「One Night Slave」ロードス島戦記

 

One Night Slave

 
「え?」
 手にしてたレイピアから顔を上げて、ディードは目の前の人物に顔を向けた。
「パーンが…マーモの手に落ちたそうです」
 スレインはあくまで冷静さを失わずに、衝撃的な事実をディードに繰り返し告げた。

 カラン…

 手にしていたレイピアが床へと落ちて乾いた音を立てる。

(そんな…パーンが………)
 虚ろな瞳でディードはスレインを見つめるが、スレインは黙って視線を外してしまう。
 それが、先ほどの言葉が現実である事を告げる。
「た、助けに行かなきゃっ…!」
 気を取り直し、慌てて立ち上がったディードをスレインの声が冷たく引き止めた。
「どこへ…助けに行くというのです」
「あ……」
 その言葉にディードは改めてスレインを見返したが、スレインはただ黙って頭を振るだけだった。
「そんなっ…どこへ連れて行かれたのか解らないって言うのっ!」
 ハイエルフらしからぬ感情的な声音で叫ぶディード。
 スレインは無言でそれに応えた。
「そんな…そんな………パーン………!!」
 あまりに絶望的な状況に、ディードは力なくその場に崩れ落ちた。
 
 パーンがマーモに捕らえられたと聞かされてから、ディードは魂が抜けたかのように表情を無くした。
 レイリアや周囲の人間が慰めようと必死になって話し掛けるが、その言葉はディードの耳には届かなかった。
 愛する人間が敵の手に落ち、その生死すら解らないという状況。
 何もする事のできない自分に悲しさと虚しさがディードを襲う。
(パーン………)
 パーンの所在さえ明らかになれば、ディードはたった一人でも助けに向かうだろう。
 逆に言えば、この広いロードス島で、当ても無く探すことなど不可能なのだ。
 解っている情報といえば、マーモの特殊部隊と偶発戦闘に入り、そこで捕らわれたという事だけ。
(………)
 苛立ちと焦燥感の中で無為に過ごす日々が、ディードの精神を綻ばせていった。
 しかし、悶々と情報が入ってくるのを待つのはディードの気性では無理な事。
 情報が入ってこないのであれば、自分で集めに行けば良い。
 そう結論が出るまでに、それほど長い時間は必要では無かった。

「…………止めても無駄なのですね」
「ええ」
 ディードの表情を見つめていたスレインは、ロードス全土を巡ってでも情報を集めると言うディードを引き止める事を諦めた。
 可能であれば自分も手助けがしたかったが、今のスレインの立場ではそれもできない。
 必要最小限の荷物を整えたディードは、スレインとレイリアだけに挨拶をすませると、一人ザクソンを後にした。
 パーンを探し出す為に。

 ザクソンを発ってから30日あまりの時が過ぎた。
 それまでの小さな村々では大した情報は得ることができなかったが、ようやく辿り着いたこの街ならばと、ディードの胸に小さな期待が湧き上がる。
 そしてその期待は、望み通りの結果となってディードの前に現れた。
「それは本当なのね!?」
 訪れたギルドに紹介された情報屋は、パーンらしき人物を見たと言う。
 ディードは掴みかかりそうな剣幕で情報屋を問い詰める。
 しかし、情報屋も商売道具である情報を無償で差し出す訳が無く、意味ありげな瞳でディードを見つめ返している。
「お、お金なら…」
「んな物じゃ駄目だぜ」
「え………」
 懐から金貨を取り出そうとしたディードの手を、男の言葉が止めさせた。
 戸惑い気味に情報屋を見返したディードを、男は舌なめずりしながら熱い瞳で見つめる。
 ようやくディードも、その瞳に宿る光の意味を察した。
「…………………解ったわ…」
 屈辱的な要求ではあったが、今のディードは背に腹は変えられない状況だ。素直に男の要求に従う他には無かった。
「商談成立だな。こっちに来な…」
 踵を返して薄暗い奥の部屋へと向かう男。ディードは覚悟を決めてその背中の後に続いた。

