「Subordination and falsehood」ロードス島戦記

 

Subordination and falsehood

 男の名はロウル。この街の砦の最高責任者という立場を持つ、ディードの期待通りの男だった。
 この男に取り入って傍に居れば、求めているパーンらしき虜囚の情報を得る事ができるだろう。
 例えこの身を辱められ続けたとしても、今のディードには選択すべき手が他には無かった。

 裸で椅子にどっかりと腰を降ろした男の前に跪き、上目使いに男の表情を覗う。
 男はその酒に酔った瞳で黙って見下ろし、視線で跪いたディードリットを促す。
「……はい……ご奉仕させて頂きます……ご主人様…」
 ディードは微かに上気させた頬で頷き返し、そっと男の萎えた男性器へと手を伸ばすした。
 両手で萎えた物を支えるようにして持ち上げ、愛らしい唇を僅かに開いて近付けると、可愛らしい舌を伸ばす。
 伸ばした舌で子猫がミルクを舐めるように男の物を裏側から舐め上げ、男の物を唾液で濡らしていく。
「ふふふ……」
 満足げな笑みを浮かべてディードを見下ろしながら、男はディードの美しく長い髪を指先に絡める。
 微かに頬を染めて、ディードは丹念に男の物を舐め上げると、固くなり始めた男の物を口に含んでいった。
 先端から全てを咥え込み、唇で刺激するようにゆっくりと頭を前後させると、男が小さな声を漏らした。
「お……」
 緩やかに髪を揺らしながら頭を前後に動かし、口内では舌を男の物へと絡めている。
 まるで愛する男に対するかのような愛情を込めたディードの奉仕に、ディードの口内で男の物は一気に固くそそり立っていく。
 改めて感じる男の大きさと逞しさに、ディードは唾液に濡れた男の物を口から離し、茎の部分を手で擦り上げながら潤んだ瞳で見つめる。
「それがお前を悦ばせるんじゃ…丹念にな」
「はい……ご主人様…」
 再び男の物を咥え込んで再開されたディードの奉仕は、男がディードの口腔へと精を放つまで続けられた。

「さて…儂の物が回復するまで……お前が独りでする所を見せてもらうとするか」
 飲みきれなかった男の精を口の端から零し、それを拭おうともせずに見上げているディードに男が指示を出す。
 男の指示に黙って頷き返すと、ディードは男に尻を向けるようにして床に四つん這いになり、首を廻して男の表情を覗う。
 瞳で男が促すと、ディードはゆっくりと手を下肢へと伸ばしていった。
「んっ……」
 若草のような恥毛を掻き分け、既に微かに潤んでいた蜜壺へと指先を伸ばすと、そこは易々とディードの細い指先を飲み込んでいく。
 男への奉仕で既に高まっていたディードは、前置きも無く指を出し入れさせ始める。
 背後の男がよく見えるようにと、人差し指と薬指で秘唇を左右に開き、溢れる蜜を絡みつかせて中指が動く。
 その姿勢ではそれほど深くまでは入れる事が出来なかったが、膣口から近く浅い部分が最も敏感な部分でもある。
 腰をくねらせて白く小振りなお尻を揺らしながら、ディードは男を誘うかのように甘い声を漏らす。
「あっ…んんっ……んっ……イイ……はぁっ……!」
 男はそれを眺めながら、萎えた自分の分身をゆっくりと擦り上げていた。
 ディードの指先は単調な出し入れだけの動きから、次第に複雑な動きへと変わっていく。
 巧みに指先で自らを慰めつつ、この街での生活から身に付いた淫らな言葉がディードの愛らしい口から漏れる。
「はぁっ……んっ……私の…いやらしい姿を…見て……見て下さいっ……!」
 男を喜ばせる為に覚えた数々の仕草や言葉。
 無意識のうちにそれらが出てきてしまう事が、今のディードを物語っている。
 指先の動きと男の視線が生み出す快感に震えながら、ディードは淫らな声音を部屋中に響かせ続けた。
「あっ、あっ、あぅんっ…!、んふっ……くはぁっ……!!」
 襲いかかる快感に激しく頭を振り、その美しい髪を宙に舞わせながら淫らに喘ぐディード。
 指先の動きは更に激しさを増し、淫猥な水音を響かせながら激しく膣内を出入りしている。
 見つめる男の物も固さを取り戻しつつあり、それを擦り上げる手の速度も加速していた。
 欲望の色に輝く瞳でディードの痴態を眺めながら、男は己の内の欲望を脹らませていく。
「ご主人さまぁ……私…私っ…んんっ…!!」
 太股から床へと溢れた蜜を滴らせ、ディードの指先は絶頂までの道筋を確実に辿る。
 小さく震える肌。断続的に漏れる切ない喘ぎ。
 絶頂まで後僅かという所で、男の声が甘い嬌声を遮った。
「……止めるんだ」
 椅子から立ち上がった男はそう言うと、ディードの手を股間から引き剥がす。
 一瞬、恨めしそうな表情で男を振り返ったディードだったが、男の股間を見てそれはすぐに消え去る。
「嬉しそうな顔をしおって…」
 男にそう言われて初めて、ディードは自分の表情に気がつき、羞恥に頬を染めて俯いた。

