知識は間違ってはいなかったようだな』 『……貴様……!?』 男の声に、初めて動揺が混じった。 『儂を誰だと思っておる? 多少高い取引じゃったが……黒の導師は、対価さえ得られるのであれば、自らの持つ知識や宝物を惜しむ方ではないからのう』 ロウルが不適な笑みを浮かべる。 『お主は額冠の魔力で人を支配しているつもりじゃろうが、その実、支配されてもいるということよ……灰色の魔女、カーラ』 『黙れ!』 指輪が一際強い光を放ち……そして、光は静かに消えていく。 『!?』 『儂に魔法の素質はないと侮ったか?』 驚く男に向けて、ロウルは会心の笑みを浮かべた。 その手に持っているカードの束をみて、男――灰色の魔女カーラは忌々しげに言い放つ。 『魔力のカード……ヴォイドの遺産か!』 それには答えず、ロウルは掴んでいたピロテースの髪を手放す。 「はっ……!」 次の瞬間――カーラが見たのは、こちらへと跳ぶ褐色の肢体だった。一糸まとわぬ姿のまま、ピロテースはカーラの懐へとひと跳ねで潜り込み、顔面にめがけて抜き手を放つ。 『クッ!』 それを辛うじてかわし、カーラが短く呪文を唱える。 部屋の空気が一瞬歪み――何かが破られる気配をピロテースは感じた。 『塔』 だが、すぐにロウルが短く叫び、カードを破り捨てる。 『貴様――!?』 カーラのしわがれた表情が驚きと屈辱に歪んだ。『貴様、まさか――!?』 『……儂が黒の導師配下であることの意味、もう少し考えておくべきだったな』 数多のカードを器用にシャッフルしながら、ロウルは嗤った。 『多少値は張ったが……なに、ロードスに暗躍し続けた灰色の魔女殿を陥れるためじゃ。このくらいなら安かろう?』 『きさ――ッッ!?』 再び放たれた抜き手を奇跡的な身のこなしで避けたカーラは、ピロテースが身に着けている長手袋に目をやり、慄然とした。 『魔力遮断の手袋……! 貴様、本当に私を……!?』 『小賢しいじゃろう?』 楽しげに嗤いながら、ロウルは言った。 『呪文を使えなければ、お主の力量はしょせん宿主次第……しかし、そやつは戦士としても盗賊としても一流じゃぞ。果たして、いつまで避け続けられるかのう?』 ロウルが楽しげに嗤い続ける。 その間にもピロテースはその美しくしなやかな肢体を駆使し、カーラの死角へと回り込んでは額冠を奪うべく抜き手を放ってくる。 『くっ……』 必死にそれを避けながら、何度も「完全解呪」の呪文を唱えるカーラ。 しかし、その度に待ちかまえているロウルが「魔力中和」の呪文を使い、部屋を魔力の中和された――呪文を行使し得ない空間へと引き戻す。 そして。 「はッ!」 何十回めかに放たれたダークエルフの抜き手が、カーラの額冠を捉えた。 『ぁ……ああぁぁっ……!』 額冠が男の額から離れ、宙を舞う。 それを軽く跳ねて手に取ると、ピロテースは笑みを浮かべてロウルの元へと歩み寄った。 背後で額冠を奪われた男が、糸が切れたように床へと崩れ落ちる。 「よくやった、ピロテース……それを儂の前にかざせ」 「はい、ご主人さま」 恭しく捧げられた額冠に視線をやり、ロウルは愉快そうに笑った。 「ククク……自分がいつまでも影にいると思うたのがお主の敗因じゃよ、アルナカーラ」 「これが、あの……灰色の魔女なのですね……」 ピロテースは額冠を捧げ持ったまま、畏怖したように呟いた。 「そう……ロードスを影より操り続けた魔女の正体よ。もっとも……もう暫くは、その役を務めて貰うことになるがな……」 「……?」 