「一度で良いからエルフとヤってみたかったんだ…たまんねぇなァ…この肌」
 男の舌がディードの頬を這い回る。
「くぅ……」
 嫌悪感を必死に堪えて、ディードは男にされるがままに身を任せる。
「朝まで時間はたっぷりとある……ゆっくり楽しもうや…」
 男はディードの身体を抱き締めて耳元で囁くと、そのまま簡素な寝台の上へと細身の身体を押し倒していった。

 薄暗い部屋の中で、衣服を脱がされたディードの甘い吐息が漏れる。
「くふぅ…………んっ!!、……はぁ……」
 小振りだが形の整った乳房を揉みほぐしながら、男は繰り返しディードに唇を重ねている。
 白皙のようなディードの肌は微かに桜色に染まり、鼻にかかった吐息は甘い香りを含み始めていた。
 男は始めて味わうハイエルフの肌の感触を楽しみながら、ディードの肌を自分の唾液で濡らしていく。
「思った通り最高だぜ…この滑らかさ…肌触り…指に吸いついてくるみたいだぜ」
 両手で搾り込むように可憐な乳房を揉みほぐしながら、先端の突起の周囲に舌先を這わせる。
 口に含んで吸い上げ、舌先で弾き、甘噛みする。胸の先端から広がる甘い刺激に、ディードは堪らず身をよじらせた。
「やぁ……ふぁっ…!!」
 久しぶりに感じる痺れるような快感と人の体温。心とは裏腹に、ディードの肉体は目覚めていく。
 肉体の内側から湧き上がってくる押さえ切れない衝動。
(駄目……我慢できなくなるっ………)
「へへ…感度も上々だな」
 男の言葉に頬を染めて顔を反らすディード。男はその横顔に顔を近づけ、耳元で囁くように話しかける。
「どうせ今夜限りなんだ…楽しもうぜ」
 言いながらも人差し指と親指で胸の突起を摘み上げるように弄び、唾液に光った舌先をディードの頬に這わせる。
 嫌悪感を抱くはずの感触だったが、それ以上にディードは背筋が震えるような快感を覚えた。
「誰に知れるって訳じゃねぇんだ……素直になれよ」
 男が差し出した甘い言葉の罠に、押さえ続けていた衝動が溢れ出した。
 ディードの上に覆い被さって舌を差し出す男。ディードは一瞬の戸惑いの後、可憐な舌先を伸ばしてそれを受け入れた。

 艶かしく二つの舌が絡み合い、互いの口から唾液が零れ落ちる。
「んっ……んんぅ……」
 男の手はディードの膝を割って進み、淡い翳りの下へと潜り込んでいた。
 茂みの奥で息づく泉を探り当て、二本の指で潤いを見せ始めた泉を掻き混ぜる。
 粘性の少ないディードの蜜を指先に絡め取りながら、男は激しく指を出し入れさせた。
「あっ、あっ、あっ、はぁんっ!!」
 思わずディードは男の腕にしがみ付き、滑らかな髪を振り乱しながら頭を振って甘い叫び声を上げる。
 手と舌と唇による乳房への愛撫も続けながら、男の指先は荒々しくディードの蜜壺を蹂躙する。
 パーンのディードを気遣った優しい愛撫とは違う、男の荒々しくも女の急所を的確に捉えた愛撫に、ディードの理性が弾け飛ぶのも無理は無かった。
 男の乱暴とも言える指使いに、自然にディードの腰が浮き上がっていく。
「やぁぁぁぁっ!、あんっ!、んっ、んんっ!!、痺れちゃうっ!!」
 若草のような翳りの下から、男の手首まで濡らす程に蜜を溢れさせ、ディードは淫らに腰をくねらせる。
 部屋の中に男の息使いと水音、そしてディードの甘い嬌声が響き渡る。
「いい声で鳴くぜ……ここがイイんだろ?」
 ディードの反応から探り当てた膣内の箇所を、男は指を折り曲げて掻くように刺激する。
 その瞬間、ディードの身体が小刻みに跳ね、軽い絶頂へと昇りつめた。
(もうっ……駄目っ……!!)
「ひんっ……!!、んぁぁぁっ!!」