「これが…何だか解るじゃろう」
 男が手にしている物を見て、ディードは小さく頷き返す。それは皮製の首輪。
 そしてそれが何を意味しているのか、ディードは一瞬で覚っていた。
「お前が儂に隷属する証じゃ……」
 ディードの予想通りの言葉を呟きながら、男はそれをディードの首へと廻す。
 銀の意匠が施された首輪を着けられると、ディードは男の前に跪いた。
「良く似合っておるわ…その白い肌に映えるのう」
 男は満足げに頷きながら、ディードを寝台へ向かうように促した。
 微かに開いた窓から月明かりが射し込み、寝台へと向かうディードの裸身を照らし出す。
 月明かりに輝く金色の髪と白い肌、そして対照的な闇の色をした皮の首輪。
 男の中で燃え上がる情欲の炎が、音を立てて激しく勢いを増していった。

 寝台の上へと身を横たえると、ディードは自ら両足を抱えるようにして濡れた秘所を露にして男の視線に晒す。
 まるで呼吸しているかのように一定の律動で蠢きながら、可憐な蜜壺は甘い蜜を滴らせている。
「早く……早く下さい……ご主人様…」
 媚びるような色を含んだ鈴の音のような声音。
 男の股間で脈打っていた物が、それだけで更に大きさを増す。
「そう急かすでない…ふふふ」
 軽く右手で自分の物を擦りながら、両足を開いたディードの前へと男は立つ。
 そして男の物が添えられた瞬間、ディードの口から期待と喜びに満ちた声が漏れた。
「あぁ……」
 しかし男は直には挿入しようとはせず、濡れた秘所に擦り付けるようにして腰を軽く前後に動かす。
「いやぁ……入れてっ……早く欲しいのぉっ……!」
 絶頂の寸前まで昇りつめかけていたディードは、その焦らすような動きに耐えられずに哀願する。
 しかし男はただ笑みを浮かべるだけで、一向に入れようとはしない。
 蜜壺から溢れる蜜を塗りつけるかのように、男は繰り返し腰を動かし続けた。
「焦らさないでっ…もう…もう……我慢できないのぉっ……!!」
 ディードがそう叫んだ瞬間、男の動きが止まり、ディードに覆い被さるように顔を近付けた。
「ならば……何が目的で儂に近付いたか言うのじゃ」
 男の言葉が氷の矢のようにディードの心臓に突き刺さる。
 目的までは知らなくとも、男はディードが何らかの目的で近づいて来た事を知っていた。
 娼館に出入りする客立ちに、砦の人物について尋ねたいたのが裏目に出たのか。
 男はどこからかその情報を得て、自らディードへと近付いたのだ。
「そ……それは…………」
 言葉に詰まるディードに、男は再び腰を動かし始める。
 熱く潤んだ秘唇とクリトリスとを男の物が滑らかに擦り上げる。
「あぁっ……ひぅっ……!」
「正直に言えば…楽にしてやるぞ」
 そう言われても、話してしまってはこれまでの努力が全て水泡に帰してしまう。
 焦れるような快感に絶えながらディードが必死に考えた言葉は「金」だった。
「ほう……エルフが金に執着するとは…聞いた事が無いのう…」
 納得しかねる表情で男は首を傾げ、再びディードを問い詰める。
「本当に…金なんじゃろうな…?」
「はいっ……だから……だからっ………!」