不思議そうな顔をするピロテースの目の前で、ロウルはいくつかのカードを手に取って見せた。 「このカードにはお前達の『枷』と同じ魔力を持つものもあるし、組み合わせて使うことで様々な効果を付加する事の出来るものも含まれておるのだよ……例えば……」 その時のことを想像したのか、ロウルの表情が欲望の色に染まる。 「……ある条件下で、それが発動するようにすることも、な……」 ピロテースの目の前でロウルがいくつかの言葉を発し、カードを破り捨てる。 その意味は解らなかったが……ピロテースは、それがこの額冠――灰色の魔女を永遠に新たなる牢獄へと繋ぎ止めるものになるであろう事を確信していた。 そして、主人にとってはそれすら真の目的ではないことも。 (私達のように――この哀れな魔女も、餌なのだ) 額冠が、微かに淡い光りに包まれる。それをぼんやりと眺めていたピロテースは、主人の声で我に返った。 「よし、額冠をあの男に戻してやれ。もう一度術を施せば今日は終わりだ……。あとは、ゆっくりとお前を可愛がってやろう。尻と膣の両穴に注いでやるぞ」 「はい……ご主人さま」 主の言葉に妖艶に微笑むと、ピロテースは床に倒れている男の元へと足を向ける。 それだけの動きで太股を蜜液が伝い、床に小さな雫を落とした。 ……。 目を開けると、黒い空に月があった。 「……?」 一瞬、記憶が混濁していたかのように感じ、男はゆっくりと首を振った。 「私は……アルナカーラ。ロードスを憂うもの……天秤の平衡を保つもの」 自らを確かめるように、ゆっくりと口にしてみる。 その言葉は心地よく男の胸に吸い込まれ……そして。 「そして……私が保つべき天秤はロウル……ロウル様が望むままに……」 続いて出た言葉はあまりにも心地よく……カーラは自らの意識の源である額冠から淡い光を放って悦びに震えた。 「そして……それは絶対の秘密。私さえ知らぬ秘密……されど、ロウル様の望みに従うことこそ我がさだめ……」 更に続けた言葉は、おそらくはカーラ自身も意識していないものだった。ロウルの手で施された支配の術……それを受けることは肉体をもたず、それ故に変化することのない「意志」であるカーラにとって、自らの存在そのものを書き換えられることにも等しい。 そして、それ故に……カーラは自らに施された術に気付くことなく、ロウルの所有物へと変わっていた。 「……無駄足だったな」 やがて冷静さを取り戻し、カーラは目の前にそびえる砦を見上げた。 「あのように墜ちたエルフなど……使える筈もない」 期待が外れたように嘆息すると、わずかに思案の表情を見せて小さく呟く。 「やはり……直接会うしかあるまいな。黒の導師に……」 そして、カーラは短く転移の呪文を唱え……その姿を消したのだった。 ――3―― 女の喘ぎ声と、激しく粘膜が擦れる湿った音。 部屋に響く淫靡な音色に、ディードリットの意識は緩やかに醒めようとしていた。 うっすらと瞼が開き、長く尖った耳がぴくり、と動く。 「ククク……淫らな牝奴隷め……尻穴と膣孔を犯されるのがそんなに良いのか?」 「はっ、はひっ……! ピロテースは……ご主人さまにおま×ことお尻の穴を犯されて……か、感じているんですっ! ご、ご主人さまの……熱くて、逞しくて……っ……あっ、あくぅぅっ!」 不意に主人と同じ奴隷であるダークエルフの声が届き、ディードリットの意識は一気に覚醒した。ぶるりと身体を震わせ、声の源を確かめるようにゆっくりと上半身を起こす。汗を吸って少しぱさついた髪が肌を流れるように滑り、ミルクを溶かし込んだように白く形良い乳房が露わになる。 