 四肢を広げるようにして寝台に横になり、荒い呼吸に胸を上下させているディード。
 男はディードの足元へと移ると、細く美しい両足をM字のように広げて持ち上げた。
 ディードの蜜壺が男の眼前に露になり、とろりと雫が伝って落ちた。
 軽い絶頂の余韻に痺れたそこは、まるで呼吸するかのようにヒクヒクと蠢いて男を誘う。
「これがエルフの……可愛いもんじゃねぇか…」
 男が指先で秘唇を割り開くと、中から溜まっていた愛液が零れ落ちる。
 ディードは自分の乳房越しに、その光景を混濁した意識の下で眺めていた。
 その艶かしい光景に暫し見とれていた男は、羞恥に染まったディードの表情を一瞥すると、舌先を尖らせて膣口へと潜り込ませていった。
 男の舌が潜り込む感触に、ディードの背中を電流のような快感が駆け抜ける。
「あっ………くふぅ……んっ……!」
 襞の一枚一枚を丹念に舐め上げつつ、まるで真珠のような突起を唾液を塗して転がす。
 先程の荒々しい愛撫とは一転して、愛しむような男の優しい舌使い。
 決して清潔とは言い難いシーツを掻き乱しながら、その甘い快感の波にディードの身体は飲み込まれていく。
「やっぱりエルフもココが一番感じるんだろ?」
 そう言うと男は小豆大の突起を集中的に愛撫する。
(そこっ……感じちゃうっ……凄いっ……!)
 指先で包皮を剥いて露にさせ、たっぷりと唾液を塗して舌先で弄ぶ。
「ひんっ…!、んぁっ!、駄目っ……欲しい……もう欲しいのっ……!」
 浅ましいとは思いつつも、男の的を得た愛撫に限界まで高まったディードは、頬を真っ赤に染めて愛玩する。
「お、お願い……これ以上焦らされたら…」
 またも襲い来る小さな絶頂の波に身体を震わせながら、潤んだ瞳で男を見つめる。
 男はディードの求めに応じるかのように、ディードの下半身を解放し、自分の衣服へと手をかけた。
 粗末な衣服の下からは、明かに鍛え上げられた肉体が露になる。ディードは思わずその逞しさに見とれた。
 それは男の男性器も同じだった。
 いけないとは思いつつも、ついパーンの物と比べてしまう。
(…パーンのより……二周りは…ある……)
 腹に触れる程に隆々とそそり立った物を握り締め、ディードへ見せ付けるかのように擦り上げる。
 無意識のうちにディードは唾を飲み込んでいた。
 男の物が与えるであろう快感を想像し、女の部分が激しく疼いてくる。
「……来て………」
 男を迎え入れようと開かれたディードの両足の間に、男は自分の身体を滑り込ませた。
「へへ…いくぜ…」
 数度、先端で潤った蜜壺を撫でると、男は体重を乗せて一気に貫いた。
 その圧力に仰け反りながら、ディードは歓喜の叫びを上げる。
「いいっ…凄いっ……大きいのぉっ……!!」
 男は親指の腹で包皮から顔を覗かせている突起を弄びながら、緩やかに抽送を送り込む。
 子宮口まで届く程に根元まで挿入し、先端が抜けるギリギリの所まで引き戻す。そして再びゆっくりと根元まで埋没させる。
 まるでディードの膣内の感触を楽しむかのように、男はそんな動きを繰り返した。
 男の身体の下で喘ぐディードも、両足を男の腰に絡めて自ら腰を擦り付けるように動かす。
「あんんっ…んくぅっ…!、んっ、んんっ……はぁっ……!」
 艶かしく絡み合う二人の姿が、小さな灯りに照らされて影絵となって壁に映し出される。
 透きとおる程に白かったディードの肌は桜色に染まり、薄っすらと玉のような汗が浮かんでいた。
 大きく仰け反って頭を振り、その美しい髪を振り乱す。
 緩やかながら巧みに変化を付けた男の抽送によって生み出される快感に、理性の弾けてディードは我を忘れて溺れた。
 肉欲だけに支配された一匹の雌となり、男の動きに合わせて身をよじらせ、甘い叫びを上げ続ける。
「いっ…いいのぉっ……ふぁんっ!!」
 甘い旋律となって耳に届く調を聴きながら、男は改めてディードの肉体に心の中で感嘆していた。
(最高だぜ、全く…たまんねぇ……)
 男は沸きあがる欲望を押さえきれず、ディードの両足を持ち上げるようにして肩に乗せ、抽送の速度を早めていった。
 蜜の飛沫を飛び散らせながら、激しく出入りする男の物。
 その動きの激しさにディードの乳房も前後に激しく揺れ、シーツを握り締めていた手にも力が入り、漏れる叫びも大きくなっていく。
「やっ、あっ、んっ!、駄目っ…凄いのぉっ!!、こ…壊れちゃうっ…!!」
 その勢いを表すかのような、二人が繋がった部分から響く激しい水音。そして乾いた肉のぶつかる音が部屋に木霊した。
 そして突然激しくなった抽送に、男もディードも一気に限界へと達しようとしていた。
(イっちゃう…もうイっちゃうっ……)
 男の表情は険しくなり、ディードの身体も男の下で小刻みに震え出す。
「あっ、あっ、あっ、あっ、イクっ!、イっちゃうっ!!」
「俺もだっ…いくぜ…膣内に出すぜっ…」
「来てぇっ…!、膣内に…膣内にいっぱい頂戴っ……ふぁぁぁぁぁっ!!」
 最後の一突きと同時に放たれる男の精。
 流れ込む体液の温かさを子宮の奥で感じながら、ディードも大きな絶頂の波に飲み込まれていった。