 切迫したディードの声は、嘘を見ぬかれまいとする為か、それとも早く満たされたいという思いからか。
 射抜くような鋭い視線でディードを見つめていた男は、ようやくディードの言葉を受け入れて上半身を起こす。
「まあよい……ならば…儂に隷属したのは嘘ではないのだな?」
「はいっ、はいっ…だから…ご主人様っ……お情けをっ……!!」
 涙まで流して訴えるディードに、男は満足げに頷き返した。
 すっかり全てをディードの蜜で濡らした自分の物に手を添えると、その先端を濡れた秘唇へとあてがう。
「……待ち望んでいたものじゃ…しっかりと味わえ!」
「ふあぁぁぁぁぁっ!!」
 一気に男の物で貫かれ、上体を仰け反らせながら喘ぐディード。
 焦れていた全身は秘所から広がる充実感に包まれ、白い肌は一気に桜色に染まっていった。
 ディードが抱えていた両足を掴み、持ち上げるようにして激しく貫く男。
「はぁっ!、あっ、あっ、あっ、んぁぁっ!!」
 激しい男の抽送によって秘唇は捲れ上がり、膣内に溜まっていた蜜は溢れ出して寝台を濡らす。
 小振りの乳房を激しく震わせながら、ディードは男に貫かれるがままに甘い嬌声を部屋中に響かせる。
 待ちわびていた物を受け入れた膣内は、その襞の全てが生き物のように蠢き、激しく男の物に絡み付いて蠢く。
 男はそのまま上半身を倒して顔を近づけ、ディードに見えるように舌を差し出す。
「あぁっ…はぁんっ!、んっ、あんっ…!、……んっ……んんっ……」
 薄く開いた瞳でそれを捕えると、ディードは躊躇う事無く舌を伸ばして男に絡めていく。
 そのまま二つの唇が重なり合い、流し込まれる男の唾液をディードが嚥下していった。
 唇を重ねて舌を絡ませ合いながらも、男はディードの腰が浮き上がりそうな程に激しい抽送を送り込み続ける。
(気持ちいい……もう……何も考えられない……)
 焦らしに焦らされた上にいきなり激しい抽送を加えられ、ディードの身も心も快感に蕩けきっていく。
 今再び男に問い掛けられれば、ディードは逆らえずに真実を語っていたかもしれない。
 それ程までに激しい快感がディードの全身だけでなく、心までを包み込んでいた。
「あぁっ…イイっ…!、ご主人様の…大きいのがっ……奥まで届いてるのぉっ……!!」
 我を忘れて淫らに喘ぎながら、染み付いた娼館での生活はディードに媚びる事を忘れさせない。
 そして身体は自然に快感を求めて蠢き、より深く男の物を迎え入れようと腰が淫らにくねる。
「はぅっ……もうダメぇっ……イっちゃう…私…イっちゃうっ……!!」
 自慰行為によって限界まで高まり、男に焦らされた上で貫かれたディードは、呆気なく最後の瞬間を迎えようとしていた。
 だが、それは男も同じだった。
「膣内に…たっぷりと注いでやるぞ……そらっ!」
 こみ上げてくる射精感を堪えようともせず、男はディードの体内の奥深くへと精を注ぐ。
 津波のように膣内から子宮へと流れ込む男の精。
「あぁぁっ…イクぅっ……!!」
 男に隷属する事によって得られた絶頂へと、靄のかかった意識の中でディードは落ちていった。



