BlackCat二次創作「ご褒美たいむ?」

 

◇ ご褒美たいむ? ◇


「シキさん、クリードさん知りませーん?」

 世界を混乱の渦に巻き込み、その後に新たな秩序を与えようという革命集団「星の使徒」。
 その一員とは思えない程に能天気な声で、星の使徒の存在を根底から支えているシキに問い掛けたのはキョウコ。
 星の使徒の面々は、それぞれに思惑や思想や欲望を胸に秘め、クリードの元に集った「道」の使い手だ。
 そんな中でもキョウコは特異な存在で、普段は普通に学校にすら通っている。真面目にとは言えないが。

「…自室に居た気がするが?」
「そうですか。ありがとうございまーす」

 今日も学校帰りに立ち寄ったのだろう。制服姿のままのキョウコは、シキの言葉に手を振って応えると、クリードの部屋へと軽い足取りで向かった。
 その後姿を眺めながら、シキは小さな溜息を漏らす。

「…もう少し自覚が欲しい所か」

 キョウコにとって革命はお祭でしかなく、自分が楽しめればそれで良いのだ。
 星の使徒としての使命感に燃えている訳でも、社会に対する不満や憤りをぶつける訳でもない。
 ただ、自分に楽しみを与えてくれたクリードの為に、少しは力になりたいという思いはあるのだが。

「…ふんふ〜ん♪」

 流行歌の鼻歌を歌いながら、軽いステップを踏んでキョウコはクリードの自室の前へと歩み寄った。
 別段、クリードに用事があった訳でも話があった訳でもない。
 なんとなく顔を見たくなったのと、そろそろ「ご褒美」が欲しくなっただけだ。
 「星の使徒」自体はまだ面子を揃えている段階であり、それといった活動は行っていない。
 そんな中、キョウコはクリードやシキの指示で各地を巡り、素質のありそうな人物を探っている。
 まだ表立って活動できる段階では無いため、キョウコの楽しみの一つである「暴れる」事はできない。
 だから、面倒な任務をこなしている自分へのご褒美を、クリードから直接貰いに来たのだ。

「クリードさーん?」

 キョウコはいつものように、ノックもせずにいきなり扉を開ける。
 部屋の中でのクリードも革張りの椅子に座って、いつものように集められた情報に目を通していた。

「キョウコか」

 手にした書類から視線を上げる事なく、クリードは素っ気無い態度でキョウコの名を呼んだ。
 例え感情のこもっていない声音だったとしても、キョウコはその声で自分の名を呼ばれるだけで嬉しくなる。
 そんな喜びの感情の表れたような足取りで、キョウコはクリードへと歩み寄る。

「…なぁーに読んでるんです…かっ」

 クリードの手にしていた書類を取り上げ、その膝の上に飛び乗るようにして腰を降ろす。
 集められた情報を元に様々な判断を下す。星の使徒の首領として重要な仕事である。
 それを邪魔されたというのに、クリードはただ苦笑を口元に浮かべるだけで、膝の上のキョウコの腰へと手を伸ばした。

「ちゃんとシキの言う通りにしているのか?」
「してますよー…ぶー」

 まるで宿題をやったのかと確認されているような気がして、キョウコは口を尖らせて不満げな声を上げる。
 そして手に取っていた書類を一瞥すると、机の上へと放り投げると、改めてクリードの首へと両手を廻す。
 クリードの鼻腔を、少女特有の甘ったるい香りがくすぐる。

「ちゃんとやってますよー…だから、そろそろご褒美欲しいなぁー…」
「…そうだな……で、どんなご褒美が欲しいんだ?」
「クリードさんのイジワル…」

 少しだけ拗ねたような表情を見せると、キョウコはクリードの耳元に口を寄せる。
 そして微かに恥じらいのこもった声音で、そっと囁きかけた。

「……えっちなご褒美」

 キョウコの囁きに口元だけで笑みを浮かべると、その顔を引き寄せて唇を重ねるクリード。
 柔らかな唇の感触を、キョウコは瞳を閉じてクリードに抱き付きながら受け止めた。
 
「ん……ん………」

 クリードの掌はキョウコの髪をゆっくりと撫で、首筋から背中へと下る。
 キョウコもクリードの頭と背中を抱えるようにして身を預け、可愛らしい舌先を伸ばしてクリードの舌を求める。
 それに応えて舌を絡ませながら、クリードは巧みに背中に廻した手で、服の上から下着の止め具を外した。

「…クリード…さん…」

 唾液の糸を引かせながら唇を離すと、キョウコは熱く潤んだ瞳でクリードの整った顔を見つめる。
 それに応えるクリードの視線も絡み合い、二人の間の空気の密度を上げていく。
 そしてクリードの手はキョウコのブラウスの胸元へと伸び、一つずつ丁寧にボタンを外していった。