更に身体を起こそうとして、ディードリットはまだ腰に力の入らない自分に気付いた。主人に尻穴を捧げた快楽が蘇り、一瞬ハイエルフの頬が桜色に染まる。そのまま、主人の体に身を寄せ甘えようとして、ディードリットはようやくベッドの上にふたりの姿がないことに気付いた。慌てて鎖に目をやると首輪にはまだ繋がれているものの、どうやら主人の腕輪からは外されてしまっているらしく、首輪の金具からだらしなく垂れ下がっている。 「ぁ……」 鎖で繋げられていない。そのことに微かな不安と不満を感じながら、ハイエルフの娘はゆっくりと頭を巡らせた。 「ぁっ……」 その瞳に、薄闇の中で蠢くふたつの人影が映る。 ピロテースは壁に手をつき、尻を突き出した恰好で主人に貫かれていた。 高々と主人に向かって掲げられた尻肉へと、主人の腰が打ちつけられる。その度に柔肉を打つ音が響き、長大な男性器がピロテースの秘唇へと潜り込んでは引き抜かれていく。その度に秘唇からは愛液が吹きこぼれ、床に無数の染みをつくっていた。 「ご主人さまぁぁ……ぴ、ピロテースのおま×こ、如何でしょうか……?」 「クク……お前の膣孔は極上じゃよ……うねうねと蠢いては吸い付き、締めつけてきおるわい。こうして……」 ピロテースの腰を掴み、ロウルはゆっくりと男性器を引き抜いた。ディードリットの手でふた握り余りもある茎胴が、蜜液を絡ませながら姿を見せる。そして、たったそれだけの動きで美貌のダークエルフはがくがくと膝を震わせ、切なげに腰をくねらせた。 「……抜こうとするだけで、ほれ……離すまいと喰らいついてきおる……」 「あああぁぁぁぁっ……! あ、ありがとう……ございます……っぅんっ……」 恍惚とした声を部屋に響かせ、ピロテースが快楽に潤んだ瞳を主人へと向ける。 「ど、どうか私の……ピロテースのおま×こで……ご主人さまの逞しいモノに……ご奉仕させて下さい……」 そして、自ら捧げ誘うように尻を小さく振ると膣肉に力を込め、主人の男性器を締めつけていくのだ。それに合わせるように尻穴もひくひくと蠢き、微かに震えているのが夜目の効くディードリットにははっきりと知覚できた。 そして、尻穴がひくつく度にこぷりとそこから溢れこぼれていく白濁の雫も。 (ぁ……) ディードリットの胸がとくん、と跳ねた。 (ピロテースも……注がれたのね……) 尻穴からこぼれ落ちていく残滓は、この怜悧な美貌を持つダークエルフが主人へと尻穴を捧げ、そして腸内に精を注がれたことを物語っていた。 主人の手によって躾けられ、今や膣孔と変わらぬほど感じるようになったふたりの尻穴。 ディードリット自身も先程そこを主人に思うさま貫かれ、擦られ、犯されて気を失う程に激しく達してしまっている。それは、主人によってのみ与えられる深く狂おしいほどの快楽だった。娼婦として過ごした間にも……愛する自由騎士と共に過ごした時でさえ得ることの出来なかった深い深い悦楽。 ディードリットはほとんど反射的に後ろの蕾へと指を這わせていた。乾きかけた粘液の粘つきが指を捕らえ、指を離すまいとするように尻穴がひくつく。 「んっ……」 くにくにと指先で尻穴を弄りながら、ディードリットはその清楚な美貌を朱に染めた。 視線の先では、ピロテースが主人の逞しい男性器を根元まで受け入れて大きく唇を開き、声にならぬ快楽の声をあげ続けている。ぐちゅぐちゅと音がするのは、根元まで貫かれた挙げ句に膣肉を掻き回されているのだろう。あの大きく張ったえらで膣襞を擦り引っ掻かれる感覚を思い出し、ディードリットの秘唇はひくん、と収縮した。 