「ん……ぢゅっ……ぢゅぶ……」
 寝台の上に足を広げて座った男の足元に座り、男の股間に顔を埋めるディード。
 射精したばかりだと言うのに全く固さを失わない男の物に、ディードは愛しそうに舌を這わせていた。
 髪と同じ色の淡い色合いの恥毛に隠れた肉襞の奥からは、男が注ぎ込んだ精とディードの蜜が交じり合った液体が零れ落ちている。
 愛する者以外に教え込まれた肉の悦び。
 傍らに居るはずの存在が欠けた事が、ディードの中に眠っていた欲望という名の悪夢を呼び覚ましてしまったのか。
 そそり立った男の物に舌を絡めるディードの瞳は、熱く潤んで男を上目使いに媚びるように見つめている。
 流れ落ちる髪をかき上げ、男の物をゆっくりと先端から飲み込んでいく。
 唇をすぼめて刺激しながら、口内では激しく舌を絡めている。
「う……いいぜ……もっと…そう、そこだ……く…」
 艶かしく淫らに蠢くディードの舌に、男は腰の辺りが痺れるような感覚を覚える。
 まるで娼婦のように、唇と舌と両手を巧みに使って奉仕を繰り返す。
 先程まで自分を貫いていた物を口に咥え、媚びるように奉仕を続ける自分自身に、ディードの身体に灯った官能の残り火が赤々と再び勢いを取り戻す。
 自然に手が股間へと伸び、潤ったままの蜜壺へと指先が沈んでいく。
 指先が秘肉を広げると、男が放った精が襞の間から零れ落ち、太股を伝って寝台の上へと染みを広げる。
(欲しい……私…また欲しくなってる……)
 内から湧き上がる欲望に、はしたないとは思いつつも、ディードは求めずにはいられなかった。
「ね……ねぇ………」
 それだけで男は理解した。ディードの表情と声音、その態度の全てが明かにしていた。
「欲しいんだろ?、今度はどんな風にして欲しい?」
 男の言葉にディードは躊躇う。
 だがそれも一瞬の事。湧き上がる欲望に今のディードが逆らえるはずもなく、ゆっくりと唇が開かれていく。
「…犯して………荒々しく…乱暴に……私を…私を……辱めて………」
 その長い耳の先まで朱に染めて、羞恥に俯きながらディードは言った。
 自分でも知らなかった被虐的な性癖が目覚めつつある事を、先程からディードは感じていた。
 