 寝台の上に腰を降ろした男の上に、向かい合うようにして腰を降ろして身体を密着させるディード。
 既に男の精を受け止めている秘所は易々と男の物を飲み込み、秘唇が絡みつくように締め付ける。
「んっ………んふぅ…………んんっ……」
 男の首に両手を廻し、潤んだ瞳を閉じて唇を重ねる。
 ディードの頭へと伸ばされた男の手は、ゆっくりと髪を撫でながら背中へと下りていく。
 男の指先に背筋を軽く撫でられると、震えるような快感がディードの全身を駆け抜ける。
「……んっ…ふぅっ………」
 その快感に甘く気だるい吐息を鼻腔から漏らし、ディードはゆっくりと腰を動かし始めた。
 男の物が抜けてしまう寸前まで腰を持ち上げ、擦り上げられる快感に身を震わせながら腰を落とす。
 淫らな律動で腰をくねらせながら、ディードは唇を男の口から顎、首筋、肩口へと移していく。
 自ら快感を得るというよりは、全身を使って男に奉仕しているといった感じだ。
「あっ……んくぅっ……ふぁっ……!」
 それでも逞しい男の物に貫かれている事には変わらず、次第に甘い喘ぎが唇から漏れ始める。
 一定の律動だった腰の動きも変化を見せ始め、その速度も加速していく。
 男の身体にしがみ付くようにして身体を支えながら、ディードの腰は淫らにくねって男の物を擦り上げる。
「ご…ご主人様っ………お願い…しますっ……!」
 その言葉の意味は明らかだった。
 男もそれは察しており、ディードの動きに合わせて下から突き上げ始める。
「あっ、あぁっ!、イイっ…凄いのぉっ…!、あんっ、んんっ、んはぁっ…!」
 軽やかに舞うディードの身体に合わせて、美しい髪がまるで水面に浮かんだかのように宙を舞う。
「…はっ……はっ……んんっ……んーーーっ……!!」
 軽い絶頂感を迎えながらも、より大きな絶頂を求めてディードの細い身体は休み無く動き続け、膣内が収縮して男の物へと刺激を送る。
 二度の射精を経た男とは違い、燃え上がったディードの身体は簡単に激しい絶頂を迎えてしまう。
 男の首に廻した手で強くしがみ付き、その細い両肩を震わせながらディードは達した。
「イクっ…イきますっ……イっちゃいますっ……やっ、あっ、あっ、あぁぁぁっ…!!」
 痙攣するかのようにディードの腰が震え、荒い吐息と共に甘い小さな溜息が漏れた。
「儂はまだ果てておらんぞ…」
 射精感はこみ上げていたが、二度の射精が男を激しいディードの膣内の締め付けに耐えさせていた。
 男は脱力したディードをそのまま寝台へと押し倒し、足首を掴んでうつ伏せにさせる。
 脚に力の入らないディードの腰を抱えて無理矢理に腰を浮かさせると、男は背後から挿入した。
「あぁぁぅっ…!!」
 勢い良く男の物に貫かれただけで、ディードは再び達してしまう。
 男はそのまま激しく腰を振り、肉のぶつかる乾いた音を響かせながら荒々しく蜜壺を掻き乱した。
「はぁぁっ…!、またっ…またイっちゃうっ…イクイクイクぅっ…!!」
 間を置かずに襲いかかる絶頂の波に翻弄され、ディードは泣き叫びながらシーツを握り締める。
 激しい抽送で男もようやく限界へと近付き、深く膣内を突き上げる動きにも拍車がかかる。
「これからっ……毎晩っ……可愛がって……やるからなぁっ…!!」
 ディードの滑らかな背中へと汗を滴り落とし、男は叫びながらこみ上げる射精感を解放した。
「はいっ……ご主人…様ぁっ……はぁぁぁぁんっ!!」
 まるでディードが隷属した証のように、膣内から子宮へと男の精液が流れ込む。
 その感触だけで再び絶頂へと昇りつめながら、ディードの意識は薄れていった。