こぷ……。 膣の奥から蜜液が溢れ出し、秘唇からこぼれ落ちていく。 そこにもう一方の手を差し入れ、ディードリットは秘唇を確かめるように指でなぞった。既に秘唇は微かに開き、いつ主人に貫かれても良いように蜜液を溢れさせている。指先をそっと潜り込ませると濡れた粘膜が吸い付くように包み込み、微かに蠢いて膣孔へと導きはじめる。 このまま根元まで指を差し入れ、激しく掻き回したい……。 その衝動に、ディードリットは辛うじて堪えた。目の前で繰り広げられる醜悪な人間と美しき肢体を誇るダークエルフとの激しい交合……それが自らの指で達するという欲望を越える欲望に火をつけたのだ。 (……ご主人様……私にも……ディードリットにも……) 膣孔と尻穴、ふたつの羞恥穴の入り口をくすぐるように愛撫を繰り返しながら、気高いハイエルフは心の中で主人を呼び続ける。腰に力が入らず立つこともままならないために自力でピロテースが貫かれている場所まで行くことも出来ず、かといって己の快楽の為に主人を呼びつける訳にもいかない。主人の逞しい男性器に挿し貫かれる事を熱望しつつもそれが満たされぬもどかしさに、ディードリットの指は激しさを増していった。 (あっ……んんっ、んっんっんっんっ……ぁぁ……ご主人様……ご主人様ぁっ……) 「うぁ……ご主人さま……ご主人さまぁぁ……あぁあぁぁぁぁっ……!!」 ディードリットの心の声に反応したかのようにピロテースは大きく背を反らし、絶頂の痙攣をはじめた。自ら尻肉を主人の下腹部に押しつけて少しでも深く主人を迎え入れようと不自由な腰をうねらせ……膣壁を擦られて掠れた啼き声を漏らす。 そんな痴態を晒す奴隷をにやにやと見下ろし、主人はダークエルフの乳房を弄んでいた。ディードリットより一回り以上大きく、そのくせ優美な形を崩さずにいる褐色の肉半球が主人の手指で淫靡に潰され、汗に濡れた肌がてらてらと光る。主人の指が乳肉に食い込む度にピロテースは上半身をひくつかせ、終わりのない絶頂に苦痛混じりの喘ぎをあげる。 その全てを食い入るように見つめながら、ディードリットはふたつの秘孔に差し入れた指に力を込めた。目の前で主人に犯され続けるピロテースの姿を自分に重ね、数々の責めを思い浮かべつつ激しく指を使う。だが、それは体を鎮めるどころか更なる快楽を呼び、美貌のハイエルフを主人への渇望で満たしていく。 (ご主人様、ご主人様っ、ご主人様ぁっ……!!) 「――――っっ!!」 ピロテースが動きを止めた。しなやかな肢体を限界まで反らし、ぶるぶると全身を震わせながら声にならない叫びをあげ続ける。 「……ぁ……ぁ……」 やがて肢体から力が抜け、ダークエルフは床にずるずると崩れ落ちていった。 褐色の形良い尻が主人の体から離れ、肌とは対照的なサーモンピンクの秘唇からずるりと男性器が抜け落ちる。 「……ぁ……っ」 ディードリットの表情が喜悦に染まる。それは未だ達しておらず、ピロテースの蜜液を滴らせながら天を突くように威容を保っていた。 「……」 狂おしいほどの疼きがディードリットの肢体を蝕み、ハイエルフから僅かに残っていた理性とプライドを最後のひとかけらまで剥ぎ取っていく。 ほとんど無意識のうちにディードリットはベッドに顔を埋めるように四つん這いになり、主人に向かって尻を高く掲げると、快感に掠れた声で主人を呼んだ。 「……ご主人様ぁ……」 主人がこちらを振り向く。 その視線だけで達してしまいそうになるのを必死に堪え、ディードリットは掲げた尻を誘うように左右にくねらせる。