 男の目が光る。
「そっちの趣味があったとはな………いいぜ」
 気高く美しいエルフを思うが侭に蹂躙する。好色な男がそれを断るはずも無かった。
「尻をこっちに向けて四つん這いになりな…そうだ。自分で広げて見せろ」
 男に命じられるがままに寝台の上で四つん這いになり、手を伸ばして肉襞を広げて見せる。
 そこに男の視線が突き刺さるだけで、蜜壺からは大量の蜜が溢れ出した。
(見られてる……奥まで見られてる……)
 顔が真っ赤になる程に羞恥心を刺激されながらも、心の奥底では悦びに震えている
「いい眺めだぜ。しかし…見られるだけで感じるとはな。ここも…とろとろじゃねぇか」
 男は中指を熱く潤んだ膣内へと潜り込ませ、中の蜜を掻き出す様に指を動かす。
「い…言わないで……恥かしい……んっ……」
 シーツに羞恥に染まった顔を埋め、自らの手で秘肉を開いたまま快感に腰をくねらせるディード。
 まるでディードの弱い部分を全て知り尽くしているかのように、男の指は巧みに蜜壺の中を掻き回した。
 そして不意に男の指が離れ、ゆっくりと場所を移し始める。
(え…………)
 男の指は双丘の間で微かに蠢くアナルへと辿り着いた。
「そ、そこはっ……!」
「こっちの経験は無いんだな?」
 男の問い掛けにディードは素直に頷く。男は躊躇う事なく指を進め、愛液に濡れた指をアナルへと潜り込ませていく。
 異物を受け入れる不快感にディードの表情が曇る。しかしそれも僅かな間の事でしかなかった。
 気遣いながら巧みに指を動かし、男はゆっくりとディードのアナルをほぐしていく。
 不快感は瞬く間に焦れるようなむず痒い快感へと変化し、甘い溜息を紡ぎ出していった。
「ん……ふぁ……くふぅ……」
「こっちも悪くないみたいだな…どうする?、こっちに入れてやろうか?」
 男の言葉にディードは戸惑う。未知の快感への興味もあったが、同時に恐怖心も湧き上がってくる。
 そして何より、男のアナルへの愛撫によって、桜色の花弁からは絶え間無く蜜が溢れて疼いていた。
「ま、前の方に…頂戴……」
「前じゃ解らねぇよ。どこをどうして欲しいんだ?」
 男が何を求めているのか、ディードにもよく解っていた。
 気高いハイエルフである自分を貶め、辱める事を男は望んでいた。それはまた、ディードが望んでいる事でもあった。
 アナルから指を抜き、身体を離してディードの言葉を待つ男。
(言わなくちゃ…してもらえない……)
 男によって書かれたシナリオ通りの台詞を、微かな躊躇いを押しのける身体の疼きが口から放たせる。
「私の……いやらしい穴を……思いきり犯して下さい…」
 自らの指先で蜜の滴る秘肉を開いて見せ、腰をくねらせて男を求めるディード。
 その扇情的な姿に、男は堪らず背後から覆い被さっていった。