 ブラウスのボタンが全て外されて前が開かれると、レモンイエローの可愛らしい下着が顔を覗かせる。
 微かに頬を赤らめて恥じらいの表情を見せるキョウコに、クリードは微かに微笑みながら胸元へと手を差し入れた。
 そして止め具を外されて自由になった下着を押し上げると、柔らかな乳房へと直に掌を触れさせる。

「…あ……ん……」

 掌に包み込まれてしまう程の大きさの乳房を、その掌に納めて優しくゆっくりと揉み解す。
 その動きにキョウコの吐息は自然に荒くなり、掌に伝わる体温は上昇を見せる。
 指先に吸い付くような若い肌の感触を楽しみながら、クリードは掌の中で柔らかなふくらみを弄び続ける。
 
「クリードさぁん……もっと…もっとしてぇ…」

 甘ったるい声音で囁きながら、キョウコは微かに太股を擦り合わせる。
 その仕草を合図として待っていたかのように、クリードの空いた手がキョウコの太股へと伸びた。
 触れるか触れないかという距離を保って太股の上を前後し、クリードの手は丈の短いスカートの中へと潜り込む。
 その焦れるような感触に、堪らずキョウコは叫んでいた。

「触ってっ…キョウコのえっちなトコに触ってっ…」

 思わずクリードの口元に笑みがこぼれる。
 クリードとしては性急な関係は好ましくはなかったが、これはキョウコへの「ご褒美」でもある。
 ならば、その求めには応えてやれねばならないと、スカートの中へと潜り込んだクリードの手は、そのまま奥へと一気に進んだ。
 そして上とお揃いのレモンイエローのショーツ越しに、指先が秘唇へと触れた。

「はぁっ………ソコ……ソコなの……んんっ……!」

 クリードのしなやかな指先が、まるで楽器を奏でるかのように軽やかに舞い始める。
 ショーツ越しに秘唇の端をなぞるように上下し、その上にある突起を優しく転がす。
 甘く痺れるような快感が一気に全身へと広がり始め、クリードへとしがみ付く手の力も強くなり、キョウコは甘い喘ぎを漏らした。
 それはクリードだけが聞く事を許された、キョウコの女の声。

「クリードさんっ…イイっ……気持ちイイよぉっ……!」

 クリードはキョウコの初めての相手であり、そしてキョウコは他の男を知らない。
 自分が女である事を自覚させられたのも、女として喜びを教えられたのもクリードだ。
 クリードはキョウコの身体の隅々までを知り尽くし、その弱い部分も全て把握している。
 そんな男の指先に責められて、キョウコは瞬く間に高まっていった。

「あっ……やっ……はぁんっ……んふぅっ……はぁっ……!」

 泉から湧き出した蜜によって既にショーツは濡れ、それはクリードの指先をも濡らしている。
 クリードは頃合を見てキョウコをその場に立たせると、自分でショーツを脱ぐようにと言う。
 顔を羞恥で真っ赤に染めながらも、キョウコはその言葉に従ってスカートの中へと手を伸ばした。
 そしてゆっくりと手が下り、ショーツを引き下ろしていった。

「……クリードさん」

 キョウコは言われてもいないのに、自らスカートの端を手に持ち上げる。
 すると、淡く生え揃った濡れた恥毛と、その下で微かに蠢く濡れた秘唇が露になった。
 そのままの姿勢でクリードを待つキョウコ。

「これはご褒美だ…どうして欲しい?」
「……もう…我慢できなの…クリードさんの……頂戴…」

 素直に求めてくるキョウコに笑みを返すと、クリードは立ち上がってその身体を抱きしめた。
 細身のその身体を両腕の中に抱きしめ、そのまま机の上へと押し倒していく。
 固い机の感触を背中に感じながら、キョウコはずっとクリードの顔だけを見つめていた。

「いくぞ」

 机の上に仰向けに寝かせたキョウコの両足を軽く開かせると、クリードはその間に身体を滑り込ませ、スカートに隠れた濡れた秘唇へと自分の分身をあてがった。
 その先端の触れる感触に背筋を痺れさせながら、キョウコは無言で小さく頷く。
 次の瞬間、クリードの顔立ちとは不似合いな程に逞しい物が、一気にキョウコの身体を貫いていた。
 
「はぁぁぁっ……!!」

 秘肉を貫かれる事の一瞬の苦痛。そして後に続くのは充足感と溢れんばかりの快感。
 そしてゆっくりと抽送が始まると、クリードのその逞しさを全身で実感するのだ。

「あっ、あんっ、あんっ、あんっ…んん〜っ…!」
「どうだ、ご褒美の味は?」
「んっ…凄いよ……膣内で擦れて……感じちゃうっ…!」

 クリードはゆっくりと両手を伸ばして露になった乳房を掌に納めると、大きく揉み解しながら腰を使う。
 キョウコは膝を曲げて胸元へ近づけるようにして両足を開き、クリードの胸板へと手を伸ばして抽送に身を震わせる。
 逞しいクリードの男性自身はキョウコの膣壁を激しく擦り上げ、子宮にまで届く程に深く貫いてくる。
 何度抱かれても、キョウコはその快感に翻弄されてしまうのだった。