それだけの動きで蜜液がこぼれ、太股を伝い落ちていく。 「まだ、ご満足しておられないのでしたら……どうか……」 自らの欲望に濡れそぼった秘唇を主人の目に晒す……その羞恥に美貌を朱に染めつつもディードリットは両手を秘唇と尻肉へ伸ばしていく。 「どうか……ディードリットの、あなを……お使いになって下さい……」 くちゅり。 前後から回された手が秘唇と尻肉を広げ、ハイエルフの秘孔が青白い光に照らされた。 「ククク……儂に奉仕したいのか……?」 喉奥で笑い、主人が屹立した男性器を軽く扱いてみせる。それを見ただけでハイエルフは優美な眉を切なげに寄せ、開かれた秘唇から新たな蜜液をこぽりと溢れさせた。 「は……はいっ……ディードリットは……ご主人様にご奉仕……したいです……」 「儂の何に奉仕したいのだ……?」 「……ご主人様の……お、チンポ……に……ご奉仕したいです……」 「ほぅ……どこを使って奉仕してくれるのだ?」 「……おま×このあなと、お尻のあな、ですぅ……ご主人様が望まれるなら……おくちでも、おっぱいでも……ディードリットの全てでご奉仕いたしますぅ……っ……!」 主人に誘われるように、ディードリットは恥辱の言葉を捧げていく。 その度にディードリットの尻肉はくなくなと揺れ、膣孔からは蜜液がこぼれ落ちる。 「ククク……よかろう……」 誇り高いハイエルフが自ら秘唇を広げて奉仕をねだる……その姿に堪らなくなったか、ロウルは鷹揚に肯いた。 「ぁぁ……ありがとうございますぅ……」 切なげに歪めていた美貌を喜悦に染め、ディードリットは主人へと感謝の言葉を捧げて汗に濡れ光る尻を振りたてる。 「ぁ……」 その時、床にくずおれていたピロテースが哀しげな声をあげた。 「気がついたか、ピロテース……?」 「あぁっ……!」 汗に濡れた乳房を主人の踵に踏みつけられ、ダークエルフは切なげな喘ぎを漏らす。 「貴様の子宮に注いでやろうかと思ったが……先に達してしまうとはな。牝奴隷の分際で主人1人満足させることも出来んのか?」 「ぁぁ……も、申し訳ありません……っぅぅんっ……!」 乳房を踏みつぶされる苦痛と快楽に顔を歪ませながら、ピロテースは主人の足を両手で捧げ持つと足指へと舌を這わせはじめた。 「どうか……んっ……どうか、もう一度……ちゅ……ご主人さまに、ご奉仕させて下さい……んっ、おっ、お願いします……ぅぅんっ……」 足指にピンクの舌をぴちゃぴちゃと這わせ、涙に潤んだ瞳で主人を見上げる。 「お前は儂のなんじゃ?」 「わ、私……んん……ピロテースは、んっ……ご主人様にお仕えする奴隷ですぅ……ッ」 両手で足を捧げ持ち愛しげに撫でながら、まるで男性器にするように主人の足指を舐めしゃぶっていくピロテース。 その涙に濡れた瞳に、ロウルの歪んだ笑顔が映った。 「よかろう……ディードリットと並べて犯してやるぞ、ピロテース」 「ぁぁ……ひゃ、ひゃりひゃろう……ほひゃいはふ……」 踵で乳房を潰され、足指で舌を摘まれながらも、ピロテースはその怜悧な美貌を喜色に染めて主人へと感謝を捧げる。 そんなダークエルフを一瞥すると、ロウルは乳房から足をどけた。唾液で濡れ光る足指を床にこぼれる銀の髪で拭い、奴隷に向かって短く命じる。 「並んで尻を向けろ」 「……はぃ……」 従順に頷き、ダークエルフはゆっくりと体を起こした。膝立ちの恰好から少し思案し、両手をついて四つん這いになる。 そして主人の足に口付けをすると、そのままベッドに向かって這い進んだ。 