 ディードの腰に手を添えて、勢い良く膣内へと挿入する。
 男の怒張によって一気に膣内が広がり、膣内に溜まっていた愛液が押し出されるようにして溢れ出した。
「んくぅっ……!、…入って…くるっ…………ご主人さま………」
 根元まで一気に埋没させると、男は勢い良く抽送を開始する。
 子宮に届く程の勢いで貫きながら、男は好色そうな笑みを浮かべて蔑むような言葉を投げつけた。
「念願の物だ…嬉しいだろ?」
「嬉しいっ……大きいのが…中で擦れて……はぅんんっ!!」
 先程より余裕のある男は、ディードの乱れる様を楽しみながら抽送を続けた。
 男の激しい抽送によって、豊かとは言えないが形の良い乳房が激しく前後に揺れ、背中から零れ落ちた髪も軽やかに舞っている。
「ひんっ!、んっ、んくぅっ!、あっ、あああんっ!!」
 上半身を完全に寝台に預け、シーツを掻きむしりながら乱れるディード。
 口をついて出るのは言葉にならない甘い快感の叫び。
(堪らないっ……凄く感じちゃうっ!!)
 男の動きに合わせて自らも腰をくねらせて押し付け、更なる快感を求めて淫らに蠢く。
 それに応えるようにして、男も一層激しくディードの熟れた蜜壺を貫いた。
 肉のぶつかる乾いた音と、二人の結合部からの淫猥な水音を響かせながら、二人は夢中になって快楽を貪りあった。
 
 体位を変え、飽く事無く互いを貪りあう二人。
 座った男と向かい合うようにして男の上に腰を降ろし、抱き合って繋がる。
 差し出された男の舌をついばむようにして舌を絡めながら、自ら腰を激しく上下させて男の物を咥え込む。
「んっ……んんっ……!」
 男の胸板に押し付けられた乳房。その先端が擦れて痺れるような快感をディードに与える。
「はぅんっ……んんっ……はぁっ!、あっ…あっ、あっ、あっ、ああああっ!!」
 すすり泣くような喘ぎを漏らしながら、ディードは男との行為に酔いしれていた。
 何もかもを忘れ、ただ一匹の雌として快楽を貪る事が、これ程の快感をもたらすとは予想すらしていなかった。
 大きく翼を広げて飛び立ったディードの中に眠っていた女の性。
 男の手によって完全に目覚めた性は、飽きる事無く快感を求め続けた。
「いいっ!、いいのぉっ!、イっちゃうっ!、イっちゃうよぉっ!!」
 激しく下から男に突き上げられ、頭を振って乱れ喘ぐディード。
「中に出したら…一緒にイケよ…」
 微かに眉を歪めながら男は言う。
「んっ、んっ、はぁんっ!、……は…い……ご主人さまぁ……!」
 甘えるように男の唇を求め、積極的に口内へと舌を潜り込ませるディード。
 満足げにその舌を受け止めながら、男は更に激しく突き上げ始めた。
「よし…いくぞ……出すぞ!」
「出してっ!、いっぱい…いっぱい注ぎ込んでぇっ……はぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 絶頂と同時に仰け反るディードの腰を抱え、男は収縮するように蠢く膣内へと思いきり精を放った。
 男の二度目の射精を膣内に感じながら、絶頂の余韻に身体を震わせるディード。
 受け止めきれずに男の精が繋がった部分から溢れ出す。
(温かい……)
「ふう……やっぱり最高だぜ…」
「ご主人さまも……素敵です……」
 見詰め合い、再び唇を重ね合う二人。
 夜明けまではまだ長い…

 寝台の上で寝息を立てている男の頬に、ディードがそっと唇を寄せる。窓の外は既に明るくなり始めていた。
「またね……一晩限りのご主人さま…」
 手早く身支度を整えると、男を軽く一瞥してディードはそっと部屋を出ていった。
 その表情は、一人の女から戦士でもある普段のディードへと戻っていた。

END