「はぁっ、あっ、あっ、あっ……イイよぉっ……気持ちイイよぉっ…!」

 家でも、学校でも満たされる事は無く、クリードの傍に居る時だけが、キョウコにとって満たされた時が流れる瞬間。
 そしてその腕の中に抱かれ、愛される事だけが現実へと繋ぎとめる絆。
 「ご褒美」などと口にはしているが、キョウコがそれを求めてクリードの元を訪れるのは、それによって自分が癒されるのが解っているからなのだ。
 そして愛され、抱かれ、精を受ける事によって、キョウコは初めて生きている事を実感する。

「あんっ、あふぅっ……ク…クリード…さん……」
「どうした?」

 不意にキョウコがクリードの手に自らの手を重ね、真っ直ぐに瞳を見つめる。
 その仕草はキョウコが何かを訴えようとしている前兆だと知っているクリードは、動きを止めてその瞳を見つめ返した。

「キョウコが…上になってもいいですか…?」
「……ああ」

 それを求めてくるのは初めてではなかった。
 キョウコは上になり、自分がクリードを抱いているような感覚。それが好きだった。
 行為の終盤には必ずと言っていい程、キョウコは自らが主導権を握る事を求め、クリードもそれを受け入れた。

 椅子へと座り直したクリードの上に、跨るようにしてキョウコが身体を乗せる。
 そしてそそり立った男性自身に手を添えながら、ゆっくりと腰を降ろしていく。

「……んっ………んんっ……」

 キョウコはクリードの肩に置いた手で自らを支えながら体重を乗せてゆっくりと腰を降ろし、逞しくそそり立ったそれを完全に体内へと飲み込んだ。
 クリードの男性自身が脈打つのを膣内で感じながら、キョウコはゆっくりと大きく息を吐き出し、そして唇をクリードへと寄せる。
 軽く何度か唇を重ねた後、舌先を差し出して深く唇を重ねていく。
 そして丈の短いスカートに包まれたキョウコの可愛らしいお尻が、クリードの膝の上で緩やかに上下し始めた。

「んっ…んっ……はぁ……ふぁぁっ……!」

 艶かしく動くキョウコの細い腰。
 揺れるスカートの下では、クリードの物を濡れた秘唇が深々と飲み込んでいる。
 クリードはそんなキョウコの動きに身を任せたまま、目の前にある乳房に両手を伸ばし、その先端の突起を指先で弄ぶ。

「クリードさん…気持ちイイ…?」
「あぁ……お前はどうなんだ?」
「…んふぅ………スッゴイ…感じてるよ……もうイっちゃうかも……んっ……」

 その言葉の通り、キョウコの膣内は複雑に蠢きながら細かく痙攣し、その恍惚とした表情は絶頂が近い事を明確に表していた。
 肉体の快感と同時に、自らクリードを抱いているという思いが心の快感となり、キョウコの淫らな腰使いを更に加速させていく。
 くねるように、円を描くように動きながら、激しく上下に揺れてクリードの物を擦り上げる。

「あっ、あんっ……もうダメ……イっちゃうよぉ……!」

 腰の動きは更に加速し、淫らな水音をスカートの中から響かせながら、キョウコはクリードの上で身体を震わせる。
 再び深く唇を重ねて口内で舌を絡ませ合いながら、露になっている乳房をクリードの胸板に押し付ける。
 そして、このキスが合図であるかのように、クリードは手を伸ばしてキョウコのお尻を抱えると、タイミングを合わせて下から突き上げ始めた。
 その激しい快感に堪らずキョウコは唇を離し、自ら腰を動かすのも忘れて甘い叫びを放つ。

「あっ、ああっ、あんっ、ダメダメぇっ…イクっ…イクっ…キョウコ…イッちゃいますぅっ……!!」

 激しく頭を振って髪を振り乱しながら絶頂を叫ぶキョウコ。
 膣内は激しく痙攣してクリードの物を締め上げ、そしてその瞬間を迎えた。
 一瞬クリードが表情を歪め、次の瞬間、最も深く貫くのと同時に勢いよく精を注ぎ込む。
 そして流れ込む大量の精を受け止めながら、キョウコはクリードの腕を支えにして大きく仰け反り、絶頂へと達していた。

「んぁぁぁぁぁっ……イッちゃうぅ〜〜〜っ……!!!」

 その表情は満ち足りて、普段の幼さを微塵も感じさせない女の表情だった。
 そして、その表情を見る事を許された唯一の男クリードも口元に満足げな笑みを浮かべ、二人はゆっくりと視線を絡ませ合うと、笑みを浮かべ合いながら唇を重ねていった。

「じゃ、私は戻りますねぇ〜」
「あぁ」
「……ご褒美、どもでした☆」

 手早く身支度を整えると、キョウコは可愛らしく微笑みながらクリードの部屋を後にする。
 それを見つめながら、クリードは再び書類を手にして視線を落とすのだった。

END