重たげに垂れた乳房を揺らし、時折主人の方を振り向いては甘えるように尻を振る。 やがてベッドに辿り着いたピロテースはディードリットの隣に並び、ハイエルフと同じように美貌をシーツに押しつけると、自由になった両手を下肢へと伸ばした。 くちゅりと小さな音を立て、ピロテースの秘唇と尻肉が開かれる。 白と黒。対照的な肌をしたエルフ達は同じように主人に向けて尻を向け、蜜液に濡れる膣孔を差し出していく。 「ぁぁ……」 「んぅ……」 男の視線に全てを晒す羞恥に喘ぎ、ハイエルフとダークエルフはお互いを見つめあう。 羞恥と屈辱と……それを遙かに越える快楽に屈服した奴隷の表情がそこにあった。 「……」 「……」 ふたつの美貌が一瞬哀しみに歪む。 だが――エルフ達はそれを振り払うように首を振り、競うように捧げた尻をくねらせた。 「ご主人様……お願いします……どうか……私達のあなを、お使いになって下さい……」 「ピロテースとディードリットのあなで……ご主人さまに、ご奉仕させて下さい……」 「クク……よかろう……」 ロウルがベッドに歩み寄り、ふたりの腰を掴んだ。 「んぅ……ご主人様ぁ……」 「ぁぁっ……」 それだけでふたりは快楽の声をあげ、捧げた尻をひくつかせる。 「牝犬どもめ……」 もはや主人から与えられる行為の全てが快楽となっているエルフ達の痴態に分厚い唇を緩ませ、ロウルはディードリットの膣孔へと男性器を押し込んでいった。 「くぅぅ……ああああっ……ご主人様ぁっ……」 ハイエルフの小さな膣孔には巨大すぎる男性器の侵入に、ディードリットが大きく息を吐いた。やっと迎え入れた主人の肉を迎えるように膣襞は蠢き、奥へと誘い込んでいく。 「ククク……いい膣じゃ……」 膣肉の感触を味わい、楽しみ、ロウルは根元まで男性器を埋めていく。 それだけで小さく達しながらも、ディードリットは主人を悦ばせるための奉仕を始めた。子宮口にまで達した男性器を膣肉で締めつけ、腰をゆすって擦りあげる。 「あ、あぁぁっ……! ご主人様ぁ……ディードリットのおま×こをご堪能下さい……」 ぬちゅぬちゅと粘膜の音を響かせ、主人への奉仕に没頭するハイエルフの娘。 その無毛の秘唇は痛ましいほどに押し拡げられ、サーモンピンクの粘膜が赤黒い男性器に絡みつき蠢いている。 だが。 「あぁっ……!?」 不意に引き抜かれ、ディードリットは哀しげな声をあげた。 「ご、ご主人様……どうして……?」 「ああぁぁぁぁぁっっ!!」 不満と不安の混ざった呟きを、喜悦に震えるダークエルフの声が打ち消した。 「ほれ、今度は先に達するなよ……」 「はっ、はひっ……! ……ピロテースのおま×こで……ご奉仕いたしますぅっ……!」 ディードリットの隣で、ピロテースが大きく喘ぎながら腰を振りたてる。 じゅくじゅぶと粘膜の擦れる激しい音が部屋に響き、褐色の尻肉が白い尻肉にぶつかる音がそれにアクセントを添えていく。 ロウルは数度膣孔を抉ってピロテースを啼かせると再び引き抜き、エルフ達の愛液滴る男性器をディードリットと膣口に押し当てた。 「あぁ……ご主人様ぁ……」 それを敏感に感じたディードリットが自ら尻を持ち上げ、ゆっくりと受け入れていく。 「そんなに儂のが欲しいか……?」 自ら男性器を求めるハイエルフを言葉で責め、ロウルは激しく腰を使いだした。 ディードリットの狭く絡みついてくる膣肉を堪能し、ピロテースの蠢き吸い付いてくる膣襞を味わう。ハイエルフの肉芽を弄んでは絶頂へと導き、ダークエルフの尻穴を手指で犯しては透明な蜜を吹き出させる。 ふたりのエルフは全身を襲う快楽の嵐に随喜の涙を流し、競うように尻を振りたてては膣肉を蠢かせた。 「あっ、ああっ、あくっあぅんっあああぁぁっ……! いいっ、おま×こ……ディードのおま×こ気持ちいいですぅっ!!」 「やっ、あひっ、ひぎぃぃっ……!! ご、ごめんなさいぃ……私、またイって、イってしまいますぅ……っ! ああっあっあああああああぁぁぁっっ!!」 もはや挿入されるだけで……抽送されるだけで達してしまうようになったエルフ達。 その痴態を見下ろし、形良い乳房を乱暴に揉みしだながら、ロウルはふたりに覆い被さるように体を密着させ、耳元で囁いた。 「ククク……ピロテース、ディードリット……お前達の主人は誰だっ……!?」 「ああっ……ろ、ロウル様ですぅっ……私は、ピロテースはロウル様だけの奴隷ですぅっ……!!」 「んきゅぅぅっ……! わ、私の……ディードリットの……んんっ! ご、ご主人様は……ロウル様ですぅ……ディードはごしゅじん様だけのめすいぬですぅっ……!!!」 「……これからもっ……儂のために働くかっ……!?」 「は、はいっ……私を、ピロテースをっ……ご主人さまのお好きなように……お使い下さいぃっ……ああっ、いっ、いいっ、いいですぅっ!!」 「ひぎぃっ……! は、はひっ……でぃ、でぃーどはどんなごめいれいにもしたがいますぅぅっ!! なんなりとおつかいくださいぃぃ……あきゅっあっああっあきゅぅんっ……ごしゅじんさまぁっ、ごしゅじんさまぁぁぁっ!!」 悶え泣き、快楽に狂いながらディードリットとピロテースは主人へと隷従の誓いを何度も捧げる。 美貌を誇る気高きエルフが口々に自分への服従を誓う姿に征服欲を満たされたロウルは勝ち誇ったように嗤い、交互に犯しながら精を爆発させた。 「クハハハハハッ! よかろう……注いでやるぞ牝犬どもっ!!」 「あああっ! 熱い、熱ぅぃっ……あっ、イッ、イく、イきますっ、イくうぅぅっっ……あっ、あぁ――――――――――――――――――っっ!!!!!」 「いっあっああっあひっあくっあぎゅぅあきゅぅぅんっ!!! ごしゅじんさまっ、ごしゅじんしゃまっ、ごしゅひっ、ひぃぃぃぃんっっっ!!! あ――――――――――――――――――――――っっ!!!!」 注ぎ込まれる熱い迸りに、ハイエルフとダークエルフが感極まった叫びをあげる。 もはや声ですらないその叫びは、しかし笛のように嫋々と続き、主人の耳を楽しませた。 やがて最後の精を注ぎ込み、ロウルがゆっくりと体を離す。 「…………ぁ……」 「……ぅ…………」 支えを失ったふたつの肢体が重なるように崩れ落ちる。 「……気を失ったか」 意識を失ったエルフ達を一瞥し、ロウルは呟いた。 ディードリットとピロテースは汗と涎と涙に汚れた美貌を寄せあい、長い睫毛を伏せている。その表情は恍惚と至福に満ち……まるであどけない子供の寝顔のようにも見える。 「クク……まったく、お前達は最高の牝じゃよ……」 気を失っているエルフ達に語りかけるように、ロウルは呟き続ける。 「じきに戦が起こる。その時こそ……儂の復讐が始まるのじゃ。そのためにも……お前達には、これから更に働いて貰うぞ……なにせ扉と魔女、全てを手に入れるには自由騎士殿と暗黒騎士殿の活躍が不可欠じゃからなぁ……クククククク……」 喉奥から絞り出すような嗤いが部屋に響く。 それに答えるように、ディードリットとピロテースの秘唇から白濁液がこぷりと溢れ……シーツへと、滴っていった。 [to be continued...] 感想のあて先はこちら☆ |